044話:大変なことに気が付いた⑤
注意来たら消します。
たぶん大丈夫だろうけど……
あと、この世界の女の子はエッチなこととか興奮すると鼻血出ちゃうんだよ☆
可愛い設定ってことにしといてね☆
大変なことに気が付いた。
この世界……なんと、女性の部屋には色々見てはいけないものがあるらしい!!!
それに気が付いたのは、休日に石橋の家に宿題をしに行った時のことだった……
……
何か、そう何かがチラリとベッドの下から見えてしまったのだ。
石橋は部屋にはいない。
なぜなら、何故かシャワーを浴びに行ったからだ。
おかしい。俺は勉強するし泊まる気もさらさらないのだが何故かシャワーを浴びてくると言った石橋は鼻息がとても荒かった。
まぁ、あいつも風紀委員大変みたいだから汗をかいたんだろう。
因みに今日のボランティア部の活動は学園長の肩もみという謎な無償奉仕だった。学園長は期待してくれてるのか良いように使おうとしているのか良くわからない。
……い、いや、それは置いておこう。
それよりも俺が見つけたのは何か青と黒のシマシマの包みたいな“何か”だ……
気になるので勝手に拾い上げてみた。
大きさは……うん、結構大きいな……長さは二十センチで、周囲は俺の腕くらいある。
えーと何か文字が書いてあるな……
ペ? えーと、ペン……
『PENGA』
……うん、たぶん何か分かったわ。
つか、色もフォルムもかなり俺の知ってる物に近い。てか同じだ。なんだが形が大きい気がするが、本物を見たことも無かったのでこんなもんなんだろう……
俺の想像していることが当たっているならば、これはあれだ。
寂しい男が一人でもその寂しさを紛らわせるようになるあれだ。
人によっては恋人だ。人生の恋人である右手よりハマってしまう人もいるらしいからな。
いや、そんなこたぁどうでもいい。
なんで『これ』が『ここ』にあるのか、それが問題だ。
流石の俺でもこれは持っていなかったわけなんだが……
石橋には兄弟もいない一人っ子核家族とプラス一匹の家族だ。
これってあれだろうか……
石橋の不良仲間的な友達が置いていったとかだろうか?
てか、こんなもん置いていくヤツ友達の域を超えてる気がするし、石橋が処分せずに取っておく意味がわかんない。
何か俺に言えない秘密があるのだろうか……?
俺は混乱とほんのりジェラシーを感じていた。
「あー、もうっ!! ウダウダ考えてもしょうがねぇ、ちょっとこれがあの本物のPENGAなのか調べてやる……! ん? なんだ? ここから開けるのかな……うわっ!!! なんか出たっっっ、きったねぇ!!」
開け方も分からないため、色々と弄っているとパカッと空いて、何かがビチャッと飛び散った。
「……は? え……こ、これ……女用?」
そう、このPENGAは女用だったのだ。
とりあえず凄く卑猥な形をしていて、しかも何の液体か分からんが臭くてヌルヌルしてるのがいっぱい着いてたので、あっこれはあれだ、見てはいけないやつだ、と再び蓋を閉めてコノヤロウッと床に叩きつけるように投げ捨てておいた。
よく考えりゃ貞操逆転してんだからこういうのも逆転してるんだよねきっと。
てか、石橋は俺より変態入ってるからな……こういうの持っているのが普通なんだろうか?
少し気になったので宿題をほっぽって物色を始めることにした。
まずはセオリーであるベッドの下……ふむ、ないな。
まぁ、ここはある意味普通すぎて隠さないものだからな。
「……と、言うことはここだぁぁあ!!」
俺はおもむろに漫画の並べられていた棚の前列を取り除く、奥から出てきたのはエッチな漫画だ。
ただし、ここでのエッチな漫画とは男の裸が沢山描かれている漫画のことだ。見つけたところで全く嬉しくはない。むしろ、気持ち悪くなる。
見える部分に健全な漫画を並べ、その後に見られてはいけないものを並べる。もし、追求されても別に隠そうとしたわけじゃねぇし、よく見るの前に出してるだけだしと言い訳ができるのだ!!
「それから、ここぉ!!」
俺はテレビ台の中にいくつも積まれているDVDの箱を取り出す。タイトルは有名な邦画、洋画選り取りみどりだ。
しかし、よく見れば全て印刷してつけたようなラベル。恐らくカラー印刷して切り貼ったものだろう。更には同じタイトルの物が幾つかある。
いかにも沢山並べて映画好きを醸し出すという、エロを隠しつつもなんだか良い趣味アピールが出来る技術である。
俺はさっそくパカッと一つのDVDの箱を開けてみる。
中に入っていたのは、『むっちりズルムケ、漢だらけの百連発!!』……
「おえぇぇぇっ」
とりあえず、割っておいた。
タイトルだけでここまで攻撃力が高いとヤバイと思いつつ その後もDVDの箱を開きつつ、ホモ系が入ってそうなタイトルは割っておく。
それにしてもエロの中にもたまに本物の洋画を挟み込む所は芸が細かい。うーむ、石橋もなかなかやりおる。
この世界の男はエロ本など持たないらしい(情報提供者:三日月 葵)ので、ベッドの下位を気をつければ隠し場所なぞわからないと安心していたのか石橋よ?
「はっはっは、だが、甘い、甘いぞ!! 俺にかかれば余裕だなっ……! てか、PENGA投げ出してる時点で詰めが甘いわ、俺は見覚えあるからただの置物だとスルーしないよ? あ、ヤバ。このさっき零した液体どうしよう……臭いしテッシュに丸めてゴミ箱……」
ゴミ箱には大量のテイッシュが捨てられていた。
なんだか赤いのが……たぶん鼻血か、この世界興奮するとすぐ出るらしいし。
とりあえず沢山丸めらたテイッシュがそこにはあった。
んー、思春期の男子高校生かっ!!
その後帰って来た石橋は俺に投げ捨てられたPENGAが叩きつけられた衝撃によりぼっきりと折れていたのと、いくつかのDVDがバキバキになっていたことでガチに泣かれた。
全く泣き止まないので泊まってやると言うとピタリと泣き止んだ。現金なやつだ。
後日、この世界の女子高生はみんなPENGAを持っているのか調査をすることにした。
因みに俺は持ってなかったので羨ま……ゲフンゲフン。とにかく、この世界には男用はないのでやはり女子に聞くしかないだろう。
まずは妹の春香に聞いてみる。ビンタされた。
仕方がないので勝手に部屋に忍び込んだ所、何処から取ってきたのかページがペリペリの十八禁エロ本を見つけた。河原から拾ってきたのかおい?
その後隠されていたエロ漫画も見つけたが兄弟物が多いのは気のせいだろうか?
とりあえずPENGAは見つからないので妹の調査はこれで終了する。終了してから気づいたがあいつまだ中学生だった。
後日学校で神崎にそれとなくPENGAって何か知ってるか聞いてみると、五つ持ってるから一つ貸そうかと言われた。いや、この世界のPENGAって女用だろうが、使わねぇよっっっ!!!
神崎に聞いたのは失敗だったので、我らが物知り委員長に聞く。すると顔を赤らめつつ、キョドりながらも必死に知らないと言われてしまった。あ、これ知ってるわ絶対。でも、委員長に羞恥プレイ出来たので結果満足だ。