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素晴らしき貞操逆転世界  作者: エイシ
第一部:一学年目
11/55

011話:【林間学校編】往路、バス内で

 ──林間学校当日。



 なんてこった……


 バスガイドが男だとぉぉぉ!?

 そこは可愛い女性バスガイドだろうがぁ!

 なんでバスガイドが若い兄ちゃんで、運転手がおばちゃんなんだよ! 何も良いことないよ!



 女子たちが男のバスガイドにきゃーきゃー言っている。

 彼女はいるんですかぁ? とか聞いていた。

 はぁ、このビッチどもめ! テンション下がるわぁ……




「み、宮代君! バスガイドさんカッコいいね……」


「ん? そうだなぁ原木……」


「あっ、でも、私は宮代君のほうが、その、カッコいいと思うよ!」



 原木唯、クジ引きで俺の隣になった金髪の女の子。

 こいつだけはビッチじゃない、天使だ。天使なんだ。



「カッコいいなぁ……どうにかしてお近づきになれないかなぁ、ワンナイトな関係でいいんだけどなぁ……はぁ」


 この後ろの席から聞こえてくるクソみたいな声は神崎麗のものだ。

 相変わらずどこかオヤジ臭い。


 このクラスの男子、鈴木と山田は俺同様に、バラバラになって女子の隣に座っている。

 委員長は一番前だ。隣にはなんと東條綾。これが我がクラスが誇る可愛さナンバーワン&ツーなわけで、仲良くお話している二人に俺ももう少しお近づきになりたいところだ。


 意外だったのは石橋。てっきりその暴力(ちから)で一番後ろの席を陣取ると思いきや、俺の席の通路を挟んだ反対側の席を取ってきた。

 同じグループだからとか言ってたが、それならグループリーダーの委員長の隣にしろや!

 まぁ最前列は先生も座っているから無理だったのだろう。

 不良が学校で最も苦手とするのは先生だからな。





「お、おぉい、宮代!」


「へい!」


「トッ、トッキー食べるか? ほれ?」


「……サンキュー石橋」



 いまだにびびっちまうことも多いが本当は良いやつなんだろうな。きっと。

 俺は受け取ったお菓子をボリボリ食べた。




「あっ、宮代君! 私も! チョコトッキーあるよ、一緒に食べよ!」


「おぉーサンキュー原木!」


「おぉ!? なんだなんだ? 唯と祐樹でトッキーゲームかぁ?」



 神崎が言ってるトッキーゲームとはトッキーを両端から食べていくというなんとも羨ましいゲームなのだ。

 マジでか! 原木となら全然構わんよ!



「ちょっと! そんなんじゃないから麗ちゃん!! 本当にすぐそういう方向に話を持ってくんだから。麗ちゃんのエロ!」


「いやいや、女はみんなエロですー! 唯はムッツリなだけだろ!」


「へー、ムッツリなのか原木……」



 女はみんなエロいの?

 それはそれで、なんかいいのではないだろうか……?

 もうなんか何を言ってるのかわからなくなりそうだけど。



「ち、違っ! 宮代君、違うから! もう麗ちゃんてば!!」


「えー、毎日妄想ばっかりしてるくせにぃ!」


「はあっ? べべべ別にしてないから? それは麗ちゃんでしょ!?」


「ん? 私は秒単位でするね!」



 あっ、そうなんだ神崎。だからお前ってバカなんだな。

 神崎は元気イッパイだけど頭の方はそこまで良くなかった。

 まぁ俺も人様のこと言えないんだけどね。



「だから、この林間学校中は色々と悶々として困っちゃうなぁ……祐樹があれやこれやと手伝ってくれたりしないかねぇ?」


「し、し、仕方ないなぁ! そんなに言うならなんかよくわからんが手伝ってやるかぁ! ハ、ハハハ……」


「えっ本当!? アハハ、もしかして私もとうとう処女卒業できるのか!? 祐樹のたくましい腕に抱かれて、大人の階段昇っちゃうのか!? 生の腹筋と胸筋と上腕二頭筋が見れるのか!? とか妄想したらもうヤバイですわー!」


「ちょっ宮代君! 麗ちゃんの妄想なんかに付き合わなくてもいいんだよ! もう、麗ちゃんのバカ!!」



 うぉ!?

 神崎の口からとんでもないワードがっ!

 ちょ、ちょっとゴクリと生唾を飲んだ。

 てか、冗談か残念……


 あれ?

 俺の右側に座る原木を見ると、まるで遠い空に浮かぶ雲でも見るかの如く、顔を上に向けてバスの天井を見ていた。

 通路を挟んだ左側にいる石橋と舎弟(仮)ちゃんもだ。

 なんだか俺の周りの女の子達が上を向いていた。


 なんだこれ?

 異常な光景が俺の周りに広がっていた。

 まるで甲子園で負けて涙を我慢しているかのようだ。

 静かに、赤い顔で、ただ目は開いたままバスの天を仰ぐ彼女達の異様さに俺は何も言葉をかけられなかった。




 バスがトイレ休憩で停車すると、俺の周りの女子が我先にと飛び出していく。

 え? お腹痛かったんか?

 集団食中毒? いや、食中毒であんなんなるはずないか……


 そして、トイレから出てくるころには皆笑顔に戻っていた。

 は? 何事?


 俺もトイレに行って外で空気を新鮮な空気を吸っていた所だったのだけど、さっきは顔を上に向けたまま入っていった集団が、今度は笑顔で出てくるところは謎だった。

 そこへ神崎がやって来る。





「なんだぁー? 皆も唯も、鼻血ぶーしちゃったのぉ?」


 ニヤニヤとした顔でジャージの神崎が原木に話し掛けている。


「違うよ、ちょっとバスの空調が暑くてさっ!」


「あー、ヤダヤダ、これだから処女は~さっきの宮代とのやりとりで妄想して、すぐに興奮しちゃうんだから! 因みに私も処女なのでガッツリ鼻血出してます! アハハ、制服が血で濡れたのでジャージに着替えました」



 ケラケラ笑う神崎は脱いだセーラー服をこちらに見せてくる。

 黒いセーラー服だから見えずらかったけど確かに赤いシミみたいのがあった。


 この世界では、女は興奮すると簡単に鼻血を出してしまうらしい……

 そのせいなのか、こんなこと言われたら怒りそうな石橋も今回は鼻血が出たのか恥ずかしいようで、全く何も言ってこなかった。




 なんだか色々あったが無事宿舎に到着。

 ホテルのような豪勢な所ではないけれど、新築なのかすごく綺麗だ。


 えーと部屋に荷物を置いたらロビーに集合か……





「あっ、宮代君!」


「よお! 葵!」


「僕達一緒の部屋だね!」




 そう、男子は大部屋で皆同じ部屋なのだ。

 つまり、それは真一や雪人とも同じ部屋だということを意味する。

 雪人は良いけど、真一と同じ部屋なのは若干不安だった。


 最近の昼は時計塔の前で四人で食事をしていたのだ。

 ここのところ、鈴木と山田はそれぞれ部活の人と食べてるみたいだったので俺も時計塔の前へ行くようになった。


 仲良く食べているのだが、何故か真一はボディタッチが多くて……怖い。前に女も男もオッケーみたいなことも言っていたし。

 結構な頻度で俺の貞操が警告音をあげていた。


 と、まぁそんな訳だ。

女子は興奮すると鼻血とかいう謎の設定を加えてしまいました……

R15って難しいなぁ……この設定はもしかしたら後々変更するかもです。

その時は報告か何かでお知らせさせていただきます。

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