#2 ここで生きていく
よろしくお願いします。
日曜日。おはようございます!
サービス開始は午前9時から。現在は午前7時。長期戦に備えよう。
リビングに降りる。そこには……。
「あら。珍しい。おはよう裕南」
「おはよう。姉さん」
ソファに座っていたのは姉の【木花 穂香】18歳で今年から大学1年生。大和撫子と言える容姿をしている。スタイルもそこそこ良い。仲は悪くないも良くもない。普通に挨拶するし、一緒にご飯も食べるし、家事も交代で行っている。しかし、お互いの生活や交友関係に深く干渉もしない。夜更かししようが、早起きしようが、泊りに行こうが、別に喧嘩したり止めたりもしない。姉はゲームや漫画もしないから趣味の話をすることもない。
まぁ、姉弟なんてこの年になるとこんなもんだと思う。
ちなみに母親は小学校卒業前に事故で亡くなった。父親は現在単身赴任中だ。父親は仕事一筋で家にはほとんど帰らないが、裕南は父親を尊敬しているため関係は良好である。
「出かけるの?晩御飯は?」
「いらないわ。今日は友達の家に泊まってそのまま大学に行くから。悪いけどお風呂掃除はお願いね」
「分かってる」
ということは明日の朝までは好きに動けるな。
よし!いってらっしゃいませ!
朝ご飯を食べ、風呂掃除をして、部屋にカップ麺とポッドを用意。トイレも行ったし準備よし。
「さぁ。始めよう」
ギアを被り、ベッドに横になる。ゲームを立ち上げる。
≪Welcome New World!≫
少し浮遊感を感じる。
『おぬし……福を。…キ。誕………でとう』
空耳か声が聞こえた気がする。女神様の声に似ている。
(そういえばお礼も言えなかったな)
申し訳なく思っていると、頭を撫でられたように感じた。少し嬉しかった。
浮遊感が終わる。
足裏に地面を感じて目を開ける。
「おぉ~!来たにゃー!」
目に映る光景は定番の中世ヨーロッパに似ている。
ふと周りを見ると人であふれている。目に映るのはプレイヤーだろう。ヒューマンやエルフにドワーフ。それに獣耳を生やしているヒューマンや竜人、悪魔と考えられる姿をしているプレイヤーもいる。
人酔いしそうだ。どこか落ち着ける場所に移動してステータスや感覚を把握しよう。
歩き始めると視線を少なからず感じる。
(珍しいよなー。見える限りだとケット・シーどころかライカンスロープも見当たらないし)
ちなみにライカンスロープは獣が2足歩行になったような亜人だ。ケット・シーも見た目ではライカンスロープと言えるだろう。ビーストマンは人間に動物の耳やしっぽが付いた姿をした亜人だ。
思ったよりレア種族を選択したプレイヤーは少ないようだ。いや違う。
(動物系を選んだ人が少ないだけか。竜人や悪魔みたいな人はいるし)
視線が気持ち悪いが、移動しないと消えないのだからさっさと移動する。
周りも気にはなっているが、特性が分からないために声をかけづらいようだ。
(ライカンスロープのことを考えると、ケット・シーって見分けにくいだろうしな)
1時間ほど歩き外壁の近くまで来た。疲れた感じはなし。歩きも現実と同じ感覚で行けるようだ。
ちなみにこの世界の1日は、現実では1時間である。こっちの1時間過ごしても向こうでは2.5分。カップ麺も作れない。このゲームのもう1つの売りはログアウト中は現実と同じ時間で進むことにある。理屈は分からんけど。しかし、時間は進むからログアウト中にクエストが時間切れになったり、護衛対象NPCが死んでしまう可能性はある。
周囲を見渡すとポツンと木が1本立っていた。根元が木陰になっていて涼しそうなので、根元に座り一息つく。
「ふにゃあ。さて、お待ちかねのステータスにゃ。オ~プン」
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名前:ナナキ
性別:雄
種族:ケット・シー(妖精族)Lv0
メイン職業:フェンニャーLv1
サブ職業:占い師Lv1
称号:
生命力:D-
魔力:A-
筋力:D-
防御力:E-
精神力:B+
知力:B
器用さ:D
敏捷力:A
幸運:A+
・スキル(パッシブ)
ケット・シーの性
敏捷強化:Lv1
CTR強化:Lv1
危機感知:Lv1
方向感覚強化:Lv1
魔力強化:Lv3
知力強化:Lv1
暗視
・スキル(アクティブ)
剣術:レイピアLv1、ナイフLv1
占術:Lv1
魔法:妖精魔法Lv1
トリック:Lv1
鑑定:Lv1
爪技:Lv1
・ユニークスキル
妖精族の加護
女神?????の加護
猫の呪い
金目銀目
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「性別:雄って……。ステータスも極端だにゃ~。とりあえず当て逃げ戦法しかできにゃいにゃ」
1つずつ確認していこう。
【ケット・シー】
妖精族に属する猫人。意外と義理堅く慈悲深い。嫌いな相手に対してはしっかりと猫を被る。気分にムラがあり、それにより周囲の運気が上下してしまうことがある。
【フェンニャ―】
ケット・シーがフェンサーを志して誕生した。しかし、手の構造のため刺突剣とナイフしか持つことが出来ない。
*片手剣装備不可
【占い師】
占術を使い未来を予測する。罠や奇襲に敏感。星占いも出来るので方向感覚も優秀。
【ケット・シーの性】
猫の姿をしているため、武具、道具の使用に制限がかかる場合がある。身内に対して甘く加護を与え幸運を与える。逆に嫌いな相手に対しては不幸を意図的に与えにいく。
*妖精族の加護を与える、猫の呪いを受ける
【トリック】
簡単な罠やいたずらを仕掛けることができるスキル。
【妖精族の加護】
フレンドやパーティーメンバーに幸運強化、危機感知のスキルを与える。
*フレンド登録、パーティーに入ったから必ず与えられるものではない。
【女神?????の加護】
女神?????に気に入られたものに与えられる。魔力、知力、幸運が増加する。
【猫の呪い】
しゃべる言葉が猫語になる。装備、道具に制限がかかる。マタタビを嗅ぐと「酩酊」「魅了」の状態異常になる。動くものに目を奪われてしまうことがある。
*盾装備不可
【金目銀目】
オッドアイの猫が持つ。幸運が増加する。
「戦闘職は今後苦労するかもだにゃ~。盾も持てにゃいし。でも他はあんまりデメリットにゃくていい感じにゃ。マタタビには注意がいるけど」
いい感じで始められそうだ。後は……。
「ニャ前はやっぱりわからにゃいか。でも女神様。本当にありがとうだにゃ」
ナナキは女神に感謝の言葉を告げる。
そして立ち上がり移動を始める。
「戦闘方法もある程度決まったし、武器屋とか冒険者ギルドを回って色々確かめていくにゃ」
武器は今はナイフのみ。爪もあるけど爪の強度が分からないし期待は出来ない。
「さぁ、楽しむにゃ」
この世界で生きていくために。
ありがとうございました。




