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解錠令嬢と魔法の箱  作者: アシコシツヨシ


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14 黒騎士団後編

 北棟は地下二階まであります。

 地下一階の東側へ歩くと、扉があって、青い騎士服の男性がニ名立っていました。


「お疲れ様です。レリック団長、アレク団長、そちらが例のお方ですか?」


 例のお方?

 どうやら私が騎士棟に来る事は皆さんご存知のようです。


「そうだ、彼女はセシルだ。」

「セシルです。宜しくお願い致します。」

「青騎士団のシアーノです。」

「青騎士団のセルリアンです。」

 

 二人の騎士は、にっこりと笑みを返して、自己紹介してくださいました。

 どちらも青い髪と瞳ですが、シアーノの方が明るい青で、セルリアンの方が鮮やかな青色です。


「ではセシル嬢、これはどうかな。」


 アレク団長が扉の錠を指差しました。

 とても簡単な錠です。


「大丈夫です。」


 コクリと頷いて、鍵穴に指で触れました。

 カチッと音がして、直ぐに解錠出来ました。


「安定の早さだね。」


 アレク団長は扉を開けて、私の背中に手を添えると、中に入るよう、促しました。

 促されるまま扉の奥に入ります。


「アレク、必要以上に触るな。」


 殿下が、私の背中に添えられたアレク団長の手首を掴んでいます。


「エスコートしているだけなのに。ねぇ、セシル嬢。」


 確かにアレク団長の言う通りです。

 あくまでも紳士的なエスコートの範囲だと思われます。


「はい、そうですね。」

「ほら。セシル嬢もそう言っているだろう。」

「騎士が騎士をエスコートしてどうする。」


 言われてみれば、殿下の言う事は尤もです。

 本格的ではありませんが、私は黒騎士団に所属と言われたのです。


「部下が団長にお世話させるなんて失礼でした。アレク団長、申し訳ありませんでした。」


 何度目かの礼をします。


「いや、謝らなくて良いよ。さっきも言ったけれど、セシル嬢は王子の婚約者で、騎士ではない。レリックも、そういう認識だと思っていたのに、いつ変わったのかな?」


 アレク団長が殿下に視線を向けて、楽しそうに微笑んでいます。


「認識は変わっていない。ただ、任務中にベタベタするのは良くないと思っただけだ。」


 殿下の言葉にアレク団長が笑みを深めました。

 何がそんなに楽しいのでしょうか。


「ベタベタ?これくらい、誰でもする、ごくごく普通のエスコートだけどね。さて、セシル嬢、次はこちらだよ。」


 再びアレク団長に軽く背中を押されて案内されたのは、牢の前でした。

 牢の中には三十名程の人がいて、年齢や性別も様々です。

 首には枷が着けられて、全員、眠っていました。


「彼らは他国の奴隷で、違法に取り引きされていたんだ。元の国に送り帰してやりたいけれど、首の枷は、着けた本人しか解錠出来ない、特殊な魔道具で作られている。無理に外そうとすると、爆発するんだ。困った事に、その本人が殺されて外してやれなくてね。どうかな。」


 牢の鍵は問題無いとして、アレク団長は『魔道具』と当然のように言いますが、生まれて初めて目にしました。


 余興に出されたあの箱も魔道具なのでしょうか?

 他国や騎士団では普通に存在する物なのでしょうか?

 訳が分からないながらも、首の枷を見ますと、特殊ですが、余興の箱ほどではありません。


「大丈夫です。」


 先ずは牢の解錠をして、牢の中に入りました。

 眠っている方々に着けられた首の枷に触れると、パカッと二つに枷は割れて、地面に落ちました。


「ひゃっ!」


 思わず後ろに下がって、顔を覆うように両腕を上げて目を閉じました。


「どうした!」


 殿下とアレク団長が慌てた様子で、駆け寄って来てくださいました。


「あ、いえ、落ちた衝撃で枷が爆発してしまうのかと思いまして、お騒がせ致しました。」


 地面には外れた枷が落ちているだけでした。


「済まない、僕の説明が足りなかったね。枷は解錠されれば効果が消えるから大丈夫だよ。」

「それよりセシル、怪我は?」


 真剣な表情をした殿下に、両手を掴まれて、じっと観察されました。


「大丈夫です。驚いただけですから。」

「そうか、無事なら良い。」

「では、全ての枷を解錠しますね。」


 枷を解錠している間、アレク団長は牢の外で待っていましたが、殿下は牢の中に留まっていました。


 もしかして、心配、されているのでしょうか?

 私が思うよりもずっと、殿下は、お優しい方なのかもしれません。

 


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2023年12月8日にOFUSEサイトにて、レリックとセシルのイメージイラストを投稿しました。 宜しければご覧くださいませ。 OFUSEサイト・アシコシツヨシ
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