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1:未知の世界 その1

ここまでで一番長い話になりますが、」今回は短いです。しばらくお付き合い下さい。

「先ほど言ったように新しい世界シータ53への調査です」


《ディヴィジョン》責任者の加津羅尊巳が説明する。

 場所はいつもの転移ゲートがある広間だ。一旦、家に戻った後、ここに転移してきたところだ。

 尊巳の他にもうひとり、白衣の男――矢凪一途やなぎいっと。白衣なのは特に意味はないと言っていたので、多分雰囲気なんだろう。私科学者です的なアピール?

《ディヴィジョン》では元勇者のスキルを研究するために、最低月1回の健診という名の人体実験が義務づけられている。別に切り刻まれたりするわけじゃないので僕も協力している。その時に話をするようになったというか、一方的に僕に興味を持ってつきまとうようになったのが、この人だった。


「我々は昼となく夜となく召喚が行われるかどうか観測機器にしがみついておるわけですが、2日前に奇妙な事例を発見したわけですな。まず、こちらのデータが通常の召喚によって生じたエネルギーの波形で、こちらが今回の波形。一見してエネルギーの強さが――」

「端的に行きましょうか」

「あー、ここからのデータの差異が面白いのですが、まあいいでしょう。つまり、召喚が行われたわけではないというのに、細い繋がり――この私はラインと呼んでいますが、それが発見されました」

「繋がりというと?」

「その世界の何者か、あるいは何かがこちらに来たと考えるのが妥当でしょうな」

「だったら、そっちを探した方が早くないですか?」

「そうですね。ですが、その技術や魔術がないのです」

「誰も?」

「ええ。そうなのですよ! 私の力を持ってしても次元の壁を突破するには他者からの干渉に乗っかって送り込むしかない! なんという屈辱!」


 まだいら立たしそうな声を上げている矢凪の代わりに、尊巳が話を続けた。


「というわけですので、行って見極めた方が確実だという結論になりました。ラインがあると、いつでも行き来可能です」

「こっちからも、あっちからもってことですか」

「そういうことです」

「わかりました。準備はしてきたのでこのまま行きます」

「アンカーは?」

「いつものとおり、自宅でお願いします」

「かまいませんよ。では、疑似召喚システムを作動します」


 僕が台座に上がると、マヤ遺跡のレリーフのような機械に光が走り、唸りが大きくなっていく。


「葛見君! 向こうでラインの出発点を発見したなら、詳細な観察記録を作って下さい! それによって今後の研究の――」


 矢凪の声は途中で機械の唸りにかき消され、そして、僕は閃光と共に異世界に跳ばされた。


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