1-5
オフ会の情報を調べていくうちに、だんだんとファンクロに復帰したくなってしまう。
まだアプリは消していない筈……あった。
「……長い」
久しぶりにログインしたのでダウンロード時間が物凄く長い。きっと色々変わっているのだろう。
しかし、このファンクロというゲームは息が長い。確かスマホが主流になった時にはもうあったような気が……。
いや、もっと前にPC版があったような気がする。
「……お。ダウンロードが終わった」
それにしても長かったな。30分はローディング画面だった気がする。
「そうだ。どうせなら……」
久々のファンクロだ。ツブキャスで配信をしながらプレイしようか。
ツブキャスはスマホの画面配信も出来る。俺は所謂ゲーム実況というやつをやってみることにした。
しかもツブキャスで上手いことやれれば、ウィーチューブの方でもゲーム実況が撮れるかもしれない。その練習の意味もあった。
俺は早速ツブキャス配信をする。
しかしまだ夕方。フォロワーは……鈴木さんは見に来てくれるだろうか。
「……ドーモ。今日は久しぶりにファンクロをやってみようかと思います」
……お。今回はツブヤイッターで呟いた効果か早速閲覧が5名。
鈴木『山田ファンクロ復帰!?やったー!』
YOU霊『何ヶ月ぶりですか!?最終ログインが30日以上前ってなったままだったんで、もう引退しちゃったのかなって……』
漆黒の翅『待ってましたー!結構キャラクターも増えましたよ!』
ぽてとちゃん『【速報】山田復帰【すこれ】』
小亜『え!?なんで急に復帰!?』
皆、コメントを打つのが速いな。
しかし、ツブキャスで閲覧が5人になるのは相当珍しい。というか基本は鈴木さんしか見に来てくれないのだ。ファンクロの力は凄いなあと感じる。
「あー……ツブヤイッター見てたらその、ファンクロオフ会をやるって……。そんで、何か思い出したんで、久々にやろうかなって……」
俺が喋ると次々にコメントが書き込まれていく。
漆黒の翅『まさか山田さんがオフ会参加……ってコト!?』
ぽてとちゃん『【祝】山田オフ会参加【初参加】』
YOU霊『えー!?私も参加する予定だったけど、山田さん来るんだ!』
小亜『不参加予定だったけど仕事休んで行きます』
……いやいや。勝手に俺が参加する方向で話が進んでいるが、まだ俺は参加するなんて言っていない。
ただ俺は久々にファンクロに復帰したってだけで……
鈴木『山田が行くなら私も参加しようかな。迷ってたけど』
「……えっと、はい。オフ会、参加します」
……嗚呼。言ってしまった。
だって、つい。
鈴木『じゃあ私も参加する!楽しみ!』
こうして俺は人生初オフ会に参加することになったのである。
そしてオフ会に参加したことにより、俺の『その後』が大きく変わってしまうことは、今はまだ知る由もなかった……。
第二話に続く……