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メイド-御主人様=……メイド?

「………!?!?」


俺が女性騎士?にキスをすると、彼女は初め何をされているか理解していなかったが、暫くすると驚いた表情に代わり、抵抗しようとしてきた。

だけど、彼女の手足は手足としての機能が無くなっているし、全身の打撲痕による痛みのためか、軽く身をよじるくらいの反抗しか出来ていない。


ちなみに、俺はなんとなくとかでキスをした訳じゃあないんで、そこは勘違いしたらいくない!

これは、副職系の職業《ナース(男の場合はドクター)》の《秘技》である【天使の癒し】なのだから立派な治療行為に当たる!


この【天使の癒し】は《秘技》で有るだけあって、素晴らしい効果をもたらす。

その効果は、相手の傷や状態・精神異常をすべてクリアにして、コンディションを最高の状態に引き上げるだけには止まらず、強めの肉体・精神強化をもたらすのだ!

……でも、使用回数が1日1回1人に対してのみで、更に相手が瀕死の状態じゃないと使えないってのが欠点だけどね。


とゆう訳で、およそ1分ぐらいしてから唇を離すと、すっかり元気になった女性騎士?は尻餅を着いた体制で、そのまま勢い良く後退っていく。


「あっあなたっ!い、いいいイッタイ、ナニヲっ!?」


うん、凛っとした女性が顔を真っ赤に染めながら、うろたえる姿はなかなかどうして萌ゆるものがあるな…。

俺が男のままだったら、思わず襲いかかってるかもしれないキュンキュンぐあいだよ、まったくもう。

………もう少し意地悪してみるか。


「クス…、お可愛らしい御反応ですが、もしかすると初めてでいらしましたか?」


「~~~///!!!」


うわぁ………可愛いっ!お湯が沸きそうなぐらいに真っ赤だよグフフ…。

このままでも良いけど、流石になんか勘違いされたままじゃ、いかん気がするから説明しておくかな。

あっ!ついでに服も渡しておこう、ボロボロの服のまま女性を歩かせるのは、紳士にあるまじき行為だし。


「…御安心下さいませ、先程の行為は私の《秘技》を使用する為の条件で、治療行為の一貫でございますので、貴女様の純潔はそのままであると、私は考えておりますが……、如何でございましょうか?」


そう弁論(言い訳とも言う)しながら、俺はアイテムボックスの中から【聖騎士のドレス】を取り出し、彼女に渡す。


この【聖騎士のドレス】は、かなり良い方の装備で、そのままの防御力も結構あるし、下級ならば《スキル》や《魔法》、更には不意打ち系のすべての攻撃を跳ね返す事ができる、素晴らしいドレスなのだ!


俺が彼女に、そのドレスを手渡すと、自分のボロボロ具合に「えぇっ!まだ赤くなるの!?」と言わんばかりに、更に顔を赤らめながら服を手に取って、着替え始めた。

その際、俺は向こうを見ているように言われた。


……なんか残念?な気がしてきたが、まぁ良いか…?


なんて気落ちしていると、彼女が着替えながらも話しかけてきた。


「わ、私の名前は、マルレイア・グランドと言う……。

今回は本当に助かった、礼を言わせてくれ。」


うーん、お礼を言ってくれるのは良いんだけど、俺は正直マルレイアさんの言った「礼を言う」みたいな言い方は嫌いだ、なんかこう……なんか………うーん、なんか嫌いだ。

その事を言いたいのだけれども、この世界の価値観をしらずに、下手に注意する事はできないだろう。


と、俺は不満を脳内で片付け、マルレイアさんに自己紹介し返す事にした。


「先に名乗らせてしまい、申し訳ございません。

私の名前はソドム・ヴァイアラス・ゴモラ・アルフェルリア・レグヴェッカ・シュバルツァー・ネイルフルフルスト・ツァヌルコフスと申します。」


「………長いな…。

あ…!いや済まない、別に名を馬鹿にした訳ではなくてだな!」


うん、わかっていますよマルレイアさん、名前が長いって事には俺も同感ですから。


「お気になさらないで下さいマルレイア様、そのお考えには私も同感でございますゆえ。」


「そ、そうか?では貴女の事はなんと呼べば良い?」


うーん、なんと呼べば良いって言われても、別に呼び名や呼称なんかに特にこだわりは無いからなあ、好きにしてもらうか。


「お好きなように、お呼びしていただいて構いませんよ?」


「む、……それではソドム殿と呼ばせて貰うが、いいかな?」


………殿はいらないんだけどな…、まぁ好きにって言った手前、反論はするまい。


「構いません。」


「ではソドム殿、聞きたい事があるのだが…。」


…うん、ある程度は予測がつくよ。


「…何でございましょう?」


「貴女はいったい何者なのだ?」


ほらきたー。

えー……なんて言うか。

…うん、ここは正直に「異世界転生して来た元男だよ♪テヘペロ◎」って暴露を…………言えねぇな言えねぇよ…。

うん、ここはとぼけるしかないな、上手くかわせるかどうかは知らんが。


「…何者か、とは?」


「…言葉通りの意味だ。

一般人で無いことは先程の戦いでわかっているし、亜空間魔法も使える様だしな。」


そう言いながら、着替え終わったマルレイアさんが少し警戒した様に、こちらに振り返ってきた。


あれ…? 俺何かしたっけ?

たぶん亜空間魔法ってのは、アイテムボックスの事だと思うけど、それだけで警戒の対象にはなるまいに。


そうやって俺が、疑問点を脳内で処理していると、更に彼女が言葉を続ける。


「それに、何故奴等を逃したのかも聞きたいのだが。」


その言葉で俺はピーンときた、彼女は俺の事を警戒しているのだと。

いかんせん、さっきの出来事は俺にとっても、彼女にとっても、ご都合主義過ぎた様だ。

それもそうだろう、自分が盗賊達によってズタボロにされている時に、タイミング良く颯爽と現れて盗賊達を退け、彼等を見逃した………。

パッと、聞いた感じは格好良いかもしれないが、考え方によっては、俺が盗賊を手引きする前準備として、彼女の懐に入るための芝居をうった様にもとれるしな。


だけど、そこまで考える余裕がでてきたのは、俺がやった【天使の癒し】の効果の一つ〈精神強化(強)〉の効果があらわれた為だろう。

そして、こうやって疑ってきたのは彼女の性格なのかもしない。


うーん、こうゆう少し疑い癖?のある人を説得するのは、骨が折れそうだなぁ………。


なんて考えながら、俺はマルレイアさんに疑いの眼差しを止めて貰うための話し合いを始めた………。










……

…………










「…そうか、不明な点がいくつか有ったが、ソドム殿が敵では無いと言う事が、わかったから良しとしよう。」


…やぁ…ソドムだよ……、度重なる疑惑と質問を数十分に渡って、かわしつづけて疲労気味なソドムだよ………。


…コホン、ふざけてないで話し合いの結果を言わないとな。

結果として、俺がここに居たのは「何らかの新しい魔法の実験中に下手してしまい、ここに転送された、タイミングが良かったのは偶然」と、なり。

盗賊達を逃したのは、「実験の失敗により、記憶が曖昧になってしまっていたし、元々の性格」とゆう事で、納得してもらった。


ここで特に大事なのは、記憶が曖昧ってなった事だ。

これによって、この世界の住人達と俺に、常識の違いが表れても、多少はごまかせる事が可能なはずだからな。


とゆう訳でマルレイアさんには、なんとか納得してもらう事に成功したわk---


「で、結局ソドム殿は何者なのだ?」


---では、無かったらしい……。

また、フリダシに戻るんですか?マルレイアさん?

とも考えたが、違ったらしい。


「あっ!話が理解できなかった訳ではないから、そこは勘違いして欲しくない!

そのー、なんと言うか……、敵か?味方か?と言う意味合いでは無く、味方としての何者か?と言う意味合いであってだな?」


うん、あんた可愛いよマルレイアさん……。

たぶんだけど、彼女は良い所の家系で、若干箱入り娘として育てられたのだろう。

そのため外側の人格は、ある程度形作られてはいるものの、いかんせん中身が伴っていない。

………って言うか、はっきり言っては悪いが、カラッポと言っても差し支えは無いかも知れない。


今の現状に置いても、俺が彼女の立場だったならば、いきなり相手を疑ったりはせずに、一時信頼したフリをして、相手の真意を探る。

そうすれば、相手が味方であったなら心強いし、敵であったなら逆に誘い込んだりもできるしな。


「ソ、ソドム殿?」


おっと、いかんいかん考え事に集中して、対応を疎かにするなんてメイドさんには、あるまじき行為だった。

みんなスマン、メイドさんのイメージを崩してしまって。

……みんなって誰だが知らんが。


「申し訳ございません、少々物思いに耽っておりました。」


「あ、いや大丈夫だ。

で、ソドム殿に味方として、何者か聞きたいのだが。」


さて何者か…か?フフフ…そんなのは決まっているだろうが!愚か者めい!


「只のメイドでございます。」


「………………え?」


「ですから、只のメイドでございます。」


「……あぁ…、そ、そうなのか?」


「はい。」


「………。」


「…」


「…」


うん、言わせてくれ…。

っな、なんなんだその反応ぅはあああぁぁぁぁい!!!

何者か?って聞いてきたから答えたんだろうがボケとナスビがぁぁぁい!!!!

確かに、この空気感で「メイドですっ(萌)」なんて言われたら流石に俺でも困惑するが、そこはグッとこらえる必要があるじゃろうがぁぁぁぁあ---あっ!!!!!!


そこで、俺はとある重大な事実に気がついてしまった!

この事実は、今世紀中最大最悪最低の「ここまできたら世界の終わりナンジャネ?(笑)」と言われる程の最高級に最低値過ぎる事実であり、俺のアイデンティティにも関わるっつーか、存在意義や存在価値や存在自体が疑われるっつーか否定されかねないっt---


「ん?、……!、メイドと言うことは………。」


---っは!き、ききき気づいた!?気付いちゃったの?マルレイアさん!ああ!!!や、やめて、よしてよ、それを言うのは、それを言うのだけは止めておくれよコンチクショー(泣)!!!


「どこか近くに、ソドム殿の主が居るのか?」










ぐふっ!(吐血)








メイドバンザイ

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