犯人(ユダ)は誰だ?
捜査パートです。様々なキャラの絡みと濃くなっていくキャラ達をお楽しみください。
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休憩室ー19:15
「ガア"ア"ア"ア"ア"ア"アズウ"ウ"ウ"ウ"ウ"ウ"!!!」
カラスーラの声が室内に鳴り響く、それと同時にポケットの端末がバイブする。画面にはドット状のカラスーラが表示された。
「おい、人が死んだぞ!どういうことだ!」
錦さんが声を荒らげた。それもそうだ、こんなの普通では無い。だが、私は少し予想していた。奴はゲームといった。人々を集めて監禁するなんて手の込んだドッキリでもない限りはなにかの実験みたいなものだろうと...私たちは逃げられないモルモットだ。1週間、まさか初日からこんなことになるとは思っていなかったが。
「言ッタダロォ!ゲームデスッテ!」
「は?ゲームだと!」
「ソウ...」
「ゲームデス ゲームデス ゲームデス ゲームデス」
「デスゲーム デスゲーム デスゲーム デスゲーム」
「コレハ、”オ前ラノオ前ラニヨル、オ前ラノ為”ノデスゲームダァ!」
「お前らによるってなんだよ、この中に鴨井さんを殺した人がいるって言いてぇのか!?」
橘さんも声を荒らげてカラスーラに当たる
「居ル」
「へ?」
不気味な声でカラスーラが答え、嘘だと言ってくれと言わんばかりに間抜けな声で橘さんが返す。
「鴨井ヲ殺シタ犯人ハコノ中ニ居ルンダヨォ〜!」
嫌な予感がこと如く当たってしまう。やはりこの中に居るだ...殺人犯が...
「そんな...ばかな...は?どういうことだよ」
「もう嫌ァ(இωஇ`。)お家に返してぇ〜(><)」
「コレカラオ前ラガ出来ル事ハ1ツダァ!」
「コレカラ探索ヲシテ22:00ノ断罪裁判デ犯人ヲ当テロォ!」
「は?誰がそんなこと!」
「良イノカ?犯人ガ次ハオ前ヲ殺スカモシレナイゾォ?」
「なっ...」
「安心シロ22時ノ断罪裁判マデ殺シハ起コセナイ!」
「ゲームノ追加ルールダ、ヨク読ンデオケェガァ〜ス!」
そう言うと液晶からカラスーラが消えルールが追加された。
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ゲームです。ルール
1。全員の死体発見確認後3時間以内に断罪裁判を行う
2。3人以上の死体発見で全員へ連絡が送られる
3。死体発見後→断罪裁判閉廷まで殺人は行ってはならない、破れば爆発
4。断罪裁判へ参加は絶対、1人でも破れば爆発
5。断罪裁判の持ち時間は1時間とする
6。断罪裁判の判決は投票によって決められる
7。投票の結果犯人を当てられれば犯人は処刑
8。投票の結果犯人を間違えると犯人は生存
9。処刑は直ちに行われる。
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と書かれていた。私の予想としてはこの中に1人以上誘拐犯が紛れている。そいつを当てるのだと思っていたが、これでは処刑という単語が引っかかる。それにこれは明らかに断罪裁判なるものが複数回行われることが示唆されている。一体、犯人の目的はなんなんだ...。続きを考えようとして私は思考を切り替える。今はそれどころではない、22時までに手がかりを集めないと!起きたからには犯人を見つけてこの誘拐の真相に近づく!
「すみません、皆さんが混乱しているのも分かりますが時間がありません。少しでも手がかりが欲しいです。そのためにも探索を始めましょう。朝の探索と同じように2人1組で行動しましょう、私は橘さんと行動します。ご協力お願いします。」
これは決して正義感なんかじゃない、私が成すべき事のため私はまだ死ねない。だがらこそ、止まって居られないのだ。
「松風くんの言う通り、ここは動かなければ鴨井さんに申し訳ない。今出来ることをしようじゃないか...」
藤さんの賛同も得られ、皆が行動を開始する。すると宇井さんが近づいてきた。
「君やるねぇ、凄く面白い。まるで何か”覚悟”を背負っているみたいだね、ふふっ」
そういうと彼女は私の肩に手をポンと置き、去っていく。きっと気づいているのだ。さりげなく付けた2人行動という条件が証拠隠滅を防ぐ為のものであることや1番怪しくかつ1番鴨井さんの情報を持っているであろう橘さんから話を聞く機会を作ったことを。だが今、橘さんは先程の威勢虚しくソファーに座り込んでいる。相当なショックだったのだろう、まずは現場検証をするつもりだったので今はそっとしておこう。
「シロ、実は私、部屋で寝てて詳細を知らないんだけど教えてくれる?」
「そうだったのか、騒ぎにはなってたがこの建物1つ1つの部屋が異様に防音性高いからな〜気づけなかったのも無理はないのか」
そう、個室の防音性は完璧過ぎてドアをノックしても中には聞こえない。カラスーラの端末を使って連絡するのが1番だ。カラスーラの端末を使えば参加者なら誰でも連絡可能だ。
「俺も詳しくは知らないが僕が食堂に向かおうと部屋を出た時に慌てて降りていく錦さんを見かけて話を聞いたら火災が起きたから消化器を取りに行くって言ってて」
「それなら確か1階厨房近くにあったよな?」
「あぁ、それで俺もついて行ったんだけど、あるはずの場所に無くて結局探すはめになったんだ。錦さんだけは4階に向かって炎を消すためにトイレのバケツで消火を試みていたよ」
「犯人が隠したのか...用意周到だな、それで見つかったんだろ?どこにあったんだ」
「あぁ、3階医務室の棚の中に入ってたのを縁下さんが見つけてくれたんだ。それで消化したら遺体があったんだ」
「なるほどな...全員ここに居たのはなんでだ?」
「最初の遺体発見自体は消化器を持って行った俺と錦さんだけだったんだが、カラスーラが他の奴も連れて来いって連絡が来たんだ。錦さんは部屋に残って安全確認していて、俺がみんなを呼びに行った。丁度縁下さんが消化器が見つかったことを伝えている時にみんな居たからそのまま4階に向かって全員で遺体を見ることになったんだ」
「それで3人以上が確認して私が向かったって訳か」
「大体こんな感じかな?」
「なるほど、ありがとう」
「おう、俺は兎咲ちゃんが気分悪そうだから別の部屋で休んでから調べるよ。あんまり無茶すんなよ。ロアはやりすぎる所があるから」
「あぁ、気をつける」
事件の経緯を伝え終わると顔色の悪い兎咲を連れてシロは休憩室を出ていった。さて、なら現場検証と行くか。
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休憩室ー19:46
遺体は無惨にも黒く焼け焦げ、その上から消化器の白い粉が被さっている。顔も誰であったのか判断できないほどに黒ずんでいる。これがお昼には食堂で一緒にご飯を食べていた人だとはとても思えなかった。
「錦さん、炎はここで燃えていたんですよね?どんな感じでしたか」
「あぁ、丁度この灰がある辺りで燃えていた。あまり炎が大きくなかったからほっといても一応消えていたと思うよ。出火原因は恐らく灯油ストーブかな?衣服か何かに引火したと思うんだが、それだけではここまでの炎にはならない。きっと灯油もかけられていたのだろう。安全の為今はコンセントを抜いて遠くに置いている」
「つまり、鴨井さんが動いたりはしていなかったんですね?」
「あぁ、俺が飲み物を買いに休憩室に入って最初に炎を確認した時も炎の勢いから出火直後だと思うけど、微動打にしなかった」
この言葉を信じるならば恐らく鴨井さんは死後に燃やされている。もちろん気絶させられていたり、眠らされていたりする可能性もあるがそれで目覚めない保証はないので可能性は低いと思われる。つまりは死亡時刻はもっと前の可能性もある。ストーブを確認するとタイマーがセットできるタイプだったが何時に設定されていたかは分からなかった。灯油タンクも確認するが中身が減っている。他にも異常がないか調べているとストーブのヒーター近くに黒い布のような物があることに気づく、燃えた跡があり、小さくなっている。鴨井さんがカラスーラから取った黒い布にしては厚手でなんだかザラザラしている。他に気になるものはなかったので死因も調べなければ。
「夏色さん、直球で悪いんだけど遺体を調べてくれない?持ち物とか傷とか」
「えぇ、あーし(゜ロ゜;)!?無理無理無理!…(( *△*)」
いつの間にか部屋には錦さんが残ってる関係から夏色さんしか女性が残っていなかった。だが意外と適任かもしれないと思っている。宇井さんは頼りたくないし、大平さんは話しかけにくい、兎咲さんは気分が悪く、中本さんのようなお嬢様には気が引ける。誘拐時から意外と平気そうなこの人が適任だ。
「頼む」
「えぇ〜マジ怖いんですけどォ〜(՞߹ - ߹՞)」
そう言いながらも渋々やってくれる。助かる、遺体とはいえ女性の体を探るのは申し訳ない。その間に私は他の物を調べる。実は遺体の横には元々あった観葉植物が倒れている。
「錦さんこの観葉植物は元から?」
「あぁ、安全確保のため以外の物はそのままにして現場保存してある。観葉植物も元からこうなっていた」
私の身長の半分ほどある観葉植物が倒れ、植木鉢から土が溢れだしている。暴れた形跡にしてはピンポイント過ぎる上に倒れたにしても元の場所から離れすぎている。明らかにわざとだ。ひょっとすると凶器に使われたのかもともう1つある観葉植物を持ち上げようとする。
「ぐっ、重い!」
何とか持ち上げられたが正直かなり重い。女性には持てない重さだろう。しかし、宇井さんならあるいは持ち上げられるかもしれない。錦さんに至っては軽々だろう。これを頭部に当てれば命を奪うことくらい簡単だ。
「終わったよぉ(。´-д-)、傷は見当たらなかったけど配られていた端末と個室の鍵を見つけたよ・ω・)ノ」
そう言って夏色さんから端末と鍵を受け取る。端末は原型をとどめていたがさすがに熱暴走で使えそうにない。鍵は問題なく使えそうで301と書かれていた。
「他に違和感のある所はなかったか?」
「違和感ね〜Ҩ(´-ω-`)気持ち頭が膨らんでる?気がしたぐらいかな( * ' ꒳ ' )」
それがもし内出血なら頭部を殴られた事になるが果たしてあの重い観葉植物でやってそれで済むのだろうか?それとも血も炎で蒸発して無くなるのだろうか?的確な知識はないので何とも言えない。まだ凶器と断定は出来ないな。
「ありがとう、それじゃあそろそろ私も別の所を調べに行くよ。夏色さんありがとう」
「まぁ、あーしだって、やる時はやるんだよ(◦`꒳´◦)」
一応夏色さんが犯人なら刺し傷があっても誤魔化せるし、わざわざ錦さんの動きを大人しく待っている理由も頷けるが、そんなことを言えばキリがない。
「橘さんお願いします。一緒に行きましょう」
この人こそ私の中では犯人本命なのだが、未だに気が抜けている。なぜだろう...そう思いながら3階へ降りる為に一緒に部屋を出る。
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個室301ー20:07
「あの、橘さん大丈夫ですか?」
部屋に着くなり私は問いかけた。あまりにも気を落とし過ぎていて、階段を降りる時も会話がない。最初は演技かと思っていたが、なんだか段々普通に心配になってくるレベルだ。
「俺はよぉ、あの子に救われたんだよ...」
へ?
「お前らが娯楽室を出た後もよ、あの子俺をずっと説得し続けてたんだ。最初は直ぐに諦めるだろって反抗してたんだが中々諦めなくてなぁ、手は震えてるのにみんなのためにも頑張ろうとか、不安でもみんなで頑張れば出られるとかこんな俺でも気遣ってくれたんだよ。」
すげぇ語り出してしまった。こんなキャラだっけ?この人
「昔似たような人を応援してた時期があってな、その子もひたむきに努力して他人を気遣えるいい子だった。俺はその子を全力で応援してたんだが色々あってな。そんときの熱意も忘れていつの間にか俺は腐っちまったんだよ。誰も助けてくれない上に挙句の果て誘拐までされる理不尽な世の中でも頑張る子を見て少しは頑張る気持ちが出来たんだよ。でも結局そういういい子から死んでいくんだよな...結末は変えられない」
正直突然語り出したよとか失礼なことを思ったが、こんな人でも何かを抱えて生きているんだと感じた。人は見かけによらずに複雑な事情を抱えている。私も...と感じときにそれどころでは無いことを思い出す。
「確かにそうかもしれません。でも、無念は貼らせます。あなたが生きている今、彼女の為にも犯人を見つけ出しましょうよ!」
「はは...たく、年下に慰められるなんて...どこまで腐ってんだ俺は!おぅ、やってやるよ。ぜってぇ暴いてこんな誘拐丸ごと終わらせてやる!」
元気を取り戻せたみたいで何よりだ。
「ん?おい、机の上の紙なんか書かれてねぇか?」
部屋には入ったものの入口で立ち話をしていたのだが先行した橘さんが何かを見つける。
「これは...」
「お前1人で18:00に休憩室へ来い」
と書かれた紙が置かれていた。これでおおよその死亡推定時刻が分かった。18時に行われたようだ。その後も橘さんと部屋を探索したが有力なものは得られなかった。
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医務室ー20:38
消化器が隠されていた休憩室に向かうと大平さんと杠葉さんがいた。
「何か分かりましたか?」
大平さんが私に気づいて話しかけてくる。丁度いい
「死亡推定時刻が18時だってことが301号室にあった紙でわかったんだ。みんなにその位の時間何をしていたか聞いて回っているんだ」
ちなみに橘さんは17時まで娯楽室で遊んだ後食堂で料理待ちをしている中本さんとボードゲームで遊んでいたらしい。先程の感動話を一瞬で台無しにする行動履歴である。本人曰く、暇すぎたとのこと。
「私は16時から18時50分位まで303の個室で休んでいました」
「そうですか、杠葉さんは?」
「ふふっ...ダン〇ンロ〇パも狼〇ームも殺し合いデスゲームは最初は女が死んで男が犯人って相場が決まってるだ...ヒヒッ...」
完全に自分の世界に入ってこちらに気づいていない
「ずっとこんな感じなんです。今度は真面目に探索してくれてるんですけど...」
杠葉さんもホントに癖が強い。宇井さんとは逆に主張しない不気味さがある。
「おい。18時に何してたか聞いてんだよ!」
橘さんが当たり強く問いかける
「うわぁ、な...な......なんですか、えぇっとその時間は個 室にしましたよ!というか食事の後からずっと個室から出てません!僕は無実です〜!!」
そう言って慌てて部屋を出ていってしまった。橘さんにしてはかなり優しく聞いたと思うのだが逃げてしまった。大平さんは急いでそれを追いかける。その時何か違和感を覚えたが、俺ってそんなに怖かったか?って顔で橘さんがこちらを見た方が気になってしまった。2人ともアリバイはなしか...まぁ、個室で寝てた私が言える訳では無いのだが。その後消化器があったであろう棚の中を調べるが元々入っていたであろう薬品が別の場所に移されているだけだった。睡眠薬なども調べたがこの部屋の薬品は使われた形跡が無かった。
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食堂ー21:00
今度は消化器があったはずの食堂へ向かう。3人で最初に探索した時見つけたのはここの1つだけだった。食堂では縁下さんと中本さんがご飯の保存を行っていた。
「あら、お2人とも何か御用ですか?」
訂正すると縁下さんだけだ。中本さんは優雅にお茶を飲んでいる。殺人が起きた後だと異様な光景にしかならない。
「まぁ、本命は消化器があった場所を調べに来たんだけど、中本さん18時位は何してたの?この時間が死亡推定時刻だと思われるんだ」
「そうなのですか、わたくしはその時間食堂で橘様とオセロをしておりましたわ。事前に聞いていたのでは無くって?それと縁下も食堂で料理の準備をしていましたよ」
「まぁ、念の為二重確認だよ。」
この為に橘さんには中本さんに話を聞く時口走らないようにとは言っておいた。その後消化器があった場所を調べるがまぁ、何も分からなかった。当然と言えば当然だが
「橘さんも中本さんも食堂にいたんですよね?消化器が持ち出されたことって知らなかったんですか?」
「えぇ、気づきませんでしたわ。わたくし達もずっと食堂に居た訳ではありませんから」
「俺も特に異変とかは気づいてなかったな」
まぁ、そんなものだろう。犯人も人がいない時を狙ったのだろう。
「ただ、食後の片付け後14:30から橘様からお誘い頂く17時の間であることはお伝えできます。それ以降はずっと食堂に居りましたから」
空き時間自体はかなりあるが有力な情報だ。
「ちなみに1番食堂にいたお2人は消化器を取った怪しい人物を見てませんか?」
「そうですね、食事会後も数人食堂を訪れていましたが怪しい人物に該当する人はおりません。それこそ、鴨井様だって居た時間もありますし」
「私めもお嬢様と同じです。補足させて頂くと橘様の他に食堂を訪れたのは藤様、鴨井様、錦様、大平様の4名です。時間や理由などまでは分かりかねますが」
「分かりました。ありがとうございます。」
休憩室で探索を促したおかげか協力的に伝えてくれる。ありがたい
「それと怪しいかはさておき15時辺りに4階へ行く宇井様を見ております。4階へ行った方を見たのは宇井様だけでしたので」
なるほど、彼女は怪しいだけなのかそれとも現場の事前視察か...
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娯楽室ー21:39
念の為他の部屋も見て回っていると娯楽室にシロと兎咲さんが居たのでついでにアリバイを聞くことに
「俺はその時間は個室かな。つまりアリバイなしだ!」
「もうそんなに調べてるんだ。ロアくんは凄いなぁ、よくそんなに頑張れるね...私なんて...」
「まぁね、でも私も人より少し冷静で居られるだけだよ」
こんな状況だ兎咲さんの方がよっぽど正常だ。前の”俺”ならこんなに冷静ではいられなかったな。
「私はシャワーを浴びていましたよ。中には誰もいませんでしたが私が更衣室に入っていくのを宇井さんが見てると思います♪」
ようやく気分が落ち着たのか明るく答えてくれた。
「それがホントならあのいけすかねぇ女も容疑者から外れんのか」
「いや、更衣室に入る時ってことは話の感じ16時前だろう、それなら向かう前かもしれない。その時宇井さんは何してたんだ?」
「確かにその通りです。ただ、なぜか男子更衣室から出てきたんです」
は?まさか...高身長だし、低い声ではあるけど...男なんて事はあるのか?いやいや、そんなわけないか。きっとなんか別の理由だろう。別の理由があろうとなんなのか訳が分からない行動だが。そろそろ断罪裁判まで時間が無いのでもう一度男子更衣室・シャワー室を調べるのは諦めて4人で4階へ向かった。
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会議室前ー21:52
会議室前には私たち4人以外全員が集まっていた。全員参加しなければ爆発というルールからか早めに集まったのだろう。あと16時からのアリバイを聞いていないのは宇井さん、藤さん、夏色さん、一応錦さんの4人だ。時間もないので兎咲さんとシロには夏色さんと錦さんに話を聞きに行ってもらい、私たちは宇井さんと藤さんに聞きに行く。別に裁判中に聞いてもいいのだが時間制限がある以上は効率的に行こう。
「おぉ、少年。犯人はわかったかい?」
「いいえ、なので彼女の死亡推定時刻である16時に何をしていたか教えてください」
「死亡推定時刻がわかったのか!凄いな、だが、残念ながらその時間は個室にいてアリバイがないな...」
藤さんが先に答えてくれる。
「いいねぇ、面白いじゃん。あたしも個室に居てアリバイはなしだよw」
「あと宇井さんには15時辺りに休憩室での目撃情報がありますが何をしに?」
「あぁ、タバコを吸いにね」
「あなたがわざわざ?」
「最後の1本だったからね〜ちなみになんでたばこを持ってるかはいつも数本隠し持ってるからさ、犯人も気づかなかったんだろwこれで満足?」
「それともう1つ...」
「ガア"ア"ア"ア"ア"ア"アズウ"ウ"ウ"ウ"ウ"ウ"!!!」
「会議室ヲ開場シタァ中ニ入レェ!」
シャワー室の件を聞こうとした時に端末からカラスーラの声が鳴り響く。ついに断罪裁判なるものが始まる。
「じゃあ、入ろうか」
藤さんの促しによって会議室に入ろうとする。シャワー室については流れで必要なら聞こうと思いつつ中に入ろうとすると宇井さんが耳元で囁いてきた。
「私はあんたと違ってれっきとした女だよ」
「なっ!何故それを!」
「男子更衣室にいた理由は秘密だけどねw」
「断罪裁判頑張ろうか〜」
一体どうして知ってるんだ。エスパーか?聞かれることを予測していたにしても不気味すぎる...たとえこの事件で犯人じゃなくてもこの女だけは油断してはならないと思った。こうして最初の裁判に向け会議室に12人が集まる。果たして鴨井千歌を殺した犯人とは...
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会議室ー22:00
第1回《断罪裁判》開廷
続々と見つかる怪しい行動、果たして犯人は誰なのか!?感想や考察お待ちしております。次回は裁判パート!