数え歌
人はまた今日を終わらせて
明日を始めようとする
僕もまた今日を終わらせて
明日に行き着こうとする
いつも変わらない街の景色が
不意に堪らなくなった雪の日
終わり始めた事を知った時
人は明日をどうするのだろう
終わり続ける僕を知った時
人は何時から離れるのだろう
遺せるものを指折って
片手で終わった数え唄
夕闇が今日を連れ去って
昨日が塗り替えられていく
暗闇が今日を塗り潰し
昨日を無為へと変えていく
いつか願った幾つもの夢は
眠る時だけ許される帰郷
無音で過ごす夜を知った時
人は自分をどう思うだろう
価値の足りない僕を知った時
人はどうして離れるのだろう
話せる人を指折って
片手で終わった数え唄
僕が見当たらない街の景色は
誰も苦しまない昨日の続きで
薄く積もった雪が消えていく
人はどうして憐れむのだろう
歩き疲れた僕が消えていく
人はどうして忘れるのだろう
悲しむ人を指折って
片手で終わった数え唄
果たせぬ夢を指折って
涙で滲んだ数え唄