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山の神の悩み

【書籍化お知らせ】

本作、書籍化が決まりました!

ありがとうございます!


7/4発売です!

予約受付中です!

何卒、応援よろしくお願いします!

【リンク】


https://www.bunkasha.co.jp/book/b665648.html


挿絵(By みてみん)


「ぬ?」

「どうしたのよ、おちび」


「……山の神への信仰心が、溢れていく」

「はぁ……!? なにそれ!」


 どういうことだろう……。

 信仰心が薄れているから、山の神は小さくなっているのに……。


「幸子ちゃんれーだー」


 幸子ちゃんが、ひのわさんの頭の上に立って、両手を広げる。


「せつめーしよー。幸子ちゃんのお耳はとても敏感なのだ」


「意味わからない……」

「ふんふん。なるほど。理解した」


 幸子ちゃんが何かに気づいた様子。


「どうやら、信濃の人たち。守美すみを、山の神だと勘違いしてる」


「「「はぁ……?」」」


 私たちは首をかしげる。守美すみさまが、山の神……?


「あ、まさか……霊亀を山の神だと……?」


「せーかい」


 そんな……。ひのわさんはまだピンと来てない様子。


「どゆこと?」


守美すみさまは、霊源解放れいげんかいほうの姿……つまり、霊亀の姿で、現れたでしょう?」


「そうね」


「その姿を、信濃の人たちは見て、それが山の神だと思ったんでしょう」


「あ……。なるほど……。確かに、守美すみさんが出たあとに、大地は戻ったもんね」


 うり坊姿の山の神もまた、得心いったようにうなずく。


「もとより我は人前に出ないからな」


 だからこそ、なおのこと、あれが山の神の御業だと皆思ったのだろう。


「なんだ、結構信仰されてるじゃあないの。山の神って。……って、あれ? じゃあなんで山の神はうり坊姿のままなの?」


「いうて、かせいだ信仰心は、守美すみへのものだからなのん」


「なるほど……。人違いだものね。神違いか」


 どうやら、信濃の人たちは、霊亀を山の神だと思ったらしい。

 山の神が信濃を救ったって気持ちが、神の力として満ちてはいる。


 でもそれは結局、別の神がかせいだ信仰心であって、山の神のものではない。

 だから、山の神に力が戻らないと。


「どうしましょう……」


「ここは、レイの出番ですぞ」


 と、幸子ちゃん。え、私……?

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― 新着の感想 ―
 書籍化おめでとうございます。  殺伐として居るけど、ほのぼのして居るので読みやすいです。
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