10.『終わる平和、前編』
「本気でそう思ってますか?無意識と言う意思で守ったと………」
「本気なわけないよ…いくら、私がプリティーで完璧で美少女魔法使いでも…あの時、私は何も出来なかったもん…」
「…知りたいですか?全てを失うとしても………」
「やっぱり何か知ってるの?楓ちゃん」
「はい………」
「う〜ん。やっぱ良いや♪今は幸多さんとラヴラヴしたいからね♪」
そうだよ♪今は幸多さんといちゃいちゃしなきゃ☆
こんなロマンチックな展開に普通ならないもの♪
私がイブで幸多さんがアダムになるの♪
「悪いが真夏が起きたみたいだから俺は下に降りて手伝いをしてくるから席を外すぞ?」
「そんなの!私のゲボ…クラスメイトがしてくれてるよ!」
「真夏…お前のクラスメイトはお前と千夏ちゃん、楓ちゃんに行方不明の蒼炎ちゃん以外は全員昏睡状態になっているんだ…」
「幸多さん♪なにつまらない冗談言ってるの♪私の下僕…四年二組がそんな事になる訳ないじゃない♪」
「今は教室で簡易ベッドを作って寝かしてる」
「あはは…つまらないから…もう止めようよ…」
「千夏ちゃんが看護してるけど」
「炎の魔法。ファイアーブレス!もう止めて!そんな事、聞きたくないの!」
「チチッチ…千夏ちゃんはな昨日、皆を此処に引率した後、クラスメイトを探し出してずっと看護してるんだ!」
なんで…なんで!皆、私が聞きたくない事言うの!
私は…ただ皆でまったりとゆったりと過ごしたかっただけなのに…
「いつまでそう言って逃げるのですか?」
「そうだ♪私も一緒に行くね♪」
「いいや…真夏は楓ちゃんから話を聞け!」
「何を言ってるの♪アンタには関係無いんだから早く皆を介護しに行こうよ♪」
「俺はお前が寝てる間に全てを聞いて全てを納得した。だからお前も聞け!聞いて取るべき行動をしろ!」
「聞いたって何?納得したって何?幸多さんは何を納得したって言うの?今、取るべき行動は皆の介護に行くことでしょ?私なら皆を癒してあげれる!町を元に戻してあげれるっ!」
痛い…どうして?幸多さんの癖に…どうして私にビンタしてるの?
「クソガキが!何でも背負えると思うな!」
「何よ!私がやらなきゃいけないんだもん!私にしか出来ないから私がやるんだもん!」
「だから背負うな!抱えるな!」
「私が背負わないと!抱えないといけないんだもん!」
「ならコイツから話を聞け!全てを聞いてから来い!それが背負うと言う事だ!」
「何さ!名前負けの癖に!…分かったよ!聞けば良いんでしょ!」
「あぁ…またな…」
格好つけちゃって………でもありがとう。幸多さん…
「楓ちゃん!」
「はい………」
「話すんでしょ?早く話して!」
「はい。分かりました………事の起こりはマナ。貴女の嘆きが原因でこうなりました。貴女はこことは違う世界…いえ、本当の世界で私とニクルそして千春と共に闘い共にある人、芒を守り抜いてきました。しかしいくら私達が一騎当千の力を有するフォースガードでもアイツ等の…黒の装束の前ではあまりにも無力に等しく芒を死なせてしまいました…守るべき者を死なせながら私達は無様にも生きながらえてしまいました。その後、すぐに千春は芒の敵討ちのために黒の装束を探す旅に、私とニクルは来るべき決戦のために力を集め、そして貴女は人の死に嘆いていました。ある日、貴女は私とニクルにこう言いました。『人の死なない世界にいかない?』っと…私とニクルが断ると貴女は千春を探し出し、ある魔法を使いました。その魔法とは時と空間の魔法。ワールド…誰も死なない。誰にも干渉されない。世界の構築、それこそがこの世界なのです…しかし魔法の効果は本当の世界に歪みを与え始め破滅をもたらすようになりました。本当の世界はこの世界の排除、つまりワールドの解除方法を調べました。そして出た解除方法は二つ。一つは貴女に元の力を出させて世界をオーバ
ーヒートさせる。もう一つは貴女の死。しかし貴女の死は現実的に不可能なのです。貴女のワールドがあるかぎり誰も死ぬ事はありません…もちろん貴女も…しかし蒼炎は違います。蒼炎だけは貴女を殺す魔法を知っています。だから私達が来ました。私と蒼炎は力の封印と制限を、ニクルは封印が出来ないため私の中に宿りました。ちなみにニクルの具現化は一度だけしかも具現化には私の意識の封印とニクルを呼び掛ける魔法が必要に成ります………」
「楓ちゃん…キャラ…じゃなくて頭、大丈夫?何をいきなり饒舌になって喋り出してるか分からないけど、私も千夏ちゃんも小さい頃からこの町で育ってるよ?」
「ならなぜこの災害で誰も死なないのですか?」
「それは私の下僕達だから♪」
「家より頑丈な人がいる訳ありません」
「なら私が無意識に守った!」
「………」
「分かった☆私。天才だもん♪蒼炎ちゃんの馬鹿が殺る気が無かったからだよ♪」
「………」
「う〜…きちんとツッコんでよ…楓ちゃんの存在意義はツッコミでしょ?」
「…私とニクルはこの世界をオーバーヒートさせる事は出来ませんでした」
「無視!?スルー!?」
「貴女が迷う時間はもうありません。本当の世界の歪みの限界が近いから………」
「どう言うこと?」
「うふふ♪つまりはこう言う事よね?楓♪」
出たな♪空気の読めない悪ガキ☆
分かったよ♪幸多さん。楓ちゃんの話をきちんと聞いたからね♪
つまりは蒼炎ちゃんをボコれば良いんだね♪
「何か違いますが…頑張って下さい……」
あれれ?楓ちゃん!手伝わないの!?
「水と氷の複合魔法。ミストバトルフィールド」
あわわ。溺れる!溺れるよ!
「溺れません。それは外部からの攻撃を遮断し内部の者を外に出さない決闘場です………」
あぁ♪だからなんだね♪手伝えないのは☆
でもそれなら…
「炎の魔法。ヘヴンボム」
やりたい☆放題♪って事だね♪
「水の魔法。ヘルアクア」
ちょ!作者さん!なんで?ヘルとヘヴンが相討ちなの!?
「不思議そうな顔ね♪このバトルフィールドは水と氷で出来てるのよ?少し考えれば分かる事よ?あっそうね貴女は馬鹿だったものね♪ごめんなさい♪」
うっは☆コイツマジむかつく♪
作者さんに聞いたのに勝手に喋り初めて…何より!天才の私の事を馬鹿扱いするなんて!
「蒼炎ちゃん♪そんなに死にたい?」
「うふふ♪出来るのかしら?」
「炎の魔法。ヘルフレイム」
「水の魔法。ウォーターアロー。うふふ♪今さらヘルを射ってどうするつもり?」
「私は天才だよ?炎と氷の混合魔法。ウィンドクロー」
「氷の魔法。アイスシールド。うふふ♪馬鹿とは言えさすがは元フォースガードね…」
あはっ☆悪ガキに誉められても嬉しくないよ♪それに私が天才なのは周知の事だもん♪
「それに今の貴女が複合魔法じゃなくて混合魔法を放つなんて…そんな事…やめてよ…貴女と戦う事が楽しくなるじゃない♪」
マゾ?マゾがいるよ!作者さん!
どうしよ?どうしよ?…う〜ん。下僕の一員にしたら楽しいかも♪
「手加減してると死ぬよ?炎の魔法。ヘルフレイム」
「だからこの世界だと死なないのよ♪貴女を除いてね!水の魔法。ヘルアクア」
うっは☆貫通してきた♪う〜ん。どうしよ…な〜んてね♪そう来ると思ってたよ♪
「楓ちゃん直伝!炎の魔法。ファイアーランス」
「教えてません………」
なんか言った?楓ちゃん?ん〜まっいっか☆そんな事より♪どう蒼炎ちゃん♪馬鹿結界も破ったしさ〜て燃やして下僕にしてあ・げ・る♪
「うふふ♪面白いわ。本当に面白いわね。マナ♪氷の魔法。ヘヴンブリザード」
「楓ちゃん直伝の魔法とペンタ君がそんな魔法でどうにかなると思ってるの?」
一刀両断♪私のペンタ君最強無敵☆
「ならこちらならどう?水の魔法。ヘヴンウェーブ」
「吹雪も波も蒸発させれば同じだよ♪蒼炎ちゃん☆」
「うふふ♪やはりお馬鹿さんね♪おかげで条件が整ったわ♪魅せてあげる。水の魔法。真、リヴァイアサン」
あれれ?もしかしてはめられた?周りの水蒸気や氷の破片が集まって蛇になったよ☆きもっ♪
「だから何?そんなので私を倒せると思うの?」
「いいえ♪思わないわ♪でも貴女がやってみせてくれたでしょ?リヴァイアサン。捕縛しなさい」
うわっ!気持ち悪!巻き付かないでよ!
ペンタ君。火力全開♪
「うふふ♪頑張りなさい。手遅れだけどね♪氷の魔法。アイスフィールド」
なるほどね♪私を氷漬けにしたかったのか♪
だけど私は炎の魔法少女だもん♪氷漬けにならないよ♪ただね…読者さん。分厚いの…コレ。
いくら私が絶世の天才美少女魔法使いでも一分くらいは掛かるかな♪
「闇色の矢よ。呪縛を解き放て!解呪の魔法。ディスペル」
あれれ?吸い込まれそうな色の矢が私の胸に…
…
……
………
♪
「うっ…んん…」
「真夏…ちゃん?真夏ちゃん!?真夏ちゃん!」
「千夏ちゃんどうしたの?」
「よかった。本当に良かった」
『ねぇ何があったの?作者さん?』
「どうしたの?どこか痛いの?」
『作者さん!どうして黙ってるの!?ねぇ!』
「大丈夫?真夏ちゃん!」
「大丈夫だよ?千夏ちゃん」
『作者…さん?』
「うふふ♪やっと目覚めたのね♪マナ♪貴女はもう作者の人とは話しは出来ないわよ♪」
炎に包まれた荒野の上空。暗闇の空の中。蒼炎は楓と闘うと言うより楓で遊びながら千夏に介抱されてるマナに微笑みを向けた。
「どう言う事!私が主役を降板されたの!そんなの許さないんだから!」
「うふふ♪この世に主役なんて居ないのよ♪居るのは影響を与える為だけに生き影響を与える為だけに死ぬ者達よ♪」
楓をその場に置き去りにし一瞬でマナの眼前へ降り立った蒼炎は可愛らしく微笑むと右手を真夏の前に突き出した。
「さぁダンスパーティーの始まりよ♪マナ♪氷の魔法。エターナルアイス」
「!?!?」
真夏の反応よりも早く蒼炎の魔法が辺りを包み込み全てを凍らせ、砕き始めた。
「秋月流殺法。壱の型。伍の章。守円脚」
辺りが氷吹雪に包まれる中、円を描く千夏の脚が真夏と千夏の小さな空間だけを守り抜いていた。
しかしその代償は当然、千夏にも…
「止めて!語らないで!作者さん!」
「まだあちらの世界を感じれるのね♪でも…もう貴女もあちらの世界に干渉は出来ないのよ♪」
千夏の脚はひどい凍傷を浴び動かす事さえままならない状態に成ってしまっていた。
「逃げて…真夏ちゃん♪ココは私が何とかするから♪」
千夏が明らかに無理をしているのは誰もが分かった。
本人さえもその事が分かる笑顔だがそれでも向けた。
親友を生かすために…
「千夏ちゃん…一緒に逃げようよ?」
「大丈夫♪私もすぐに行くから♪」
「千春…いえ、千夏だったわね♪真夏と一緒に死にたいならそこに居なさい♪水の魔法。ヘヴンウェーブ」
蒼炎の掌から青く澄んだ津波が現れ全てを破壊しながら真夏達に牙を向けた。
「盾の魔法。プラズマシールド」
楓は真夏達の前に降り立つと放電する盾を具現化させ津波を防いだ。
「真夏達は殺させません………」
-to be next scene-
千夏「はぁ…はぁ…はぁ…」
真夏「どう…したの?…息が…あがっ…てるよ…」
千夏「真夏…ちゃんも…あがってる…じゃん♪…」
真夏「炎の魔法。ファイアーブレス」
千夏「秋月流殺法。壱の型。玖の章。蓮連打」
真夏「はぁ…はぁ…キレが…無くなってるよ?…」
千夏「真夏ちゃんも…お酒無くなってるよ?…もうそろそろ謝ったら?」
真夏「千夏ちゃんが…先に謝ったら?」
千夏、真夏「「町を廃墟にした事!!!」」
意外と続きます