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終焉王女と覚醒騎士の王国創世記  作者: 織姫
第2幕 女王と騎士の初行幸

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第26話


――待ちなさいっ!


 思考より先に身体が動きました。男性を連れて行こうとする兵士たちの前に飛び出し彼らの進路を塞ぐわたくしは叫びました。

「その方を放しなさいっ」

 突然目の前に現れた女に驚く兵士たちはざわつき、覇気に満ちるわたくしを見つめます。

「その方を放しなさい! 彼がなにをしたと言うのですかっ」

「何者だ。邪魔をすると言うのなら貴様も拘束するぞ」

「わたくしはエーリカ・H・レーヴェン。フェリルゼトーヌ女王、アリスリーリア様の近衛騎士ですっ」

 その瞬間、周囲にいた者皆の視線がわたくしに集まりました。兵士や露天商だけでなく、野次馬と化していた者たちまで全てがわたくしを見つめます。

「わたくしは王立騎士団所属の近衛騎士です」

「なに?」

「答えなさい。ウィレットとは誰ですか」

「答える必要などない。下がれ」

 兵たちは問いに答えるどころか見下すようにわたくしを嘲笑います。

「貴様のようなみすぼらしい女が騎士? 笑わせるな」

「…………」

「そもそも近衛騎士などただの飾りだ」

「っ⁉」

「ろくに国王の命も守れなかった奴らが近衛騎士など笑ってしまう。わかったら早く行け」

「……いまなんと?」

 腸が煮えくり返る気分でした。女だからと見下されるのは我慢しましょう。ですがアリス様に頂いた近衛騎士の名を汚されるのは承服できません。

「いまなんと言いましたか――」

「なんだ? 見逃してやると言ってるんだ。さっさと消えろ」

「証拠を見せろと言うのですか」

「良いか? 我々は女王陛下に代わりこの地を治める領主の兵だ。これ以上陛下の名を気安く使うなら大逆とみなす」

 これが最後だと剣を抜く仕草を見せる兵に見物人たちがざわつきます。ですがその程度の脅しに屈するほどやわではありません。女だからと甘く見過ぎです。


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