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第2話 転生、新しい名前はユウリ

 意気揚々と出発したのだが、今俺はベットの上で何もできない状態になっている。


 ああ、そうさ俺は今赤ん坊なのだ


 「おぎゃぁあああ」


 泣きたい気分だ。って考えたらホントに涙出るし、自分の意思じゃ泣きやむことも出来ない。

 そんでもって金髪の美人さんにあやしてもらってるのだ。

 たぶんこの美人が俺のお母さんだと思うんだよ。


 くそ、どうせなら少年時代くらいからやり直せればよかったのに!

 まあ、過ぎたものは仕方ない。

 新しい人生を満喫させてもらうぜ。



 …それにしても

 俺の父親はどこだ。

 いつも見かけるのは母親らしき人物と、何人かのメイドさんだけだ。

 あ、どうでもいいことだけど俺、前世ではお父さん、お母さんって呼び方だったから。

 別に親離れが出来ないとかマザコン、ファザコンの(たぐい)じゃないからな。


 んで、父さんだよ。

 いねえよ。どこいってんだ。

 まさか死んでたりしねぇよな。

 開始早々暗い過去持ってる主人公なんてのは大抵がかわいそうなエンディングを迎えるって相場が決まってる。

 俺の新たな人生はハッピーエンドを目指すのだ。

 スタートラインで躓いてられるかー!


 つっても死んでたらどうしようもないんだけどな。


 っと、そこで思い出したんだが、俺ってハーフなんだよな。

 転生するときに種族選んで転生したし。

 確か空族と人族のハーフ。

 なんか強そうだって思って選んだけど、迫害されたりしたらたまらんぞ。

 

 見た目超絶美人の母さんだけど、人族…だよな。

 だとすると父親が空族ってことか。

 まあ、どっちにしてもベットから自力で動けない今の俺には関係ないぜ。


 さみしいけどな!



 そんなこんなで俺は大人になった。


 冗談、まだ子供だ。


 1歳になるまで特に問題なかったし、そこそこ広い部屋から出ることも出来なかった。

 というか、出させてもらえなかった。


 2歳になる頃にはこれまた広い庭で遊んだりしたがこれは銀髪のメイド同伴。

 銀髪メイドさんは赤ん坊の頃から世話をしてくれているメイドさんで、母さんとも仲良しだ。

 あ、あと、メイドさんすげぇいい声してるんだ。

 お母さんの声もかわいくて良かったけど、このメイドさんの声は綺麗なんだ。


 時々、母さんと銀髪メイドが百合の花全開にイチャついてるが、これまた眼福眼福…。

 これも浮気とかになるのだろうか?


 


 時たま幼女神メイルから


 「ハイハイしてる姿かわいいですね」


 とかクール天使クレアから


 「あなたの恥ずかしい写真で写真集を作ってあげましょう」


 とか連絡が入ったくらいで、クレアの発言意外問題は特になかったぜ。

 言語をしっかり話せるようになったのが3歳前後だな。


 このころ俺はお母さんに聞いたんだ。


 「どうしてお父さんいないんですか」


 お母さんはすげぇ楽しそうな顔をして


 「お父さんはね、大空をかけるドラゴンなのよ?」


 といった。

 なん…だと!?

 俺の父親は異世界の定番、ドラゴンらしい。

 前に絵本を読んでもらったんだが、この世界でもドラゴンは超強いらしい。

 空と大地と海にそれぞれドラゴンが住んでいるってお話だ。

 その空のドラゴンが俺のお父さんらしい。


 「あ、会えないんですか?」


 会えるなら会いたいぞ、ドラゴーーーーン!


 「だってさ、リオ…そろそろちゃんと話してあげたらどう?」


 っと、いっつも俺と遊んでくれる美人な銀髪メイドに声をかける。

 なんで?


 「アリス、私はこの姿で会うのは気が引けますけどね」


 と銀髪メイド改め俺のお父さんリオさんが返事を…ぇ?


 「お父さんが女性だったなんて」


 俺さすがに驚いたわ


 あ、お母さんはアリス・グレンノース。お父さんがリオ・グレンノース。

 んで俺がユウリ・グレンノースな。


 「ふふふ…ユウリ、お父さんはね7年ごとに性別が変わるのよ~」

 「ユウリ。私たちドラゴンに連なる者は本来性別を持ちません。なので人型になると7年周期で性別が変わるのです。男型になるのはあと2年ちょっとですね。」


 ドラゴンのとんでもない性事情を聞いてしまった。

 二人は俺が悲しんだりしないように聞かれか、男になるまで銀髪メイドで通すつもりだったらしい。

 そこでなぜメイドなのかは疑問だが。

 母さんの趣味で、空の王者ドラゴンの趣味でないことを祈る。


 とりあえず俺には美人なお母さんと美人で不思議な性別のお父さんがいるようだ。



 「もしかして、僕も性別変わったりするんでしょうか?」




 お母さんもお父さんも曖昧に笑うのだった。

 答えてよ!すごい気になるじゃないか!!



 

 とりあえず、母さんをアリス母さん、父さんをリオ母さんと呼ぶことに決まった。

 時々二人がイチャイチャしてたのも百合的なものじゃなくて、夫婦の愛だったんだね!

 それでも複雑だけど!嬉しいけど!


 家のメイド達は知っていたらしく、普段の母さん達のやり取りをこっそり見ては


 「あぁ、今日も素敵ですわ、アリスお姉さま~」

 「ええ、本当にお似合いなお二方」

 「リオお姉さまの流し眼に(わたくし)、胸が張り裂けそう」


 と、黄色い歓声をあげて「きゃっきゃうふふ」ってなんだか女学校のノリだ。

 まあ、仕事はみんなきっちりやってるしそれなりに優秀なんだと思う。



 

 あと、俺は4歳になった。


 それなりに裕福な家庭に生まれたらしい俺は、英才教育とやらを受けることになって、母さん達と会う時間がだいぶ減ってしまった。

 最近では朝と夕方の食事でしか会ってない。


 ちなみに、教育は家庭教師が来てやってくれるんだが、俺が転生時にロリメイルからもらったギフトが役にたっている。

 才能のギフトなんだが、勉強系は何回か教えてもらうとスッと頭の中に入ってくるんだよ。

 おかげで家庭教師から


 「この子、天才なんじゃない?」


 って誉められる毎日だぜ!

 あと、才能のおかげで武術の動きも直ぐに覚えられるんだけど、体が付いて行かなくて、剣術の先生から


 「お前才能ないんじゃないの?」


 ってけなされる毎日だ!

 体さえ出来てれば動けるんだ!

 まだ俺ショタだから、出来なくてもしょうがないってんだ!


 んでそんな勉強ばっかの毎日だったんだが、明日5歳の誕生日を迎える。


 「ユウリ、明日はね~。素敵な誕生日プレゼントを用意してるからね。楽しみにしてて」

 「それは楽しみです!わくわくが止まりません!」

 「リオ~、明日の準備は出来てる?」

 「ええ、アリス、出来てますよ。」

 「素敵なものになるといいわね~」


 

 ホント素敵なものになるといいな~。

 直接は関係ないんだが、5歳になったら魔法の練習が始まるらしい。

 もう、明日が待ちきれないぜ!


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