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素晴らしき貞操逆転世界  作者: エイシ
第一部:一学年目
34/55

034話:【冬休み編】お着替え

 ──あらすじ。


 石橋薫は金髪の悪魔だった。

 何故か知らんが冬休み初日からその悪魔と宿題を俺の家でやることに……

 因みに石橋は少し前に金髪から黒髪になったいた!!







 ……


「ぬおー! 終わったあぁぁぁ!!」

「つ、疲れたぁ……」

「石橋、今度から委員長も呼ぼう、明日来るからちょっと勉強のこと相談に乗ってもらおう」

「う……うん」



 なんとか終わったが、九時から十三時までぶっ続けだった。

 四時間の勉強はけっこう疲れる。委員長いればもっと要領よく出来ただろう。明日のクリスマスパーティーで、ちょっと勉強についての相談をしてみようと俺は思った。



「とりあえず……飯食うか?」

「う、うん! 良かったら、その、キッチン貸してもらえるなら私が作ってもいいぞ!?」

「えー、石橋作れんのぉ?」

「前に言っただろ! 俺の料理の腕を見せて……あっ、わ、私の料理の腕を見せてやるって……」



 あー言ったかもそう言えば……

 確か林間学校の時だっけ……?


「まぁまぁ、それは今度見せてもらうよ! 今日は石橋はゲストだからなっ、俺が作ってやろう!」

「お兄ちゃん、ゴハンなら炊けてるよ」

「良くやった! さすが我が妹だ!」



 ということで石橋は座っておいてもらって、俺は料理の手腕を存分に発揮した。

 と言っても、作ったのはレトルトの麻婆豆腐と青椒肉絲だ。あのフライパンで材料を炒めるだけでできる簡単なやつ。

 だが、お昼も過ぎてたしさっさと昼飯を食べたかったので丁度良いだろう。



「おぉ! 良い匂いだな宮代! 私にも見学させてくれ!」

「石橋さん見学は良いですけど所詮レトルトですよ? お兄ちゃんはこの二品よく作るんですけど、タレとか最初から作れって言われたらきっと作れませんよ? 勉強にはならないと思うけどなぁ~」

「失礼だな我が妹よ! いいか? このどちらの中華料理もトロミ……つまり片栗粉が大事なんだ! 最初から作れなくてもこのポイントを抑えるのが必須!」

「お、おぉ!」



 隣にやって来た石橋が感嘆の声をあげる。

 俺も調子に乗ってくる。


「良いか石橋? 片栗粉は入れすぎてもいけない、だまになるからな。だからといって少ないとトロミが出ない。これはいかに食材に溶かせるかが大事なんだ!」

「おぉ! 凄いぞ宮代!」

「へへへ、いやぁ照れるなぁ~。溶かしやすくするためにはまずこうやってお椀にお湯を入れてそこで溶かすんだ。ん、くそ、だまができて……あっ」



 バシャーン。


 余裕ぼっこいていたらぶちまけてしまった……しかも石橋の服に……

 今日の石橋は黒のチノパンにニットだ。あれ、今思うと不良らしからぬ格好だな……

 ってそんなことはどうでも良くて、盛大にその黒いチノパンに片栗粉をこぼしてしまったのだ。



「す、すまん石橋!」

「し、白くてど、どろどろのを……宮代に、ぶっかけられた……」

「う、うぉぉぉい! その言い方はやめ……うわっ!! 鼻血!? だ、大丈夫か石橋!?」



 石橋の鼻から鼻血が噴射された。俺はその鼻血から食材を守っていたのだが、何故か後ろから石橋に抱きつかれる。

 がっつりホールドされている俺。



「う、うぉぉ! み、宮代! 俺! 俺ぇ!!」

「お、オイ! バカ! やめろ! ……あっ良い匂い……じゃなくて、くっつくな石橋! 片栗粉がぁ! 鼻血がぁ!!」


「ちょっとぉ……お兄ちゃん達、ここに妹もいるんですけどぉ、いちゃいちゃじゃなくてご飯を待ってるんですけどぉ」

「あ……す、すいません」

「悪いな春香、落ち着いたか石橋? えっと、とりあえず着替えようか……」

「もう、お兄ちゃんと石橋さんはさっさと着替えてきて! あとは私がやっておくから! 石橋さんは顔も洗うんだよ! 鼻血すごいから!」



 良くできる妹を持ってしまったものだ。

 とりあえず、俺の部屋まで石橋を連れてきた。



「い、いい匂いだな……あれ? なんだかゴミ箱がイカくさ……」

「うわー!! やめろ嗅ぐなぁぁぁ!!」


 俺はさっさとタンスからジャージを出して石橋に投げつけた。

 石橋に廊下で着替えてもらう間に俺は自分の部屋で鼻血と片栗粉をつけられた服を脱いで、さっさと着替えた。

 ふぅ、ゴミ箱はうかつだった。あれは紳士のたしなみが詰まっている。俺はゴミ箱を部屋の奥へ移動させた。



「着替えたかー?」

「お、おう!」



 がちゃ。

 ドアを開けて、とりあえず部屋の中へ石橋を入れる。

 言っておくが、エロい本とかは一切置いていない。

 というか、世界が変わった時点で吐き気を催すものに変わってしまったので全て廃棄してしまった。

 つまり今この部屋は女子を迎え入れるには完璧な部屋なのだ!! ……ゴミ箱以外は。



「ど、どうだ? このジャージ?」

「どうって……ちょっとブカブカだったな。悪い。服は洗濯しておくか? 脱水かければなんとか着れるかもしれないけどどうする?」

「あー、その……もしジャージを貸してくれるなら持って帰って自分で洗うんだけど……」

「そうか? わかった。ジャージ返すのは別にいつでもいいから!」

「ほ、本当か!?」



 くんかくんか。


「おい、石橋?」

「くんかくんかくん……はい?」

「匂いかぐなぁ!! ちゃんと洗濯してるからな!? 綺麗だからな!?」

「お、おう……いやー初めて男の部屋に入っちゃったな……もしかして宮代もじょ、女子を初めて部屋に入れたとか!?」

「あー残念……違うよ」



 石橋が少し悲しそうな顔をする。けれどすぐに元気な様子になり色々と物色するように部屋の中を見始めた。

 きっと気を使ってくれたんだと思う。今の俺、あまり元気な顔には見えないと思うから。

 この部屋には一度だけ唯が来たことがあった。親も妹もいない日で二人で一日過ごした日だった。




「じゃ、じゃあ何か私が一番になれるもの……」

「オイ、あんまり荒らすなよ石橋……さて、着替えもお互い終わったし一階に行くか。ついでに洗面所案内するから顔洗えよ」




 そのあとは三人で飯を食べた。

 石橋は旨い旨いとかなりがっついていたので、後半は春香に任せたもののその内の半分を作った俺は大満足だった。

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