とっ、トウヤ君!そんなぁ
四万十川春見はトウヤ君に手紙を渡していた。
私がいないときに渡すような手紙の内容なんてラブレター以外考えられないわ。
どうして、どうしてトウヤ君は受け取ったのかしら。
どうして?
私の心の中にはこの5文字がずっと渦巻いていた。
この遊園地に来た理由って四万十川と一緒に来たかったから来たのかしら。そうよね、私なんかよりもずっと四万十川さんのほうがいいわよね。でも、でも……そんなの許せないわ。私は、トウヤ君のことが大好きなのに。
あの時、入学式の帰りにトウヤ君は言っていた。「恋人って言っても、その、恋人っていうのがどういうものかわからないんだ」って。
だから私は、私は、恋人って思ってもらえるようにずっと待っていたのに。
いいえ、待っていただけじゃないわ。友達じゃなくて恋人として好きって思ってくれるようにいろいろ私なりに頑張ったつもりなのにどうして。
やっぱり私って、トウヤ君にとってどうでもいい存在だったのかな。まあそうよね……私なんか、どうせみんなに避けられ続けるんだわ。
もう私は遊園地にいるのが嫌になった。左腕に着けたワンデーパスを引きちぎりバス停までいつの間にか走っていた。
1時間に1本しかない路線バスであったが運よくあと10分で到着するらしい。
バスを待っているときに中学時代のことを思い出した。
私は中学時代、友達が一人もいなかった。
いや、いなくなったといったほうが表現としては正しいのかもしれない。
私は高校1年生の6月。そう、ちょうど今頃の季節だったわ。小学校時代の友達がほとんど公立の中学校に進学する中、私立の中学校に進学した関係で周りに友達は一人もいなかった。それは私だけではなく、クラス全員がそうであった。入学して2か月たってようやくクラスメートとなじんできて、何人かの友達ができた頃、親の仕事の関係で急に転校が決まった。
受験勉強をして入学した中学校だったし、友達もできたばっかりだったから転校などしたくなかった。でもそれは叶わず。遠く離れたこの土地まで引っ越し、地元の公立中学校に通うことになった。
もちろん、6月という中途半端な時期ではすでに転校先のクラス内での交友関係は出来上がっていた。もともと人とのコミュニケーションは決して得意な方ではなかった私は、自分から話しかけるっていう簡単なこともできなかった。その恐怖からか周りの人が「話しかけるな」と言っているかのように思えてきた。だから私はずっと独りぼっちだった。昼休みに弁当を食べ終わった際には窓の外の景色を見ているか本を読んでいるかしかしていなかった。
そんな中、そんな退屈な日々を過ごしている中、一人だけ私に話しかけてくれた人がいた。