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そこから浅川岡太郎は変わった。前、昔のような彼に変わった。進化した。
あいつがどんな気持ちで毎日を過ごしたか、登校をしていたかは、俺には分からない。それは気軽に想像して、理解して、分かったようにしてはいけないことだと思う。
全てがまるで無かったかのように、薄れ、風化した。
いつしか、誰もあいつのことを、陰で言うようなことはしなくなった。
あいつが変わったのか、周りが大人になったのか、ただ飽きただけなのか。
今となってはもう、当事者である俺と岡太郎しか記憶にないのかも知れない。
謝ることはなかった。
謝ることもなく、なかったことのように俺は生きて、あいつと親友に戻っていた。
これは俺の予想だが、あいつは何かに影響を受けて、俺を許したんだと思う。
漫画なのか、アニメなのか、小説なのか、ドラマなのか、リアルな人間の言葉なのか。
それが何なのかは分からないが、あいつはその許した日から、オタクになった。オタクを公言した。
完全に、今の浅川岡太郎になった。
俺が求めたあいつを演じているかも知れない、とすら思うのだ。
そんな彼に対して俺は、
近所の悪ガキや一つ、二つ年上のお兄ちゃんに抱く憧れから、
ひととして、生き方として浅川岡太郎に憧れ、惹かれていた。
幼少期に求めていた自慢できる友達から、自慢するのは恥ずかしい、恥ずかしくらいにカッコいいと思ってしまう親友になっていた。
言ってしまえば、俺は惚れていた。
俺は向き合うべきだ。
決意するべきなんだ。
今、俺らがこの世界に来たことが何かのきっかけなら。
きっかけにするべき、してしまえばいい。
結婚する前に、この想いをきちんと伝えるべきだ。
想いが消えてしまう前に。
それが俺が、あいつに相応しくなる一歩なんだろう。
あいつが変化したように、俺も、
今の俺と告別するべきだ。
短いですが、今回はここで一区切りです。
次回から本格的に話が進む予定なので、ここまでが1章です。
心理的な描写が多く、くどいかもと不安でしたが、結果としてこうなってしまいました。
ここまで読んでくださった皆様に感謝を述べたいと思います。
貴重なお時間を頂き、ありがとうございました。




