■ 前線都市オズフリアンクについて
この本において、最後に紹介する事を決めたのが、前線都市として名が知れる様になったオズフリアンクという街である。
何の前線かなどと、分かり切った説明をするのも妙に思われるかもしれないが、この名で呼ぶ以上は、書き残しておくべきだろう。
先の戦争、隣国オグマドクト帝国との戦争における前線となった都市こそ、オズフリアンクである。
当たり前であるが、戦争以前よりオグマドクト帝国との国境付近にあり、国を越えた交流、流通の場でもあり、そうして諍いの場でもあるわけだ。
ここでの諍いから発展する形で、先の戦争が引き起こったという見方も出来るかもしれない。
我が輩としては、オグマドクト帝国の領土的野心から引き起こされたものであるとは思うものの、詳しく書けば帝国からの弾圧に晒される可能性もあるため、詳しくは触れない。この本はそのためのものでは無いのだ。
オズフリアンクについての話であれば、街近く、というより街の一部も含めてコロート山脈が北方から南東部に掛けて連なっており、その山脈が自然とオグマドクト帝国との国境線にもなっている。
山の麓、幾らか拓けた土地を中心に人が集まり、家々を建て、周辺の木々を切り倒し、そうして隣国との交易により発展していった街と表現するのが、オズフリアンクという街に対し適切な表現となるだろう。
本来は都市と言える規模に発展する様な土地柄でも無いのだが、コロート山脈の切れ目と言える谷中を道として、二国を繋ぐ細道が、オズフリアンクの規模を大きくした血脈であった。
今も整備が続けられる両国を繋げるその道は、これまでもこれからも、あらゆる面で利用されて来るだろうし、利も災も運び込む道でもある。それらを受け止めるためには、集落や村程度の規模では足りぬという事なのだろう。
無論、それは良き事を意味する言葉ではない。先の戦争もそうであるが、それ以前から、オズフリアンクに他国の驚異というものを呼び込んで来た。
結果、オズフリアンクは発展した都市としての性格と同程度に、外敵に対する城砦の様な雰囲気も持ち合わせている。
街で仕事に就く者達も同様、その二つの方向性の元にあり、他の街では見ない特徴を見せているため、ここではその特徴が良く分かる仕事に就いている者達について、紹介していく。




