奪われた少女
ここで、ある少女の話をしよう。
霧のかかる深い森の近くにある街で暮らしていた少女の話だ。
人が立ち寄らないような、他の街や村から離れた場所にある街。
近くには魔物が生息する深い森がある、危険と隣り合わせの街。
しかし、人々の努力と国の援助もあって賑やかな雰囲気に包まれていた。そんな街で領主の娘として、少女は生まれた。
窓から射し込む光から緩やかに始まりを告げられるよりも早く起き、召し使いに連れられて家族と共に朝食を取る。
領主の娘としての勉強や礼儀作法の練習、魔法を得意とする一族としての訓練など、少女に遊ぶ時間もあまりない1日が始まる。
厳しくも優しい家族に不満なこともあったが、幸せに包まれていた。
その最たるものは、歳の離れた兄の存在だった。
毎日欠かさず鍛練に励み、いつか父のような狩人になるのだと憧れに目を輝かせて夢を語っていた。
少女には、なぜ危ない職業に憧れるのか、その気持ちはわからなかった。
魔物が生息する森の隣に位置する辺境の街だが、そのおかげでそれなりに賑わいがあり、様々な選択肢がある。それなのに何故、拘るのか。
次期領主であること以外に何か理由があることを少女は察していた。
『それは、……まあ、秘密かな』
訊いても、照れくさそうに笑って誤魔化す兄に、少女は頬を膨らませるが、いつもそれを両手で潰して頭を撫でてくる。
『いじわる!』
そう言いつつも少女が兄の手を払うことはなかった。
鍛練や勉強の合間には遊んでくれ、いつも気にかけてくれる優しい兄のことが少女は好きだった。
少しでも兄が鍛練に励めるようにと、手伝ったり、弁当を作ったりもした。
街では仲の良い兄妹だと有名だった。
狩人としても、次期領主としても優れていた兄は領民からも人望を集める、憧れの人物だった。
だから、少女は魔法の鍛練を極力しなかった。
少女には、兄が自身よりも弱いことがわかっていた。それを知られた時、今の兄との関係が壊れる可能性があったからだ。
魔物の生息する森の隣に位置するこの領地では、戦闘能力を重要視する風潮があった。
もし、兄が気にしなかったとしても、悪意の無い人々に壊される可能性があった。
だから、少女は自身が魔力を視る眼を持っていることも、膨大な魔力を有していることも誰にも知られないようにしていた。
『また負けちゃった……』
『兄として、まだ負けるわけにはいかないからね』
『少しは手加減してくれてもいいじゃない!』
『……そうだね、もっと大きくなったら』
ただ自分は兄を傍で支えることができればいい。
そう思って、兄ができないこと、苦手なことを積極的に学んでいった。
だから、狩りから兄が帰って来なかった時、父を責めた。
ただ、兄は魔物に殺されたと言う、父を責めた。
兄を連れ帰らなかった、父を責めた。
拳と口から血を滴らせる父に気づこうともせず、責め続けた。
透き通った青空が赤く染まり、暗い闇が覆う。
それは、少女の心を現しているようだった。
その日から少女は狩りに関する知識を学び、技術を身につけるために鍛練に励んだ。
今まで鍛練など碌にしたことがなかった少女の身体は、すぐに悲鳴を上げた。それでも、少女は兄を奪った魔物を狩るために鍛練を続けた。
思っていた通り、少女には魔法の才能があった。
この辺境の霧のかかる森で狩りをするうえで最も重要な魔法を、少女は誰よりも巧く扱うことができた。
すぐに実力をつけた少女は、実戦でも問題なく魔物を狩った。兄の仇を取るために、狂気を孕んだ瞳で狩りを繰り返した。
そんな少女の姿に危機感を持った者もいたが、止めることもできなかった。なぜなら、狩人の中で最も秀でている少女の父ですら、止めることができず返り討ちにあう始末だった。
まだ幼いながら、少女は歴代最強の狩人と呼ばれるようになった。
少女を止められる者は誰もいなくなった。
毎日、日によっては数日かけて森で魔物を狩り、血に染まって帰ってくる姿に、初めは哀れみの目を向けていた人々は、次第に恐れるようになった。
少女は魔物を狩っているだけ。それは本来喜ばしいことであり、実際に商人や旅人は往来がしやすくなったと喜んでいた。
しかし、少女の狂気がいつ自分たちに向けられるか疑心暗鬼になった人々は恐れた。
いつしか少女は、血濡れの魔女と呼ばれるようになった。
魔物を引き寄せるために血にまみれていた姿、魔物を容赦なく魔法で殺す姿から、そう呼ばれるようになった。
そう呼ばれるまでに、魔物を狩り殺し、森を隅々まで探したにも関わらず、兄を奪った魔物の痕跡すら見つからなかった。
ある日、少女は魔法を見つけた。それは、森の奥、崖の隙間の、草木に隠された場所にあった。
古い魔法だった。古い魔法としかわからない、複雑な術式と見たことのない言語。
魔法に卓越した少女がほんの少しの違和感と好奇心に誘われなければ気づくことはなかっただろう。
気づいた後ですら、少し注視していなければわからなくなってしまう。
そんな強力な魔法がかけられた場所。
少女は兄の仇の手掛かりを期待して、足を踏み入れた。
真っ暗な洞窟を魔法で照らして奥へと進んだ。
一見自然にできた洞窟のようだったが、所々に人が意図的に作ったものが見られた。
少女が辿り着いた洞窟に魔物の痕跡はなかった。
だが、人の痕跡がある。それが兄のものであることを期待して、ただ奥へと向かって行った。
そして辿り着いた最奥に、人がいた。
壁に寄りかかった人の亡骸。
兄ではないかと一瞬考えたが、白骨化まではしないだろうし、身につけているものが腐敗し過ぎている。
それに、服装が古かった。昔の絵画などでしか目にしないほどの服装だった。
さざ波が収まって冷静になった少女は、警戒しながら亡骸に近づく。
それはただの好奇心からではない。その亡骸が異様だったからだ。
服装から考えれば数百年は昔の人物だ。数百年前にその旅路をこの洞窟で終えている。にもかかわらず、僅かながら魔力を有していた。そしてその魔力は、入り口の魔法を維持し続けている。
到底信じることのできない事象だった。
少女は原理を知ろうと亡骸の服や骨を探ったが、何もなかった。
諦めて帰ろうと、立ち上がった少女は視線を感じて振り返った。
しかし、誰もいない。誰もいないのに視線を感じる。
少女は暗闇に向かって問いかけた。返事は帰ってこない。ならば、と魔法の光を強くして暗闇に向けた。
しかし、何もいなかった。何もいなかったが、振り返った少女は動けなくなった。
何故、気づかなかったのか。
説明がつかないほどに壮絶な壁画が、少女を視ていた。
暗い洞窟にあって尚、暗い黒で描かれた人物。ほとんど輪郭しかわからないにも関わらず、胸の奥底を掻き回すような壁画。
それには、まるで本物のような、黒い眼が嵌め込まれていた。
まるで血が通っているようなそれが、どうやってか魔力を亡骸に注ぎ、魔法を維持していた。
そして黒い人物から視線を逸らすと、ただのシミか汚れだと思っていたものは、壁一面に黒色で描かれた絵だった。
少女はある本を思い出した。
とても古い本に神話として書かれていた、この街の始まりに関係する物語。
あるところに、いつも一人でいる男がいた。
男は一人が好きなわけではない。ただ他人に関わるのが苦手だった。
毎日、男は神に祈りを捧げ、問いかけた。
──他人と関わるにはどうしたらいい
信心深く毎日くる男の問いかけを聞いた神は、笑いながら男に一つの目的を与えた。
──人を助けよ
人を助ける。言うには簡単だが、人と関わるのが苦手な男は自ら人を助けることは難しい。
考えた男は、人を助けることを生業にすることにした。
幸い、男は万能だった。
荷運びから町の案内、時には旅の護衛から物作りまで、ありとあらゆる事柄で人を助けた。
人々は男に感謝し、自然と男の周りには人が集まるようになった。
充実した日々が楽しく、人を助けることに誇りを持つようになった。
休む暇も祈る暇もなく人を助けた男は、人に祈られるようになった。
そうなった男を妬む者がいた。
ある日、男は殺されそうになった。
何故、狙われたのか、男は問いかけた。
──お前の身体を奪えば、特殊な力が手に入ると言われた
誰がそんなことを言ったのか問いかけた。
──神だ
その言葉の意味が男にはわからなかった。
神が人を助けるという目的を与えた。なのに、人々を助けていただけなのに。
男は神に問いかけた。
神は怒りながら言った。
──善悪を間違えたのだ
男は悪人を助けていた。
それに気づいた男は深い後悔に苛まれ逃げた。
善人からも助けた悪人からも命を狙われ、逃げ回った。
そして結局、また一人になり、孤独に死んだ。
この物語の男から眼を奪ったのが、少女の先祖だと云われている。
代々、特殊な眼を持ち、その力によって森からの魔物を討伐して森を切り開き、街を築いた。
だが、今はもう忘れられた物語。
少女が知っていたのは、少女が特殊な眼の持ち主であり、調べたことがあったからだった。
──しかし……
少しの間、壁画を眺めていた少女は違和感を感じた。
知っている物語が壁画と結びつかない。
それに、黒色の人物の壁画に嵌め込まれた眼は、どこか悲しそうだった。
不可思議な洞窟を後にした少女は、再び兄と魔物の探索を開始した。
洞窟の亡骸は兄ではない。でも、兄が誰にも見つけられることなく、同じように朽ちていく光景が過った。
この洞窟のように隠されている場合も考え、少女はあらゆる魔法を使い、創り、森の隅々まで探した。
それでも兄の痕跡は見つからなかった。
兄は生きているのかもしれない。
そんな希望を少女は抱き初めていた。
しかし、少女は気づいていた。
兄の痕跡が見つからない。
それはつまり、既に死んでいる、そんな絶望をはらんでいる。
気づいていたけれど、少女はその絶望を希望で塗り替えるために、森の端から街に向かってもう一度探した。
そして、少女は答えを見つけた。
ずっと、ずっと探していた答えは少女のすぐ近くにあった。
ようやく微かに捉えた兄の魔力。
それは、兄の眼だった。
まだ生きているように、瓶の中に浮かぶ眼。
それは、少女の家にあった。
少女はゆっくりと情報を紡いで、混乱する頭を整理した。
少女は兄が誇らしかった。
誰よりも努力し、いつも優しい兄。
兄はいつも言っていた。
父を越える、狩人になると。
父は言っていた。
兄がいずれ領主を継ぐのだと。
なぜ、兄の眼が……父の部屋にあるのか。
少女はわからなかった。
だから、兄の眼の入った瓶を持って、少女は森へと逃げた。
一番最初に浮かんだ想像が恐くて、少女は兄を森に隠すことにした。
そんな、意味がわからない行動だが、少女は頭に過った可能性から目を逸らすために、あの洞窟へ向かった。
あそこならば、簡単には見つからない。
冷静になれる時間が少しでも欲しかった。
少女は洞窟の奥。
黒い壁画の下で瓶を抱き抱え、壁画の眼を見上げた。
何も考えたくなくて、考えられなくて。
手元の瓶を見たくなくて、見られなくて。
現実から逃げたくて、逃げられなくて。
少女は、壁画の眼が泣いているように見えた。
すると、ただ真っ黒な壁画に、少女の溢れる感情が溶けていくように少し落ち着くことができた。
そして少女は、数日かけて新しい魔法を創った。
それは、眼が見たものを、見る魔法。
少女は兄の眼を通して、その最後を見た。
深い森の中、兄は人に囲まれていた。
何をしているのかは、わからない。
一見、真剣な話し合いをしているようにも見える。
けれど、目の前に手が伸びてきた。
そこで真っ暗になった。
少女は、何度も最後の瞬間を見た。
信じたかったから、信じられなくて。
でも、何度見ても変わらなかった。
伸びてきた手。
それは、父の手だった。
兄は父達によってあの日、殺された。
──なんで?
その疑問が頭を埋めた。
兄が死んだ時、父は少女を慰めた。
兄が死んだ時、狩人達は少女を励ました。
わからない。
理解できない。
わかりたくない。
理解したくもない。
そのあまりにも狂った嫉妬に、少女は嫌悪感を抱いた。
そして、父だったものの存在にさえ嫌悪感を抱いた。
あれと血が繋がっている自分自身さえ、気持ち悪かったが、兄との繋がりを考えると少し薄れた。
少女は兄を奪ったものを全て消すことにした。
兄を奪った父というものを、手を貸したもの達を。
瓶を埋め、壁画の悲しげな眼に見送られながら、少女は街へ向かった。
嫌悪感の元凶を憎悪のままに消すために。
──しかし、それは叶わなかった。
少女が感情のままに消し去ろうとした街は黒い壁画のように、真っ黒に焼き焦げていた。
原形をとどめた建物は一つもなく、逃げ遅れた人の焼死体が所々にあった。
少女は記憶を頼りに家へと向かった。
そこに、父も家もなかった。
少女は残された母の死体の眼から記憶を読み、王国の兵士がやったことを知った。
突然、街に毒を撒き、人々が倒れた後に火を放った。
母は魔法を使い抵抗したが、毒によって蝕まれ、無慈悲にも王国の兵士が殺された。
最後の記憶には、父が王国の兵士に殺され、抜かれた眼が瓶の中で浮かんぶ光景が映った。
兄を奪ったものは死んだ。
自業自得であり、当然のことだ。
少女の復讐は、思いもよらぬ形で遂げられたといってもいいだろう。
だが、少女が抱いた感情は、優越感でも、爽快感でもなく。
奪われたことへの憎悪と怒りだった。
向かう先を無くした感情は、より荒々しく溢れ出した。
奪われた。ならば、奪ったものから奪えばいい。
母を殺したのだ。動機ならある。
どっぷりと溢れていた感情が、流れ出る先を見つけて、少女は高揚した。
けれど、その前に、少女は兄の死について何も知らなかった母の遺体を兄の隣に埋めた。
悲しみと憎しみと怒りのままに人を殺す。
その後に、少女が兄と母に祈ることは許されないだろうし、死んでも同じ場所には行けないだろう。
兄に憧れ、母に微笑む少女ではなくなってしまう。
だから少女は、兄の隣に自信の名前を彫った石を立てた。
祈りを捧げた少女は、振り返らずに真っ直ぐ、父の魔力を辿って王都へと向かった。
いつも魔物を相手にする時のように無慈悲に、効率的に、一人も残さず、殺そう。
魔物の巣くう森で戦い、歴代最強の狩人、血濡れの魔女と呼ばれた少女は、王国を血で染める光景を描いていた。
そして、その光景は現実となった。
人々は魔法で狂ったように暴れ、お互いに殺し合い、自らに歓喜の声を上げて刃物を突き立てていた。
悲鳴は聞こえない。楽しげな声に賑わい、赤黒い血が飛び散り、静かな街を彩っていた。
それは少女が望んだ光景。
もたらそうとした惨劇。
目の前に転がった親子の死体が、少女を見ていた。
──少女は、吐いた。
「……違う。私は、私は何も、してない……。私じゃないの!」
この惨劇をもたらしたのは、少女ではなかった。少女が着いたときには、この光景は広がっていた。
だから、自分のせいじゃない。
少女はふらふらと、死んだ人々の間を抜けていった。
「違う。私じゃない…、私じゃない、私じゃない」
死んだ人々の目が、聴こえない声が、この惨劇はお前が起こした、お前のせいだ、と静かに叫んでいる。
そう感じた少女は必死に否定するために、誰も聞いていない言葉を呟いた。
少女は、兄を奪った者の死を望んだ。
少女は、復讐を奪った者の死を望んだ。
少女の大切な者を奪った復讐、その正義を成すための悪だった。
けれど、少女の抱いた想像こそ、幻想だった。
少女の正義は、想像を越える現実に儚く散った。
この惨劇を起こしたのは自分だったかもしれない。
そう思っただけで少女は、恐くなり、自分じゃなくて良かったとさえ思っている自身を嫌悪した。
瓶の中で浮かぶ父の眼を前に、結局自分も父と同じだと……思って。
「っぅうぇ……」
思って……、後悔した。
「ぁ……ご、ごめんなさぃ……」
少女は踞り、抱きしめた瓶を涙が伝う。
醜いのは私だけ。私だけだった。
少女は父の眼を通して兄の眼で見た最後、その時を見た。
手を伸ばし、魔法を使って痛くないように兄の眼を抜き取り、それを瓶に入れた。
兄は……、笑っていた。
笑って、何かを言って、森の奥へ消えた。
父は、叫んで、崩れ落ちて、泣いていた。
兄は生きている。おそらく、無くなった視界を魔法で補っているのだろう。いつも努力していた兄なら、それくらいできる。
そう思ったけれど、喜びは少なかった。
父は兄を殺していない。
父は何度も、少女に語りかけようとしていた。
兄の眼を見る度に悩み、泣いていた。
少女を見る度に苦しんでいた。
その原因は、この国の王だった。
この国は弱かった。
対して、魔物の森に接する父の領地の軍は強かった。
強いからこそ、魔物を食い止める防波堤としてその領地を任されていた。
ある日、国王は知った。
少女の先祖の伝説を。
だから、国王は父に眼を献上しろと命令書を送りつけた。
父は拒絶したが、国王は戦争を覚悟しろと返ってきた。
父の領地は負けないだろう。けれど犠牲者は出る。
父は悩んだ。
そしてあの日、兄の眼を抜き取った。
何故、そうなったのか。眼で見たものだけでは、わからなかった。
けれど、おそらく国王からの命令を知った兄はあの日、父と話して自らの眼を渡すように言ったのだろう。
兄が何故、森に消えたのかはわからない。
そして何故、父は兄の眼を国王に渡さなかったのかはわからない。
渡せば、領地はあんなことにならなかったのに。
でも、きっと後悔し、辛くて、ずっと悩んだのだろう。
そんな父を……少女は、嫌悪し、憎しみのままに殺そうとした。
その後悔が、悲しみが小さな心から溢れだして、涙がこぼれた。
そして、醜い自分が嫌で嫌で仕方なくて。
でも、大切なものは自分が持っているから、少女は泣くことしかできなかった。
泣きながら洞窟に戻って、父を埋めて、自分の眼を抜き取って埋めようと思った。
領地を、家族を守ろうとした兄と父。
父を憎み、感情のままに人々を殺そうとした。
そんな自分が許せなくて。
思ったけど、やっぱりできなかった。
少女は泣いて、泣き疲れて、眠って。
野草採取をしていた旅人に拾われた。
旅人は少女を慰めることも励ますこともしなかった。
ただ、『生きる理由はあるか?』とだけ。
少女は、知らなければならなかった。
だから、頷いて、旅人に着いていった。
いつか、父と母の娘であり、兄の妹だと誇れるように。
そして、知識を求める少女
──サレス=ナトラステアは、新たな未知に出会った。
お待たせしました。
物語の構成に迷っているので、更新が非常にゆっくりとなっています。