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"ゲーム"の始まり

 灰色の世界。灰色のビル。灰色の空。灰色の地面。

 僕は「荒廃した世界」と評すべき世界にいた。


「ここが…RW…。」


 あたりを見渡すが、特に人影はない。

 空には”何か”が投影されている。


◯Score Rank

・Player unknown:156

・Team GenRai:97

・Team Timer:64

・Gamemaster team:62

・Team Izayoi:21

・Others:No Date


「スコア表…?」


 戦闘データか。6チームと言っていたから5”チーム”…。いや、なんかチームに紛れて個人がとんでもなさそうなスコア出してるのは気の所為…?


『ピーッピーッ!付近ニ敵ノ反応アリ!注意!』

「えっなに?!」


 突然耳元付近で警告音が流れる。あたりを見渡すが、敵の姿はない。


「どこに敵がいるのさ?!」

『マップヲ表示シマス。』


 視界の左上あたりにマップが表示される。いや、なんか支援AI搭載されてるの…?


「なにこれ、ゲームじゃん…。」


 そんなことを呟きながらマップを見る。


「…ん?」


 マップの中心には青い丸。たぶんこれは自分だろう。そして半径100mくらいの距離を保ちながらその青い円を囲むように赤い点が大量に映り込んでいる。


「んーと、包囲されてるってことかな、これ?」


 やばい、やばいぞ。語彙力がなさすぎてやばいしか出てこない。とにかくそれくらいやばいがやばい。


「これってもしかして僕危険な状態…?」

『敵ハ武装シテイマス。交戦ノ意思ガアルヨウデス。』

「うーん、どうしたら良い?」

『コノ地域カラノ脱出成功確率ハ0.5%。交戦シナガラノ区域カラノ脱出ヲオススメイタシマス。』


 戦闘しないといけないの?初心者に優しくなさすぎない?!


「そもそも武器持ってない…。」

『提案:ステータス/ホーム画面ヲ表示シマスカ?』

「うん、これは完全なゲームだわ。やばいところに迷い込んだみたい。」


 アニメかよと思いながらステータス画面を表示する。


◯Player Information

Player:Sou

Type:Attaker

Skill:Speed,Power

Language:English



 なんかおかしいと思ったら言語が英語じゃねぇかよ。なんで設定をステ画面に配置するのさ?!

 急いで言語を変更し、ステ画面の続きを見る。


◯プレイヤー情報

プレイヤー:Sou

タイプ:アタッカー

スキル:速度上昇、筋力上昇

言語:日本語

所持武器:初級剣(Lv.1)


◯ステータス/残数

筋力:128

体力:128/128

速度:128

スキル(残):128/128

撃破ダメージ:128


◯特殊ステータス

特殊タイプ:水属性

特殊秘技:128/128(MAX)


◯特殊スキル

固有スキル:可視化(Lv.1)


 基本はなんでも128に設定されてるんだなぁ。そして属性とかもあるのか。よくわからないステータスもあるけど、基本は把握した。後は敵のステータスがどれくらいかだけど…。それと、固有スキルとかあるんだな。何を可視化するのかはわからないけど。あと、特殊秘技が何かがわからない。


『敵ガ接近シテキテイマス。戦闘準備ヲオ願イシマス。』

「…武器ってどこにあるの?」

『インベントリヲ開キマスカ?』

「頼む。」


 インベントリ画面が表示される。


「…。」


 9個のスロットが表示される。剣はその真ん中にあった。ただ、他の荷物がなく寂しい上に初級剣(Lv.1)はまさに「初級剣(Lv.1)笑」って感じの見た目だった。うん。


『敵ガ攻撃開始シマシタ!』

「おおっと?!」


 剣を選択すると、手元に剣が出てくる。そしてそれを自分の目の前に持ってきたと同時にミサイルが剣に着弾する。


「ぐっ…!」


 右上に体力バーが表示される。すでに8割削られた。


「エグすぎ…!」


 次の攻撃が始まる。それをビルの中に逃げ込んで回避する。


「中に逃げたぞぉ!さっさと捕まえろぉ!雑魚ごときに時間をかけんじゃねぇぞ!」

「「「おう!!」」」


 うわぁ。想像以上にまずい状態だな。僕は全力で階段を駆け上がる。2階分くらい下から大勢の人間が階段を上がってきているのがわかる。

 どう使うのかもわからないけどやってみるしかないか。


「 ”スキル・速度上昇” 発動!」


 右上の体力バーの下に足の描かれたアイコンと、「10:00」の表示が出る。それと同時に僕の走る速度が2倍ぐらいになり、バランスを崩しかける。



「制限時間は10分か…。」


 なんとか体勢を立て直し、さらに階段を駆け上がる。


「急げ!さっさと片付けるぞ!」


 上の階からも声が聞こえる。


「挟まれた…!」


 どうする…?


『提案:特殊秘技ノ使用ヲ提案シマス。』

「特殊秘技…。どんな技なんだ?」

『秘技:鋭水。周囲ノ敵ニ水ノ矢ヲ自動デ放チマス。殺傷率:100%』


 ん?なんか最後容赦のないこと言ってなかった?


「いたぞ!」


 上の階から敵が姿を現す。


「なりふりかまってられない…!」


 敵が勝ち誇った顔で僕に槍を投げようとする。だが、僕のほうが行動が速かった。


「[秘技:鋭水]」


 僕がそういった瞬間、あちらこちらから大量の()()()が飛び交い始める。

 あちこちから悲鳴が上がる。

 目の前の敵も最初の2射は避けたが、よそ見をした隙に背中を射止められ、さらに大量の矢にハリネズミにされる。


「何者だ…、お前はっ…?!」


 敵はそのまま光の束となり消える。


『周囲ノ敵反応ナシ。戦闘ニ勝利。』

「か…った?」


 僕はその場に座り込む。


『敵に勝利したため、報酬が与えられます。また戦闘経験により各種ステータス上昇。スコア:43、スコアランク5位。』

「…?」


 窓からスコアランクを見る。



◯スコアランク

・不明プレイヤー:156

・弦雷:97

・時計屋:64

・主催チーム:62

・不明プレイヤー(1):43

・その他:データなし



…。不明プレイヤー(1)って僕じゃないよね?僕なわけ無いよね?

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