脇役様の言うことには 数年後 直接対決前
どうでもいい設定。騎士団長様は不老長寿。
ぱーるーぱーるりぱーるりらーみんなー死ねばいいのにー☆
どうも、ミリアです。初っ端から何言ってんだって?ちょっと聞いてくださる?
・・・あの、
あの、
あ の 糞 野 郎 が !
来るんですってよ!私が!10年かけて!必死に!地盤を整え!裏組織を掌握し!色々問題が出たので夫を正当ないちゃもんつけて離婚させ!あったまおかしい傭兵のボスに嫁ぎ!なんとか説得して!国力を増加させて!教皇に身内を就けて!この世の春が来たと!そう思っていたのに!わが国に!友好を結びに!来るんですってよ!嫁候補と部下引き連れて!来るんですってよ!
・・・くうううう手が出せませんココで手を出しても殺しきれるか判りませんし手を出さなくてもパーティーで遭わなければいけませんし私権力者の妻ですし!何をトチ狂ってんのか知らないけどふざっけんなああああせっかく主戦論者黙らしてるのに再燃するだろおおがああ!
ふー、心の中でも叫ぶと疲れるものですね。若干汗が出た気がしますので拭いておかないと・・・。
ハンカチでそっと汗を拭ってから私個人の兵隊からの報告書を読み漁ります。ああ、ちなみにわが国はマッドとか金に汚いとか傲慢とかとにかく性格的に難がありますが能力が高い皆様の巣窟になってます。手引き?しましたわよ。あったりまえじゃないですか・・・せっかくあの男が追い出したんですから、有効活用しなければ。
でも正直、私の勝利条件しか判明していないのが難ですわ。国とあの野郎の勝利条件が不明なんですもの・・・備えておかねば恐ろしくて眠れません。まあ案外繁栄とか名誉とか愛とかの気もしないではないのですが。もしそうならあの野郎もその周りも願いも望みもぐっちゃぐちゃにして嗤って差し上げましょう。ふふふ、少し愉しみになってきました。
*視点変更(第三者)
「―――そうか。その者は神の力を”浪費”している、ということだな」
報告書を読み終わった男―――ミリアの元夫である青年が言う。
見た目の年はミリアと結婚した時からなんら変わらず、最盛期の姿。能力は今もなお伸び続ける化け物(真なる神の使徒)、エイレル・フェルトルード。その言葉に周囲の信徒たちが頭を垂れる。
「それでは、聖者の位を?」
「否、それは・・・実際見てみねばわからぬな。我らが神は気まぐれだ。突然性質をお変えになられることなど易いだろう。丁度その者がわが国に来る予定があるはずだ」
「は、招待状はこちらに」
「出席と応えておいてくれ」
恭しく招待状を受け取った女が部屋の外に出る。
それを待ってエイレルは話題を変えた。
「―――ミリアはどうしている」
「聖女様ならば楽しそうに暗躍しておいでですわ。閣下の手の届かぬ場所は全て網羅なさったと言っても過言ではありません」
「あの傭兵は?」
「聖女様の手伝いに走り回っているようです」
「ふむ。そうか・・・このパーティーに、来るだろうか」
「無論、おいでにならぬはずがありません」
「くく、お前たちは優秀だな。しかしそうだな・・・ミリアが来るならば、久々に無害な騎士団長に戻るのも悪くはないか」
部屋を出た女はゆっくりと仕事をこなし、返信を出すために外に出た。
その途中、人気のない建物の影から声がかかる。
「で、どうなんだい?あの男前は」
「やばいですミリア様早く逃がさないと絶対やばいですなんですかあの狂信と愛執と過保護と過干渉が入り混じった淀んだ目!毎日欠かさずミリア様の報告を聞いて周りに聖女様呼び強要ですよ?!アルゼイア様並に病んでるとか!!」
「ありゃ、やっぱり諦めちゃいないかい・・・旦那に警戒するよう言っておかないとねえ」
その会話はそこで終わり、話しかけてきた人間が建物の影に消えてから女は小さくため息を吐いた。
「・・・ミリア様・・・強く生きてください・・・でないとこの世が崩壊する予感がします・・・うう・・・」
あなた個人の兵隊なトリプルスパイが言うのもなんですが、と呟いて女もまた夕闇の町に溶けた。
最後の女の子はミリア個人の兵隊でミリアの現旦那の部下に潜入していたらミリアの元旦那のところに潜入する羽目になっている”耳の良い”女の子。