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プロローグ

 この世界は一度滅んでいる。


 そこは科学の進歩の果てに魔法を生み出し崩壊し、魔物と呼ばれる生物が現れた、戦わねば生きることが出来ない世界。


 科学と魔法、人間と魔物が戦った。

 魔界と繋がる『ゲート』から絶え間なく表れる魔物

 470年前、己の魔力を頼りに突っ込んでくるだけだった魔物との戦争は人間が有利に戦局を進めていた。

 一体一体が数百~数千を相手に戦えるほどの力を持ってはいたがその力を最大限に発揮することもなくただ闇雲に突撃を繰り返す魔物たち。


 しかし、戦争から33年で一気に泥沼化した、同じような特性を持つ魔物が集まり、氏族と呼ばれる魔物のコロニーが形成されバラバラに戦っていた魔物がまとまりを見せたのだ。

 その数は10。

空族(くうぞく)」「地族(ちぞく)」「海族(かいぞく)」「魔族(まぞく)」「妖族(ようぞく)」「仙族(せんぞく)」「鬼族(きぞく)」「獣族(じゅうぞく)」「樹族(じゅぞく)」「人族(ひとぞく)


 中でも空・地・海は肉体的にも魔力的にもかなり恵まれた者たちで構成されており戦闘となった際、人類の勝率はほぼ「0%」だった。

 また、魔力による火力に秀でた魔族・魔力を操る術に長けた妖族・魔力で己を変化させる仙族たちも人類にとって脅威となった。

 魔物がまとまりを見せただけで人類には勝ち目が見えなくなっていた。


 その他の氏族も人類にとって他の氏族より楽だとは言っても、十分な脅威であることに変わりはなかった。


 戦争が始まって70年が経った時、各氏族の中で頂点に立つものが生まれた。

 それを人類は魔王と呼んだ。

 脅威である氏族の、更に頂点である魔王はその力で人類を圧倒し、戦局は一気に人類が不利とった。


 人類にとって消耗戦となった戦争は394年前、戦争開始から76年がたっていた。

 この時点で、人類の大都市は1つしか存在せず他は破壊され残った人間は村単位で隠れ住むように暮らしていた。


 この時代、最後に人類が投入した大量破壊兵器によって世界は暗黒時代に突入する。

 兵器の名は『魔力型戦略兵器(プロメテウス)』。


 プロメテウスは4つの工程からなる多段型の弾頭である。

 第一・着弾時に周囲50mを吹き飛ばし余計なものを排除する。

 第二・着弾後に周囲25mに強力な結界魔術を発動させる。

 第三・結界内で魔術を暴走させ威力を高める。

 第四・弾頭同士をリンクさせ巨大な破壊をもたらす。


 弾頭には人類から生まれた魔力を持つ氏族「人族」埋め込み、意識を奪った状態で意図的に魔術を暴走させ使用者の体が崩壊するのも気にしない、ただ魔物を消し去る為の兵器。


 作られた弾頭は12。

 各氏族とその魔王に向けて一発ずつと魔界に通じる『ゲート』に1発。

 それから弾頭を守る為に一つに数千の人間を囮や護りとして使用した。

 魔王達はその着弾を許してしまう。


 計画通り着弾時の爆発は周囲の魔物を吹き飛ばし、弾頭は結界魔術を発動した。

 着弾時に各地で展開した結界魔術は弾頭に埋め込まれていた魔術を内側で暴走させ続けていた。

 結界が消えると中から現れたのは暴走する黒く渦巻く魔術の塊だった。

 「それ」は各地の暴走魔術とお互いに干渉を始めその威力と大きさをどんどん上げていく。


 【魔力を持たない者】人類の予想では威力は最大で星の形を変えるものとされていた。

 そんなところまで人類は追い詰められていた。

 いや、それほどの破壊でなければ人類に未来はないということだった。


 しかし、【魔力を持つ者】魔物たちには「それ」がもたらす破壊がその程度では収まらないことを理解していた。

 己の氏族を守る為その威力を抑えようと各魔王が全力で攻撃するもあらゆる魔術を暴走させている「それ」に何の影響も与えられなかった。

 やむなく魔王たちは「それ」を自らが持てる限界を超えた結界で包み威力を削る方法を取った。

着弾から60秒後。それは解き放たれた。

 初めはサッカーボール大だった「それ」は魔王が結界で抑え込んでなおガスタンクほどの大きさに膨らんでいた。

 結界で威力を半減させても周囲の魔物と魔王を消し去り、風景を変えた。

 魔界とつながる『ゲート』も消えてなくなった。

 灼熱の大地と氷の山脈が同時に存在し、オーロラから虹がかかり、雷が地面から空に落ちていく。

 見るものを圧倒する光景がそこには合った。

 ただし、そこに見ることができる生き物など存在しなかったが。


 これで戦争が終わると人類は考えていたが、ここで一つの誤算があった。

 人類がいまだ制御しきれていない魔術に手をだした報いなのか、爆発に共鳴するかのように人類が放たなかった最後の一発が人類最後の都市とともに消え去った。

 そして同じ様な光景がここでも展開していた。


 ただ少し違ったのは、都市から離れた山奥に暮らしていた人類が爆発による被害を免れたことと、その光景を見ていたことだろう。

 プロメテウスとは人類に火とそれを扱う知恵を授けた神の名であるとされるが、その火を人類は扱いきれず敵と味方の区別なくすべてを焼く結果に終わったといえるだろう。


 これにより76年間続いた戦争は終結し、文明は大きく後退した。

 そして、今


 かつての文明の名残が空に浮かび、生き残った人類の子孫と被害を免れた魔物の子孫や生き残りが入り乱れ戦う剣と魔法が支配する暗黒時代。



 この物語はここから始まる


 誰もが予感した。


 終わりは近い


プロローグです。

なくてもよかった設定です。


読んでくださった方ありがとう

見捨てないでください。

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