表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
188/247

霊道の中 3


 妖魔の妨害を、受けているよう様子だった。


「レイや悟が気づかないって、相手の気配を消す技術はそうとうなもんね」


 ひのわさんの言葉に、サトル様がうなずく。


「二人ともが妖魔の気配に気づけないくらいからだな。山のは本当に厄介だ」

 

 樹木子じゅぼっこのときもそうだったけども、やはり、山のは通常の妖魔よりも手強い。


「神域を使いますか? そうすれば、敵はデバフが掛かって……」

「お嬢様。神域は奥の手です。簡単に使ってはなりません」


 真紅郎さんが私を止める。

 確かに、神域を一度使うと、また霊力を補充する必要がある。

 

 神域を展開せず、見えない敵を見つけ出すなら……。


「宝具を使います」


 私は右手を伸ばす。

 饕餮たおさんの異能で、空間に穴を開ける。


 タオさんの胃袋にしまってあった、宝具を取り出す。

 神霊の眷属、眼鏡丸さんからもらった、特別な眼鏡の宝具を装備する。

 

「眼鏡なんてかけてどうするの?」

「この眼鏡を使えば、隠れてる妖魔を見つけられます」


 体内妖魔を、可視化できる宝具を使えば、隠れてる妖魔も見つけ出せると考えたのだ。


 眼鏡を使うと、ぼぅ……と、隠れている妖魔が姿を現す。


 皆さんの頭の上に、茶色い毛皮の、小さな獣が現れる。


「見えました! これは……イタチ? 茶色い毛皮の小さな獣です」

『それは【むじな】や! 人を迷わすたちのわるい妖魔やで!』


 日車さんが私たちに、敵の正体をおしえてくださる。


むじなですか。なるほど……どおりで目的地に着かないはずです」


 どうやら相手を迷子にさせ、目的地到着できなくさせる異能を持っているらしい。

 しかも姿を消す術まで身につけている。


「れいたん、眼鏡を!」

「はいっ!」


 私はサトル様に眼鏡の宝具を渡す。

 彼はそれを装着し、異能を発動させる。


「【霊亀】!」


 霊亀の異能を使い、むじなを捕縛しようとする。

 けれど、彼の結界は、私たちの頭上にいるむじなをとらえられない。


 まるで、狙いとは違った場所に結界が展開する。


「くそ! 狙いが定まらない……! どうなってる!?」

むじなは正確に言えば、【方向感覚を狂わせる】んや。せやから、攻撃は無意味やで!』


 なるほど。

 むじなの異能で、方向を狂わされるため、違う方向に異能を放ってしまうというわけだ。


 異能での捕縛は駄目。恐らく直接捕まえに行っても無駄だろう。

 

「日車さん、力お借りします!」

『おう! って、どないすんねん。あたらへんで?』


「大丈夫です、私の頭上のむじなにむかって攻撃を放ってください」


 日車さんが飛び上がって、火薬操作の異能を発動させる。

 黒猫の体から黒色火薬が吹き出し、猫の尻尾となって、むじなへと伸びる。


「駄目よレイ、むじなの異能で方向を迷わされる……敵を捕らえるのは無理……」

『捕縛できたで!?』

「なんですってぇ……!?」


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ