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#1 Happy Birth Day

よろしくお願いします。

 光の玉に吸い込まれ、気づいたら鏡に囲まれた世界にいた。


「いよいよか。出来れば女神様と話しながら作りたかったけど」


 直前まで話していた女神を思い出してつぶやく。暖かった笑顔を思い出し、笑みを浮かべていると目の前の鏡に映る自分が動き出す。

 自分に対して正面を向き、直立した状態で固定される。そして自分の前にウィンドウが現れる。


≪新しい自分の種族を決めてください。*性別は変えられません≫

◆ヒューマン

◆エルフ

◆ビーストマン:犬・猫・兎・R狼

◆ドワーフ

◆Rライカンスロープ:ウェア・ボア

◆Rケット・シー

◆SRインキュバス


「おぉ。意外と多いな~。確か上4種族は確定で、エルフとビーストマンはそこからさらに分かれる…だっけ。エルフは選択肢ないな。ビーストマンから考えるとダークエルフとかはレアになるからかな」


 それでもレア3つ、スーパーレア1つあるから十分かと言えるけど。


「それに種族によっては進化出来る可能性があるとか言ってたし。エルフはその可能性があるな。それにしても……」


 ビーストマンとライカンスロープの違いって何?ライカンスロープは選択肢一個しかないし。


「興味惹かれるけどなぁ。猪はさすがになぁ。それに狼も僕のイメージではないよね」


 インキュバス?ソンナモノボクニハミエナイヨ?


「ケット・シー一択だな。顔ばれしないだろうし」


 このゲームは性別や体格、顔つきは基本変えられない。種族によっては変化するけど現実と変わらないところはそのまま反映される。

 例えばポッチャリな女性がサキュバスを選んだらポッチャリなサキュバスが出来、豚顔の男性がライオンのビーストマンを選択しても立派な鬣を持つ豚顔のビーストマンが出来る。

 ケット・シーならまず間違いなく二足歩行の猫だ。体格はともかく顔なんて分からない。


「ケット・シーを選択」


≪ケット・シーに決定します≫

はい/いいえ


『はい』を選択。


≪種族を決定しました。反映します≫


 インフォメーションが流れ、鏡に映る自分の姿が変化する。

 現れたのはまさしく猫だ。白地が多めの三毛猫。平凡である。


「身長も変わったし…体格も少し変わった?」


 身長は90cmほどだ。高いのか低いのは分からないけど。二足立ちだけど手足は猫のものだ。しっかりと二足歩行の猫である。ただ気になるのは。


「左目が黄色に右目が淡い灰色か青色……。中二病みた…いや、確かオッドアイって猫に多いんだっけ」


 オッドアイ:正式名称は虹彩異色症。白猫に多く見られる。裕南は知らないが、日本では「金目銀目」と言われ、縁起がいいとされている。しかし、銀目とされる青色側に聴覚障害を生じることがある。今回はゲームのため、そこまでは再現していない。


「ま、出ちゃったものは仕方ないか」

 

 メイキングを続けよう。


≪続いて名前を入力してください。

*人目に触れるもので、ゲーム開始後は基本変更できません。注意してください≫


「ナナキ」


 『き』は『な』ゆう『な』を逆さまにして『ナナキ』。これならリアルで顔見知りにあってもばれないだろう。


≪プレイヤー名『ナナキ』で登録します。よろしいですか?≫

はい/いいえ


『はい』を選択する。


≪続いてメイン職業を選択してください≫


 いよいよメインだ。ここの組み合わせでスキルと開始後の過ごし方が決まる。

 選択肢は6個…なのだが……。なのだが。


「なんじゃい。こりゃ」


◆ファイニャー

◆ニャスター

◆フェンニャー

◆ニャーチャー

◆ニャリースト

◆Rニャーサーカー


 猫に憑りつかれている!?


「にゃんてこった。……にゃ?」


 『にゃ』ってなんだこれ?

 自分の姿を見ると


「おぉ!?もう変わってる!?」


 どうやらすでにケット・シーになっていたようだ。猫語は強制のようだ。


「仕方にゃい。にゃってしまったものは諦める。問題は職業にゃ。本来と同じと考えるのは危険にゃ気がする」


 レア種族だしこの姿だ。ヒューマンと同じと決めつけるのは怖い。


 実はこのゲーム。メイキングでは解説機能がないのだ。だから種族特性も職業による補正も世界に降り立たないと全貌は分からないのだ。

 むしろ種族と職業を選べることが幸いである気がしてきた。


「職業まで冒険はできにゃいにゃ。【フェンニャー】を選択」


 フェンサーが元だし、変になる可能性は低いだろう。


≪続いてサブ職業を決めてください≫


 サブ職業は料理人や読書家などのロール系が主で、世界に溶け込みやすくすることが目的とされている。もちろんサブ職業によっては戦闘に大きく影響することもあるので馬鹿にできない。サブ職業はメイン職業と違い、数が非常に多い。流し読みする限り、さすがにこれは猫が憑りついていないようだ。


「んにゃ~。さすがに多いにゃ~」


 サブ職業は少し遊びたい気分。ケット・シーは妖精だったな。


「にゃ?【占い師(うらにゃいし)】か。これは面白そうにゃ。【占い師】を選択」


≪職業を決定しました。これにてキャラクターメイキングを終了します。

 Happy Birth Day! あなたの新しい人生が良きものでありますように≫


 これで終了。あとはサービス開始を待つだけだ。

 ログアウトし、ギアを外して体を起こす。


「さて晩御飯はどうしようかな。明日は日曜日で休みだしなぁ」 


 とりあえず買い物に行くか。明日が少し待ち遠しい。



ありがとうございました。

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