肉の腸詰めの様な物を少年に食べさせる
(お腹が減っているのかい?)
(……)
(……おいで)
貧しく飢えていた幼かった私にお腹いっぱい肉を食べさせてくれた師匠の事を何故か今思い出した。
ドイツと日本。国こそ違うが今私が置かれている環境があまりにもあの時と似ているからか?
私の目の前には痩せた日本人の少年がいる。
「お腹が減っているのかい?」
「え?あの。あの」
ちゃんと日本語を勉強してから来ればよかったな。
『あのニュース』を見た瞬間。私はすぐに日本行きの飛行機に乗っていた。
日本は私にとって天国だと確信した。
世界中に店舗を持つ肉料理レストラン『オスト・フライシュ』の創設者であり、彼らの事務所の巨大スポンサーになった私は彼らを救わなくてはいけない。
「わかるかい?僕は君の会社のスポンサーなんだ」
「スポン……サー?」
良かった。スポンサーは聞き取れるんだな。
「そんなにガリガリじゃ歌もダンスも出来ないだろう?さぁお腹いっぱいお食べ」
「ひぃぃぃ!」
本当に日本は天国だ。
「僕のソーセージを食え」