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5:魔王城そして帰還 その3

「お疲れさまでした、主殿」


 元の世界に戻ると《ディヴィジョン》で尊巳に報告を終え、ようやく家にたどり着いた。玄関を開けてくれた未緒がお辞儀をする。


「いや、そんな畏まらなくても。未緒の家でもあるんだから」

「あ、ありがとうございます、主殿」


 恐縮しているのか、頬を赤らめてうつむく。戦いを求める侍気質とのギャップが意外な感じだ。


「サフィもお帰り」

「ただいま……でいいのかな?」

「上出来」


 覚え立ての日本語でサフィが応じる。この世界にいるなら前の世界のエルフ語を僕が通訳するにも限界がある。


「それにしても、城に乗り込んだ時の国王の不様さには驚きました。あんな国王では忠義の尽くし甲斐もありません」


 未緒は本気で憤慨している。確かに僕を倒せと命令した時の腰の引け具合は凄かった。おまけに魔王だの人ではないなどと僕を罵ったものだから、未緒もサフィも本気で兵士たちを殴り倒した。おかげで国王も話を聞いてくれたわけだけど。

 国王たち重臣、召喚術を使った術士は全員見覚えがある連中だった。そいつらにすればかつて召喚して死んだはずの僕が戻って来て、しかも魔王を倒したと言うんだから驚きだったろう。しかも、召喚術の使用を禁止するというのだから猛然と反論してきた。

 が、最後には僕の説得が効果を発揮した。


「主殿の術が城の塔をへし折った時の顔は見物でしたね」

(違いない。目を向いて汗をダラダラ流す様子には笑ったのう)

「魔術士の方が書籍を灰にされて顔面蒼白でしたけど」

(まあ、さして珍しいものもない下等魔術書だったがのう)


 未緒は普通にノアと会話が出来るようになっていた。まあ、やる気になれば誰とでも念話を繋ぐくらいはノアには簡単なのだけど。

 さっきから一言も発していないサフィに気づいた。見れば、サフィはイスに座ってぼんやりしていた。いつもの輝きがくすんで見える。


「どうした、サフィ? 大丈夫?」

「え? あ、大丈夫だって。色々あったから疲れたのかもね」

「そうだね。連れ回すようなことになって悪かったよ」

「たいしたことないよ。またレオと一緒にいられるんだから」

「サフィ……」

「ゴホン!」


 未緒が聞こえよがしに咳払いをする。


「主殿、そういうことはふたりきりの時にしていただきたく」

(では、そんな時などないと知るがよい。妾がずっと見張っておるからな)

「覗き禁止な、ノア」

「じゃあ、今日は先に休ませてもらうよ」


 笑みを浮かべて部屋に向かうサフィの後ろ姿を見送った。


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