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51話

何とか、なろうさんからお許しを貰えた……



 宿屋を営む者たちの朝は早い。

 時刻は午前四時半を少し過ぎた頃合い、ベッドで睡眠中の少女がいた。



「う、うーん……」



 少し大人びてきた年頃なのだろう、目が覚める予兆の呻き声に艶やかな色を混じらせながら彼女の意識が覚醒する。

 白無地の寝巻きに、同色のナイトキャップを頭に被っており、その姿は少女らしい年相応な雰囲気を醸し出している。



「……はぁー、時間かな」



 少し名残惜しそうにしながらも、自分の体温で暖められた布団から抜け出し、寝巻をおもむろに脱ぎ始める。

 若く瑞々しい肉体が惜しげもなく晒され、母親譲りの大きな胸がたゆんと揺れる。



 女性として均整の取れた体と、あどけなさが残る少女の顔は、ある者が見れば愛らしく、またある者が見れば異性として魅力的だと評価するだろう。

 寝巻姿から普段の服に着替えたケイトは、自分の部屋を後にすると、外に設置された井戸で顔を洗う。



 年中を通して温暖な気候に恵まれている王国であるが、さすがに顔を洗う時の朝の水は冷たい。

 その冷たい水を顔に被り、眠気を飛ばすと、ケイトは従業員用の入り口から宿の受付へと移動する。



 早朝ということもあって、宿泊客はまだ就寝しており、宿は静寂に包まれている。

 そこに一人の見知った顔を見つけたケイトは、その人物に向かって朝の挨拶をする。



「おはようお母さん」


「ケイト、もう少し寝ててもよかったのに、昨日のお客さんの対応大変だったでしょ」



 自分の娘にそう言いながら、ケーラは欠伸を噛み殺す。

 寝不足といえば、彼女もまたほとんど徹夜で宿の受付をしていたので、寝不足度合いでいえばケイトよりも上のはずだ。

 だが、そこは母親なのだろう、そんなことは微塵も感じさせずケイトの体調を気遣う。



 昨日、ケイトが酒場でウエイトレスをしていた時に、酔った客に絡まれていたことを知っていたケーラは、疲れが残っているのではと心配していたが、当の本人はケロッとしているので、そこはさすがに慣れているのだなと感心する。



「大丈夫だよ。これでも【白銀の風車亭】の看板娘をやってるんだよ。酔ったお客さんの相手をしたくらいじゃ疲れないよ」


「そう、ならいいんだけどね。そうだ、朝の仕込み用の食材が足りなかったんだ。ケイト悪いんだけど、今から言うものを買ってきてくれないかしら?」


「うん、わかった」



 ケーラはそう言うと、両腕を天井に突き上げ体を伸ばす。

 だが、彼女がそのような態勢を取ってしまうと、当然のことながら胸を張ることになってしまい、服の上からでもわかるくらい彼女の豊満な乳房の形がくっきりと浮き出てしまう。



 この世界で一般的な平民の女性は、あまり下着というものを身に付けない。

 流石に、パンティーに似た形状の下半身に着ける下着は平民でも持ってはいるが、胸部を押さえておくブラジャーなどの下着は、王侯貴族か大商人の娘や妻が着ける程度だ。



 そして、ケーラも平民の出であるため例に違わず、上半身に関してはいわゆるノーブラだ。

 さらに、それに拍車をかけるように、Jカップはあろうかという凶悪的なものを持っている彼女のそれが、自己を主張しないわけがない。



 実の娘であるケイトですら、彼女の形のいい乳房と均整の取れた体に思わず見惚れてしまうほどだ。

 同性の家族である彼女ですらそうなのだから、これが異性であるならば、その蠱惑的な魅力に気付かないはずがない。

 


「もう、お母さんいつも言ってるでしょ。あまり胸を張るような仕草しちゃダメだって。他の男の人に見られちゃうでしょ」


「ふふ、別に減るものじゃないんだから見せてあげればいいじゃない。見るだけならタダなんだから」



 そう言って、挑発的な笑みを浮かべ、さらに胸を張るものだから、ますます彼女の胸の形が強調されてしまう。

 そんなやり取りをしたあと、ケイトはケーラに頼まれたお使いに行くため、彼女から買ってくる品物を聞いたあと宿を後にした。



 余談だが、ケイトの父親であるヨハンもまたかなりの男前で、巷では美男美女のおしどり夫婦なんて呼ばれてたりする。

 そして、ケーラが凶悪な乳房を持っているように、彼もまた体のある一部に凶悪なものを隠し持っているのだが、それはまた別のお話である。



 宿を後にしたケイトは、そのまま市場に向かって歩き出す。

 時間帯はまだお日様が顔を出し始めたばかりのため、まだ外は薄暗い。

 漆黒の闇に包まれた真夜中というほどではないが、それでも街路の全てを見通すことはできないくらいには暗かった。



「そうだ、早く市場に着きたいから、近道しようっと」



 そう独りごちたケイトは、大通りの道を進まず脇道に入って行く。

 裏路地とも呼ぶべき場所を少し早足で進んでいると、突如としてケイトの進行方向に誰かが立ち塞がる。



(え? だ、誰?)



 ケイトがそう考えていたその時、不意に首元にチクリとした痛みが走ったかと思ったら、そのまま視界が歪み始め意識が朦朧とし始める。



(え? な、なにこれ? か、体が思うように動かない)



 まるで全ての感覚が麻痺したように動かなくなり、意識も次第に遠のいていく。

 何とかしようと、動かない体を動かそうと試みるケイトであったが、そんな努力も空しく意識を失ってしまった。



 


ちなみにケイトはGかHのどちらかです。

ピンクちゃんはGです。

ベティーはCです。

キャシーはFです。

秋雨が大通りを歩いている時に出会った牛の獣人お姉さんは……。



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