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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

チョコクリームの黒歴史小説

男の幼なじみは駄目ですか?

作者: チョコクリーム

面接をした反動からか無謀にも恋愛ジャンルに挑戦してしまう一人の男がここに居た…。

 

 幼なじみがいるなんて羨ましい。昔からよく言われる言葉。みんな口を揃ってこう言う。


『あんなに可愛い幼なじみがいるなんて羨ましい』


 普通なら嬉しいと思う言葉。

 幼なじみのことは親友だと思っているし、周りから評価されるのは自分のことのように誇らしく思う。

 だけど、容姿のことで苦労してきたことだってある。それを知らない癖にと思ってしまう汚い自分がいた。


 寝ぼけているのか輪郭が曖昧になっているクラスメイト達は、僕にギリギリ聞こえる程度の声で喋るのだ。


「もう付き合っちゃえばいいのに」

「ここまで鈍感だと呆れるな…」

「そうだ、俺たちで告白させようぜ」

「それあり」

「早く告白しろよ」

「告白」

「告白」

「告白」

「告白」


 ジリリリリリリ!!!!

 朝を知らせるアラームの音で目が覚める。アラームを止めようとスマホに手を伸ばす。


「嫌な夢を見た」


 鈍感鈍感うるさいな。聞こえてるんだよ、全部。

 幼なじみが僕と話す時だけ雰囲気が違うのは僕でも分かるよ。それを長い間一緒に遊んできた幼なじみだからと勘違いもしていない。

 だって幼なじみは2()()()()()()

 幼なじみの対応とは違うことぐらい分かる。

 だけど、その気持ちには答えられないんだ。僕には好きな人がいる。でも、今の幼なじみの関係を壊したくない。

 僕は一体どうしたらいいんだろう。


 ピンポーン。


「もうこんな時間かぁ」


 学校がある日は幼なじみが家に迎えに来てくれる。昔は普通に楽しかったけど、今は少し怖い。

 この気持ちがバレたらどうしようと怯えてしまう。気持ちを切り替えるために両手で頬をパチンと叩くと、急いで準備を済ませて玄関に向かった。


「もう、遅いよー」

「珍しいな、好男(すきお)が遅刻するなんて」


 僕を出迎えてくれたのは幼なじみの千原(ちはら) 夏帆(かほ)茂木(もぎ) (ゆず)

 女の子の夏帆はともかく男の柚まで可愛いのは一体何故だろうか。もしかして男と男の娘は別の生き物…?

 可愛い幼なじみの笑顔を見ると僕も自然と笑顔になれた。


「ごめんごめん。昨日、ちょっと寝るのが遅くなっちゃって」

「ちゃんと寝なきゃダメだよすーくん!睡眠不足は健康に悪いんだからね!」

「分かったって。次はしないからさ」

「ん?確か好男は明日からは徹夜するってLINEで…」

「ばっ!柚、お前それは言うなって」


 夏帆の耳に入っては不味いと、柚の口を手で塞ぐ。


「むがっ!?んー!!!?んー!!!」

「ちょっ、暴れるなって!?」

「すーくん、お話しよっか」

「ひぃっ!」


 朝の住宅街に騒がしい声が響く。

 柚の口止めは間に合わなかったらしい。無表情を超えて逆に笑顔になった夏帆に必死に弁解していると、人が多くなり騒がしくなっていくことに気付いた。

 学校に着いた。これで逃げれる、そう思っていたのに。


「後でお話、しようね!」


 僕は逃げ出した!夏帆は怒ると長いのだ。その事を経験から知っていた僕は脱兎のごとく逃げ出した。


 授業中、ふと後ろから視線を感じた。後ろを振り返ると、夏帆がじっと僕を見つめていた。

 あかん、これ1日コースや。休み時間になったら捕まってしまう。どうにかして逃げる場所は無いものか。

 最終的にトイレが安全地帯という結論が出た。


 授業が終わったら男子トイレに駆け込み夏帆から逃げることを繰り返し、これは勝ったと1人笑っていた。

 人の足音が聞こえた僕は即座に笑みを消し、トイレを今したばかりのように手を洗い出した。

 結果を言えばその行動は無意味だった。なぜなら足音の犯人は幼なじみの柚だったからだ。

 柚と一緒にトイレで夏帆から隠れた事もあるし、トイレの仲と言っても過言ではないと思う。


「よっ、好男」

「よっ柚。夏帆はやっぱりおこ?」

「そうだな、この感じだと今日中はずっとおこだぜ」

「やっぱり?僕もそう思ってたんだ。…で、どうしたの?そんな緊張して」


 幼なじみだからちょっとした変化なら息をするように分かる。今まで色々体験してきたというのに今更緊張するような話とはなんだろう?

 少し嫌な予感がした。


「バレてたか。ま、隠せる気もしなかったけどさ。…なぁ、本当にこのままでいいのか?」

「このままって?」

「夏帆のことだよ。好男が鈍感じゃないことは知ってる。とっくに気づいてんだろ?夏帆がお前を好きなことによ」

「まぁね。でも、この関係は壊したくないんだ。僕は、柚達との関係が心地良いんだ。だから、僕は何もしないよ」

「お前は知らないと思うがよ、夏帆のこと狙ってるやつは一杯いるんだぜ。このまま時間が過ぎていくだけだと他の男に取られるかもしんないだろ」


 なんか話が噛み合わないなと思ったらそういう事か。柚は僕が夏帆を好きだと思っているのか。

 僕が訂正しようとすると、柚が遮るように言った。


「今日、俺は夏帆に告白する」

「え?」


 僕が何かを言うまでもなく柚はどこかに行ってしまった。

 すぐに追いかけようにも、夏帆に見つかってしまったら、捕まって説教地獄になってしまう。

 僕は、どうすればいいんだろう。

 授業中ずっと考えたが、結局いい案は出なかった。


 昼休憩になり、いつも通り購買に行き、売れ残っていたフランスパンを買う。

 最近は柚達と一緒に買いに言って色んな味のパンを分け合っていた。

 懐かしい思い出が頭の中を駆け巡る。

 …?違和感だ。何かを間違えている、そんな気がする。

 あ。

 無意識のうちに柚は放課後に告白すると思っていた。

 今日はいつも居るはずの幼なじみが居ないから1人でパンを買いに行った。

 もしかして、柚は放課後じゃなくて、昼に告白する気なの!?


 止めなくちゃ。

 前に柚の好きな人を聞いたことがある。名前までは教えてくれなかったけど、夏帆ではないのは確かだ。


 僕が夏帆のことを振るのを怖がったせいで、柚は嘘の告白をしようとしているんだ。僕に告白をさせるために。

 僕が、ちゃんと伝えなかったから、はぐらかしてしまったから、こんなことになった。

 幼なじみの関係が壊れるのが怖かった。でも、その曖昧な態度のせいで柚に無理をさせてしまっている。

 だから、ちゃんと言おう。


 僕は、柚が好きだって。

 怖がるのは、もうやめだ。



 告白する場所、パッと思いつく場所は探した。でも、いなかった。

 もしかしたら全部僕の勘違いで、本当は放課後に告白するんじゃないか、それなら今探さなくてもいいんじゃないか。

 そんな弱音が洪水のように押し寄せてくる。

 その弱音に溺れたくなくて、必死に手を伸ばす。


 そういえば。屋上を探していない。屋上は立ち入り禁止になっていたから頭の中から抜け落ちていた。

 まだ、昼休憩は終わってない。

 急げ、僕。


 廊下を走り、階段を必死に駆け上がる僕の姿を見ていて人にドン引きされていたような気がする。

 でも、何とか間に合った。

 屋上の扉のドアノブを回す。本来なら鍵がかかっているはずの扉は、僕を待っていたかのように開いた。


 居た、柚だ。

 全部、話さなきゃ。告白には間に合わなかったけど、全部話せばきっと、やり直せるはずだから。

 駆け足で柚に駆け寄ると僕の顔を柚が覗き込む。

 可愛らしい顔で上目遣い、しかも涙目でプルプルしている状態で見つめられて心臓がドキドキと音を立てる。


「夏帆は、教室に戻った。俺、夏帆に振られて、また、幼なじみとしてやっていこうって」

「なんで泣いてるの?」

「なんでって、そりゃ好きな人に振られたら――」

「柚の好きな人は夏帆じゃないでしょ」

「っ、それ、は」

「昔、僕に教えてくれたじゃん」

「そんなの小2の話だろうが…。8年も経ってるんだから変わるのは当たり前だろ」

「違う。柚は昔からたくさん努力してきたし、諦めたことはなかった。そんなやつが8年経ったぐらいで変わるわけない。…ねぇ、告白したの、僕のせいでしょ?」


 柚の呼吸が少しだけ荒くなる。


「僕がいつまでも曖昧な態度だったから、柚が変えようとしてくれたんでしょ?」

「………」

「柚」


 柚の顔をじっと見つめる。


「そうだ、よ。俺は、お前らが、いつまで経っても変わろうとしないから」

「違うんだ、柚。僕は、本当は、夏帆のことが好きじゃないんだ」


 今まで気を付けてバレないようにしていた。それが、1回言葉にしただけで決壊したダムのように溢れ出てくる。


「幼なじみの関係を壊したくなくて、現状維持で満足してたんだ」

「じゃあ、俺のしたことは、要らないお節介だったのか…そうかぁ、なんか変だなって、思ってたんだ。お前らしくないなって。そういう事かぁ」

「でも、現状維持じゃダメだって教えてくれたのは柚だよ。柚が、僕と夏帆の関係を変えようとしたから、僕も幼なじみに向き合おうと思えたんだ」


 今、言いたい。今まで隠してたこと、全部。

 男が男を好きになるなんて普通じゃない、そう思ってずっとこの気持ちを抑えてきたのに。

 今はそんなのどうでも良くなって、言いたくなった。


「柚。僕は、柚のことが好きだ。友達としてじゃなくて、恋愛の好き。普通じゃないのは分かってる。でも、もう、無理なんだ。抑えようとしたらその分また好きになっちゃうんだ」


 驚いて何も言わない柚に僕は溜め込んできた言葉を吐き出す。


「最初は、ただの友達だと思ってた。小学生の時、男子にからかわれてた柚を見て、助けようとして結局出来なかった。足が竦んだんだ。中学生になっても、からかわれてた柚を助けることが出来なかった。見てたのに、足が動かなかったんだ。小学生の時から変わってなかったんだ。でも、柚は変わってたんだ。正面から言い返して、立ち向かってた柚を見て、カッコイイって思ったんだ。それからずっと、頑張る柚から目が離せなくなった」


 目から汗が流れた。おかしいな、こんなはずじゃ、なかったのに。

 きっと、嫌われたと思う。こんなことになるなら、好きにならなきゃ良かったのに。


「好男。ごめん、俺、今まで隠してたことがあるんだ」


 息を吸う少しの間がとても長い時間に感じる。


「俺も、好男のことがずっと好きだった」


 驚いて何も言葉が出ない。口からはただ空気が行き場を失って出ていくだけだ。

 ずっと、一方通行だと思ってた。理解されないと思ってた。

 なのに、理解されるどころか好きだった、なんて。

 本当にずるいな、柚は。


「お前は俺の事を助けられなかったとか言うけどさ。俺は今までたくさん助けられてきたぜ。俺の話になった時、上手く場を流してくれただろ。俺は不器用だからすごく助かってた。それに、相談にも一生懸命乗ってくれただろ。本当に、助かってたんだ。目立ったことをしてる訳じゃないかもしれない。でも、俺にはめちゃくちゃ凄いことだったんだ」


 思い出した。中学生になる時、男っぽく見られるにはどうすればいいって聞かれたことがあった。

 確かその時は、こう言ったんだ。


『んー、よく分かんないけどさ、何かを一生懸命頑張ってるやつってカッコイイと思わない?後は俺とかだぜとか使って口調を変えたら強そうかも?』


「なんかさ、僕達、凄い遠回りをしてきたみたいだね」

「…あぁ、そうだな」

「ねぇ、その口調、慣れた?」

「今はこっちの方が馴染み深いな」

「そっか。…僕達は付き合っていいのかな?」

「周りがどう言おうと、俺はお前と付き合いたいと、思う」

「僕も、僕も柚と付き合いたいよ」

「ふふっ」

「ははっ」


 これから先、色々大変だろうけど、何だか大丈夫な気がしてきた。

 きっと、柚と一緒なら大丈夫。


「付き合ったんだし、手。繋がない?」

「お、おう」


 僕が差し出した手に柚が手を重ねる。柚の温かみをもっと感じたくて、握りしめると同じくらい握り返された。

 思わず柚の顔を見てしまう。


「柚、顔赤いよ」

「お前もな」


 これだけで幸せを感じる僕は単純なんだろうか。

 それとも、もっと幸せを求める僕は強欲なんだろうか。

 柚の顔をついまじまじと見てしまう。

 可愛いのに、カッコイイなぁ。本当にずるい。


「…するか?」

「……?うん」


 する?って何…っ!?

 柚が口を近付けて迫ってくる。目を閉じてしようとする柚を見ると、緊張とかが飛んでいってしまった。

 そして、僕も顔を近付けて…


 バタン!


「急がないと授業に遅れるわ……よ…」


 口が触れる寸前、屋上の扉が開いて夏帆が表れた。


「「あ」」


 何があっても、柚が居るならきっと大丈夫。

男の娘は女ですか、男ですか。

私は男の娘は女だと思ってます。可愛いは正義。

(私はホモじゃ)ないです。

ついでに言うと腐の方でもなくノーマルです。


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