表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
後は野となれ山田となれ  作者: 有氏ゆず
第二話 山田、オフ会に参戦す
8/88

2-3





「さて、皆さんが揃ったところで。改めて自己紹介をしましょうか。私は主催者の漆黒の翅です。いつもファンクロのコスプレ写真をうpしてるやつですね」

「えっ!?漆黒の翅さんって女性だったんですか!?」


その反応はさっき見た。再放送か?

そういえば、鈴木さんも漆黒の翅さんの性別を知らなかったのか。


「はい。男じゃなくてすみません。……なんて」

「ぼ、ぼくは!翅さんが女の人でもすこだから!翅さんの少納言コス、本気で推せるから!」


漆黒の翅さんの言葉に先程のゴスロリ少女が立ち上がって反論する。もしかして、口調的にこの子は……


「ふふ。どうもありがとうございます。ではそのままぽてとさんにも紹介して頂きましょうか」

「……ぼ、ぼく、ぽてとちゃん……。よろしく……」


やっぱり、ぽてとちゃんさんか。

でも彼女って確か高校生って言っていたような。目の前にいる彼女はどう見ても小学生……贔屓目に見ても中学生くらいにしか見えない。




「ぽてとちゃんって、小学生?」


嗚呼。俺が敢えて口にしなかったことを鈴木さんはぶっ込んでいく。彼女はアレか。空気が読めないのか。


「っ、違う、もん。ぼくはコーコーセイ、だもん。式部と結婚だって出来るんだもん」

「えっ!?ご、ごめんなさい!」

「ショーガクセイが上位ランカーになれる訳ないだろ。……ばか。やむ」


ぽてとちゃんさんはぬいぐるみを抱き締めて、黙ってしまった。どうやら拗ねてしまったらしい。


そういや彼女は平安キャラ関係のイベントでは毎回ランキング上位にいる。しかも、URキャラクターの中ではかなり使いにくい式部というキャラクターを使っての上位なので、式部と言えばぽてとちゃん……そう言われるほどだった。


そして、ぽてとちゃんさんの普段の呟きを見るに、割とメンヘラっぽくて……式部にガチ恋をしている。


……しかし、見れば見るほど高校生には見えない。どうやら彼女の地雷っぽいので口には出さないが。




「じゃあ次はYOU霊さんにお願いしようかな」

「は、はい!えっと、私はYOU霊です!推しは式部です!」

「……は?それ、病み病みの病みなんだが?」


今の一言でぽてとちゃんさんが反応する。これはアレか。同担拒否か。


「あー!違います!式部の嫁はぽてとちゃんさんだって思ってますから!私はその、絵とか小説書いてます!」


YOU霊さん。彼女はいつもツブヤイッターでテンションが高いイメージだ。

昨日のツブキャスでも彼女のテンションが異様に高かった気がする。フォロワーが呟くといつも反応をくれて、仲の良い人も多い。


ファンクロではガチ勢ではなく、割とエンジョイ勢。ランキングも圏外が普通なくらい、自分のペースで楽しんでやっているイメージだった。




「なら次は……小亜さんよろしくね」

「はい。私は小亜です。ファンクロは微課金勢です。ツブヤイッターでは基本、イラストを描いてますね」


眼鏡をかけた女性が淡々と話す。

彼女が小亜さんか。ツブヤイッターでのイメージ通りだな。


「推しはエジソンです。初めて引いたURですし、可愛くて強いのでいつも使っていますね」


そう告げてぺこりと頭を下げ、小亜さんは席についた。……うーん、実に無駄の無い自己紹介だった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ