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防衛戦線

 打さん、チトセさんと装備を整える。


「武器はどうしようか?」

「うーん、なにがいいんですかね?」

「素早さは絶対に殺したら駄目だし、軽くて取り回しのいい武器がいいよねぇ。」

「そんなら短刀とかどうだい?」

「あー。Souはどう?」

「使ってみないとなんとも言えないですが…。でも、攻撃と敏捷の両立だとそれがベストな気がします。」

「まあ、だめだったらもっかい作り直すよ。」

「お願いします。」

「服はどうしようか。」


 服は今、いつものパーカーに長袖長ズボン。この服装はやっぱり戦闘には向かない。


「うーん、そうですね…。動きやすさは大事になりますが、それ以外これと言って大事なこともないですし…。」

「動きやすさ、ね。まあ、わてに任せてくれるなら考えるよ。」

「じゃあ、それでお願いします。」

「とりあえず装備はそれくらいかな。」

「あとは、完成までのつなぎの武器をどうする?武器庫にいろいろあるけど、刀系はないんだよね。」

「私が案内するよ。」

「はい。」

「じゃ、よろしくね。」

「任せな!」



「さて、武器庫だけれども…。こんな感じしかないんだよね。」


 武器庫の中にはいくつかの武器が壁にかけられていたり防具が置かれているが、攻撃系の武器は壁にかけられた幾つかしか見当たらない。


「まず、Souくんは物理専門だから、魔法武器は使えない、と。」

「この世界、魔法あるんですか?!」

「あるよ〜。でも基本そこまで強くないし、そもそも使える人が少ないからまあ見る機会は無いけどね。」


 バフも魔法もスキルもあるなら、ゲームと同じじゃん。


「あ、これとかどう?」


 チトセさんが出してきたのはトライデント。


「トライデントか…。」


 持ってみると、意外と軽い。サイズも小型の部類なのか、取り回しも良さそう。


「あ、あとこれも渡しとかなきゃ。」


 インカムを渡される。


「これは…?」

「これで十六夜のメンバー同士のやり取りをしてるから、君もつけておいて。」


 インカムを耳につける。


「緊急時はそこから連絡が入るから、動けるときは指示にしたがって動いてね。」

「はい。」

「あ、で、インカムもトライデントも所有権移行、お願いね。」

「所有権…移行?」

「ああ、所有権移行っていうのがあってね。アイテムの元の持ち主と、新しい持ち主がそれぞれ承諾したら、新しい持ち主の装備って認識されるのよ。それをしておいたら、戦闘で死んだときにロストしないで済むから。」


 インカムに触れると、所有権移行のウィンドウが開く。


「今は持ち主が設定されてないから、どっちも君の承諾だけで移行できるよ。」


 両方の所有権移行を完了させる。


「これでオッケーね。」

「ですね。」


 トライデントを背負い、武器庫を出ようとした瞬間インカムから連絡が入る。


『緊急!北西ビーコンに襲撃!援護求む!』

「襲撃?!」

「急ごう!」

「は、はい!」


 階段を駆け上り、地上へ抜ける。


「先に行ってます!」

「えぇ、お願い!」


 ” スキル・速度上昇 ”


 マップを頼りに、北西方面へ急ぐ。インカムからは戦闘の音が聞こえてくるが、見張りの一人が戦っている状況だろう。


『敵の戦力は?』

『わ、わかりませんっ!弦雷の下級の集まりですっ!』


 インカムの音声の後ろから下級とはなんだ、と怒鳴り声が聞こえる。マップに敵の反応が映り始めるが、おそらく敵は100人規模。ビーコンから離れたところにも反応があるから、数の暴力で疲弊したところを本陣が襲撃する算段かな。


「Sou、応戦します。後方、本陣と思われるところを叩きます。」

『あ、ありがとうございます!』

『本陣?』

「おそらく、高レベルプレイヤーが戦闘で疲弊したところを叩いてくる算段だと思います。」

『わかった。チトセもすぐ着く。』

『メタたちもすぐ着くよ〜。』


 さて、では奇襲部隊に奇襲を仕掛けますか。

 路地裏から音を立てないように後方に回る。そのまま、本陣から100mほど離れたビルの屋上の物陰で息をひそめる。


『アカネ、本陣後ろについたよ〜。』


 斜め左のビルの屋上の物陰でアカネさんが手を振っていた。こっちもサムアップを返す。


「どうします?」

『先にあっしが行って後ろを空けるから、真ん中の強そうなやつを一撃で頼んでいい?』

「了解です。」


 速度上昇は残り30秒。速度上昇を更に掛け、筋力上昇を二重掛けする。


『いっくよ〜!』


 アカネさんが突撃し、後方のメンバーが振り向くと同時にそれらを光の束に変える。


「行きます!」


 僕も物陰から飛び出て、バフの勢いで敵に接近する。

 相手も振り返ると同時に剣を振るうが、それよりも僕の突きの方が速かった。


「な…。」


 相手が口を開ききる前に相手の体が光る。


「な、なんなんだ、お前たちは…!」

「あっしらは十六夜だよ。そんなこともわからないの。」


 アカネさんが雑に本陣の敵を倒し、辺りが静まる。


「トライデントってそんな簡単に扱えるものだっけ?」

「思っていたよりは使いやすかったです。まあ、それでも難しいですけど…。」

「流石だねぇ。」

『こちら防衛成功しました!』

『ありがとね〜。』

「あ、お疲れ様でーす。」

「あえ、あ、お疲れ様でした。」


 灰色の空を見上げながら、トライデントを背負う。


「じゃ、あっしは先に拠点に戻ってるわ。」

「あ、はい、僕もすぐ戻ります。」


 アカネさんの姿が見えなくなったところで、ステータス画面を開く。



◯プレイヤー情報

プレイヤー:Sou

タイプ:アタッカー

スキル:速度上昇、筋力上昇

言語:日本語

所持武器:初級剣(Lv.1)


◯ステータス/残数

筋力:256

体力:2560/2560

速度:256

スキル(残):0/256

撃破ダメージ:256


◯特殊ステータス

特殊タイプ:水属性

特殊秘技:1280/1280


◯特殊スキル

固有スキル:可視化(Lv.1)


〜経験値が溜まっています。ステータスに割り振りましょう。〜

経験値:10800



 今回は少し挑戦してみる。


「 [ 固有スキル:可視化 ] に経験値8000。」

『 [ 固有スキル:可視化 ] ガ強化サレマシタ。Lv.1カラLv.2ニランクアップ。補正開始。』


 一瞬ステータス画面が閉じるが、直ぐに展開される。



◯プレイヤー情報

プレイヤー:Sou

タイプ:アタッカー

通常スキル:加速、筋力上昇、飛翔

言語:日本語

所持武器:初級剣(Lv.1)、トライデント(Lv.5)


◯ステータス/残数

筋力:256

体力:2560/2560

魔力:128/128

速度:256

撃破ダメージ:256

通常スキル(残):0/256


◯特殊ステータス

特殊タイプ:水属性

属性付与:未開放

特殊秘技:1280/1280


◯特殊スキル

固有スキル:可視化(Lv.2)

      スキル生成(Lv.1)


〜経験値が溜まっています。ステータスに割り振りましょう。〜

経験値:2800




「あ…。あ…。あ…。」


 スキルはわかる。魔力…?属性付与…?スキル生成…?

 まって、意味がわからない。いや、意味はわかる。理解できない。


「魔力とかスキル生成とか、そんなもの存在してていいのか…?」


 震える手でステータス画面を閉じる。


「あ、あの、支援AIさん…?」

『はい、どういたしましたか?』


 …あれ?


「支援AIも流暢に喋り始めた…?!」

『私AIは日々進化をしております。』

「いや急に進化してるじゃん?!」


 やばい、頭が痛い。傍から見れば何も頭が痛くなるようなことはないんだろうけど。当事者からしたらすでに隠すべき事実が隠しきれていないのに隠すことが増えると考えると…。あぁ…。


「面倒になってきたなぁ…。」


 重く感じる体を引きずるように、拠点に戻ろうとした時。

 視界の端に、赤い光が見えた。とっさに伏せると、僕の頭上ギリギリを赤い光を放つ矢が飛んでいった。


「敵の位置は?!」

『北西よりこちらに高速で近づく物体あり!人と思われます!敵意ありと判断!3秒後接敵!』

「経験値でスキル残数全回復! ”スキル・加速” 発動!」


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