第一部第一話 英雄の国バトワー 一
ここから、展開が遅くなるので、ご了承下さい。
バトワーの町から出、アリエスは祖国の城に戻ることにしていた。
彼の祖国、バトワーは、世界地図でいえば右上の大きな大陸の一部の領地をもつ。そこまで大きくなく、そこまで小さくなく、平凡な大きさの国だ。
国を治めているのは、エリックやアリエスの家系である。1500年ごろからバトワーの一族が国を造り上げていっていた。現在の国王は、エリックのひ孫でアリエスの父、ロヴァ・バトワーだ。
最近異変が起き、病床の父に会いに、アリエスは城に戻っていた。
「あ、アリエス様、城に異常はありません!」
城の外を警備していた兵士が、アリエスに気づいた。
「そうか。ところで、親父はどうなんだ?」
「はい、今は、容態も良く、ぐっすりと眠られております」
国王は謎の病に倒れ、今も眠り続け、全く目覚める気配がない。国王の病から、世界が再び闇に閉ざされた世界へと変化した。
アリエスは、城に入り、病床の国王の部屋へと訪れた。
「母上、親父は、親父は大丈夫なのか?」
「大丈夫ですよアリエス。私の愛するロヴァは死にはしないわ」
アリエスの母である王妃は、優しい口調でアリエスに言い聞かせた。アリエスは、静かに眠る父の姿をただ見つめていた。
「母上、俺は、親父を救いに行きます」
アリエスは母にそう言い残し、再び闇に閉ざされた世界へと足を踏み入れた。
「エリック様……、どうか私の息子アリエスを守って下さい……」
王妃はアリエスが行ったあと、エリックに祈り続けていた。アリエスの無事と、ロヴァの回復を。
一方、アリエスは祖国周辺をうろついていた。やはり、父の容態が心配で、旅立つどころではない。と思ったのだろう。
祖国周辺をくまなく探索していると、小さいひ弱な魔物が飛んできた。
「痛っ」
アリエスは魔物に衝突、頭を軽くケガした。といっても、少しぶつかっただけだが。
アリエスは、少し頭にきたみたいで、剣を取り出した。