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終わりの始まり
腕を伸ばし、手を翳す。
広げた指の間を通った光が目を細めさせる。
赤い光は夜に包み込まれて昼の最後の光を残して消える。
辺りを赤く燃えさせて、何もかも夜に譲っていく。消されていく。
押しつぶされるように消えていく赤い光り。
抗うように発する赤い滲み。
最後のあの煌めきは昼の吐息。
息を止める。
凪ぐ空気。
昼と夜が変わる境目。
夜に呑まれるように遠ざかる影が長く伸びて、消えていく…。
遮る物のない道を歩む君を追いかける。
強い背中。
地面を蹴る足を強く弾ませる。
その隣りは空いてる?
否、空けてッ。
一緒に行こう。
手を伸ばす。あと少し。
息が続かなくとも、この足を止めない。届け。
夜に溶ける前に届け、この想いッ。




