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終わる時…

終わるのは夏なのか、それとも…



いつからだろう。

この年下の幼馴染をただの友人とは思えなくなったのは……。


ジジっと密やかに小さな火花が散ってる小さな赤い玉がぷくぷくと蠢き燃えている。


自分の胸の内のような火の玉。


肩を寄せ合って互いの花火を眺めている。


ぽとりとほぼ同時に落ちる。


「これで最後…」


最後の一本を渡す。

夏が終わる。

こうしてゆっくり会うのもそろそろ終わりかな…。


火をつけて、玉になっていく線香花火。


息遣いも体温も全てをすぐ近くに感じる。

自分と同じ気持ちであって欲しいようなそうでないような…。

揺れる。

ジジっと揺れる玉の表面。

シュパっと細い火の筋。

散りゆく花火と一緒に終わらせた方がいい…。


さよなら…。


「終わっちゃったね…」


小さく呟く声。

膝を抱えて、頬を押し付けて、先が無くなった花火を眺めてる。

視線に気づいたのかこちらを見た目がスッと細まる。


『好きだ…』




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