file0 〜プロローグ〜
時は2XXX年……。
アスカディア全土に巣食う魔物が、消え去った。
全ては、英雄エリックがした偉業。
エリックが亡き今、どんな国でも、エリックの誕生日を迎えると盛大に祝う。
その行事は、アスカディア全土共通の法律と化していた。
今も、この行事は途切れることもなく、しっかりと後の世代にも語り継がれていっていた。
しかし、エリックがもたらした平和は、そう長くは続かなかった……。
エリックの死後、世界の平和は約100年以上続いていた。
その平和は、バトワー国の王の異変をもとに、一気に崩れ去っていってしまったのだ。
世界には再び魔物が現れるようになり、魔物の力も昔とは比べ物にならないほどになっていた。
ある予言者は言った。
『世界が再び闇に包まれし刻、英雄の子孫現れん』
人々は皆、英雄の子孫の出現を待ち望んでいた。
そして、異変から約1年後、予言者の予言の通り、子孫が現れた。
─アリエス・バトワー─
姿形、声等、エリックの生き写しのような、強い瞳を持った青年だった。
人々は皆アリエスにすがりついた。
一部の人は、神にアリエスの無事を祈っていた。
神に選ばれし英雄の子孫、アリエスの運命は……