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素晴らしき貞操逆転世界  作者: エイシ
第一部:一学年目
15/55

015話:【林間学校編】川原でカレー作り

 林間学校一日目、昨日は色々あったけどやっぱり俺に彼女が出来たと言うのが一番の出来事だった。


 俺、原木唯と付き合うことになりました!!

 金髪の小さくて可愛い女の子で俺に勿体無いくらいの彼女です……

 誰にもあげないけどね!








 ……


「おい、葵、お前調子は大丈夫かよ?」


「あっ、うん。一晩寝たらすっかり治ったみたい! 昔から出先では調子が悪くなるんだよね……」


「そっかぁ、まぁ治ったんなら良かったな!」




 俺達は朝食を食べに食堂に来ている。

 席はバラバラで良いので男達は固まって食べているのだ。


 昨日はおバカが一人いたせいで原木から告白された興奮も冷めてしまい、逆によく寝れた。

 今俺は寝起きのぬぼーっとした顔で飯を食べている。


 そんな俺の前の席に来たのは……石橋だった。

 ヤンキー石橋。なんだかこの林間学校で俺とコイツはけっこう仲良くなった気がする。

 一緒に覗きもしたしな。覗かれた相手は隣に座っているこの真一って男だけど。


 あっ、あと、いつも通り舎弟(仮)ちゃんも一緒だ。

 それにしてもこの子の名前なんていうんだろ……






「よ、よぉ! 宮代!」


「んーおはよーさん、石橋」


「きょ、今日は頑張ろうな!」


「あー? カレー作りだっけ? 石橋お前、料理とか出来んの……?」


「はぁ!? 馬鹿にすんなよ! 俺はめっちゃ料理上手いからよっ!!」


「そうなのか……じゃ期待してるな! 山田も喜ぶだろうし……」


「……っ!!」



 なんだ?

 石橋の顔が少し赤くなった気がした。

 だけど、そんな時に俺は目の端に原木を見つける。

 てか、原木はこっちを見ていた。目が合った。


 俺と目が合うと、ニコリと笑う原木……

 か、かわえぇぇぇ!! 見ました奥さん! あの子が私の彼女ざます!!



 にへらと顔が崩れてしまい、その顔のまま朝食が終わる。








 ……


 さて、俺達は川辺のキャンプ場へ移動した。

 これもグループでの移動だった。

 ってことで、委員長をリーダーに据えた我がグループらこれからカレー作りを開始するという訳だ!


「えーと、それじゃ石橋さんと宮代君でご飯炊きでいいかな? 私達はルーを作るね!」


「お、おうよ!」

「へーい」



 委員長なりの采配なんだろう。

 石橋と舎弟(仮)ちゃんを一緒にするとふざけてご飯を炊いてくれない。

 しかし、鈴木や山田は石橋のことを怖がって一緒になりたいとは思っていない。

 だからと言って、委員長は自分と石橋でご飯を炊くとなると、男子三人と舎弟(仮)ちゃんのみでカレールーを作れるのかも不安。

 そんなわけで俺と石橋がペアとなりご飯を炊くことになったのだ。






「はぁ、でもよー、ご飯炊きじゃ俺の料理の腕を宮代に見せられねぇなぁ……」


「まぁまぁ、この先いくらでもその自慢の腕を振ることもあるだろうよ」


 そんなに自慢したいなら、調理実習とか、文化祭とかで発揮すればいい。

 まだ俺らは一年生な訳でそんな機会はこれから沢山あるだろう。



「えぇっ!? それって俺に毎朝味噌汁を作れってこと……」


「はぁ? いや、味噌汁じゃなくてご飯を作るんだぞ? 今日はカレーだろ? この鍋はご飯を炊くためにあるらしいぞ」




 そう、今日はなんと鍋でご飯を炊くのだ。

 まぁ、電器ないからジャーが使えないのは当たり前なんだけどな。


 俺と石橋は川原の近くにあるかまどを使って、鍋でご飯を炊くことに……

 といっても特に難しいことは何もない。

 米といで、水入れて、かまどに鍋かけて、火をつけるだけ。


 ハイ、あとは四十分くらい待てば出来上がり!







「おっ、魚いるぞ! オイ、宮代、魚だ!」


 石橋が川に入って行ってなんか叫んでる。

 あいつ何してんだマジで……

 しかも、ジャージを脱いでその下に着ていた体操着になっている。

 体操着は半袖半ズボンなので、靴と靴下を脱げば多少濡れずに川にも入れる。

 季節的に夏前なのでジャージじゃなくても寒くはないようだ。


 オイオイ、ちゃんとご飯が炊けてるか見てないとダメだろ全く……




「マジかよぉ! 魚どこっ!?」



 あっ、どうやら俺は頭と体が上手く連携してないようだ。

 何故か俺の体は川へ向かって走っていた。



「ここだよ、ここ! ほらデカぁっぎゃん!」



 俺も川に入ろうと、走りながら靴を脱いでいると……

 石橋がコケた。


 川に尻からダイブした。

 ただ、ちょうど深いところに入ったみたいで怪我はないようだ。

 おかげで全身ずぶ濡れだけど。





「お、おい大丈夫かよ石橋……お前びちゃびちゃだぞ……」



 臨海学校は来年だぞ石橋。

 泳ぐのはもう一年我慢しろよな。



「ぐああああ!! クッソッ、最悪だよ! うわっパンツまでびちょびちょ……冷てー」



 そう悪態をついたあと、なんと石橋は体操服の上衣を脱ぎ出した。うわっ、真っ黒なブラと短パン状態だ!! 目の前でストリップっすか!?




「ちょっ、ちょっと!! 石橋何してんの!?」


「あっ? びちょびちょだから、絞って乾かすんだよっと……」




 石橋が雑巾のように体操服を捻ると、ボタボタと大量の水が垂れる。

 そして、そのシワシワの体操服を持ったままこちらに歩いてきた!!


 む、胸が!!

 黒い下着がっ!!

 こ、こいつ思ったより胸がある!!

 や、やべえよく見たらタユンタユンしてる!

 歩く度にタユンタユンしてる!

 タユンタユンがこっちに歩いてくる!!




「宮代君、何してるの?」


「え? タユンタユンが……って、は、原木!?」




 俺の隣にいつのまにか立つ原木。俺の彼女になった原木。

 そんな原木がニコニコしていた。めっちゃ笑顔だ。

 あれぇ?

 これヤバイ感じ……?




「へー、ふーん……」


「ど、どうしたの原木……?」


「いや、別にぃ、ただ二人のなんか楽しそうな声が聞こえたからさぁ……」


「た、楽しいなんて、べ、別に俺は何も楽しんでませんが……はは……」


「えい!」


「あびたびんっ!!」




 川に突き落とされた。

 えっナニコレ?

 怒ってんの原木……?





「アハハ! 宮代君もびちゃびゃだぁ!!」

「なんだぁ? 宮代も水浴びか?」



 そんなびちゃびゃな俺を見て笑う原木と上半身半裸の石橋。

 お互いに同時に俺に話かけたため声が重なった。




「おい、宮代を笑うなよ……なめてんの?」

「な、何? 別にちょっとふざけてた、だ、だけだけど?」



 ヤバイ。

 石橋が半ギレだし、原木が若干そんな石橋にビビりながらも反発してる!!

 なんか一触即発ムード……!!


 こ、ここは俺がどげんかせんと!!


 うし!!

 バシャ! バシャシャ!!



「うわっ!」

「きゃっ!」


 とりあえず二人に水をかけた。



「ケンカ、ワルイ、ミンナ、ナカヨク!!」


「てめぇー!」

「やったなぁ!」



 そこからはキャッキャウフフな女の子二人との水の掛け合いが始まった。

 はははははっ二人とも可愛いし、なにこれ最高!!

 原木の体操服は水に透けて黄色の下着がくっきり見えてるし、石橋なんて丸見えだ。

 へへへ、リア充すぎて爆発しそう!



 うん、爆発したよね。

 委員長がさ。



 俺達三人はこっぴどく叱られ川原のジャリの上に正座。

 その格好のままでカレーを美味しくいただきましたとさ。

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