第一章・謎の遭難兵士?
場所・平原
瀬葉「松下と岩楯、あと、遠藤ぉ!」
瀬葉「ついてこい。援護は任せた。」
松下・岩楯・遠藤「はい!(おう!)」
瀬葉「…なぁ、あの格好どう見ても、兵士っぽいよな?」
岩楯「確かに、そう見えるな。」
瀬葉「武器は見えないけど、」
瀬葉「一応、警戒しといて、」
水島「了解。」
瀬葉「…行くぞ。」
場所・下車位置から数十メートル先
瀬葉「ちょっと迎えに来てくる。」
瀬葉「いつでも攻撃できるようにしろ。」
(駆け足で向かう瀬葉)
瀬葉「…ん?あれもしかして」
???「ふぃぁぁぁ!びヴぉいへっせめぇぇぇ!」
と、兵士は叫びながら走り寄ってくる。
瀬葉「…(何語だ?)」
瀬葉「つうか、やっぱりどう見ても…」
瀬葉「…女の子だよな?」
瀬葉「(しかも、恰好的に兵士?)」
瀬葉「(そして、なんだあのでかい丸い盾…?)」
瀬葉「(しかも、水色?光沢が見えるから、青銅か?)」
瀬葉「(いや、錆びたら光沢もクソもないな。なんだあれ?)」
その丸い盾は、兵士を膝から上が隠せるぐらいに大きい盾である。
そして、その盾は、水色の金属らしき物が使われているように見える。
金属特有の光沢が見える為、錆びた青銅ではなさそうである。
縁には、鉄のような金属がある。
装備は、革?装備で、スカートみたいな物もあり、
何故か片方だけ、脹脛の部分に例の金属の防具がついている。
その下には、少し厚めの布が巻いてあるみたいだ。
と、考えている間に女性兵士が目の前まで来た。
女性兵士「はぁはぁはぁ…」
瀬葉「(...わお、遠くだったからわからんかったけど、)」
瀬葉「(近くで見るとかなり美人だな。)」
女性兵士は、萌黄色の髪色で、肩ギリギリまで伸びている髪でくせ毛が目立つ。
そして、瞳は、ローシェンナよりの蜜柑色をしており、肌も白い。
そして、童顔だが、顔つき的に西洋人系に見える。
身長は、160cm弱ぐらいである。
瀬葉「ah...hey, Are you ok?」
女性兵士「あ~…」
女性兵士「けぇ、けらいっろーれい?」
と、女性兵士は少し困り顔で何か言っている。
瀬葉「(...うん、何となく察してた。)」
瀬葉「(だって、この人がさっき言ってたの確実に英語じゃねぇし。)」
瀬葉「えっと…どうしよ。」
女性兵士「おぉ...んんん…」
女性兵士も明らかに困ったという顔である。
瀬葉「(アメリカじゃNGだけど、招き手で通じるかな)」
瀬葉「(こっち来いの合図)」
女性兵士「?……おぉ!!」
どうやら、通じたようである。
瀬葉「お、これは通じるのか。」
松下「大丈夫そうですかぁ?」
瀬葉「あぁ!多分大丈夫だ!」
瀬葉「今そっち連れていく!」
瀬葉「(こっち来いの合図)」
女性兵士「…!にぁいぃ!」
と、女性兵士は明らかに喜んでいる顔している。
瀬葉「…と、取り敢えず、通じたのか?」
瀬葉「てか…にぁい?OKっていう意味か?」
松下「お、女の人だったんですね…」
瀬葉「みたいだな。」
岩楯「ほう…こりゃ美人さんだぁ!」
岩楯「てか、デケェ盾だな…」
女性兵士「あぁ…ってぃ?」
と、きょとんとした顔でちょっと頭を傾げた。
岩楯「…ま、まぁ行こうぜ。」
瀬葉「(何照れてんだこいつ。)」
瀬葉「…ん?おいちょっと待て。」
と、瀬葉は女性兵士の肩を掴む。
女性兵士「…ってぃ?」
岩楯「どうした?」
瀬葉「その人、右腕負傷してない?骨折っぽいんだけど。」
松下「…ちょっと見せて、」
女性兵士「…おゆっすってぃ?」
松下「…」
女性兵士「ふぃ、ふぃあ?」
松下「...これ骨折ですね。上腕骨で骨幹部ですかね。
松下「よく苦悶顔浮かべませんね。かなり痛いはずなんですけど。」
瀬葉「はぁ、マジか…秋鹿!」
秋鹿「はい何でしょう!」
瀬葉「この人骨折してるって本部に言って!」
秋鹿「了解!」
女性兵士「あ、あ~...」
女性兵士は、何やら戸惑っている様子。
松下「応急は...今のところ外傷らしきものはないし、本人平気そうなので痛み止めは大丈夫ですかね。」
瀬葉「そうだな。骨折は駐屯地に戻ってからにしよう。」
場所・高機動型偵察車内
女性兵士「おぉぉ…!おゆっとぉずってぃ!!」
と、女性兵士は車の運転席に近づき、ジロジロと見ている。
亘「ちょちょ、君!あんま近づかないでくれ!」
瀬葉「ほら、ちょっと危ないよ。」
と、瀬葉は女性兵士の肩を掴む。
女性兵士「ん…?」
と、女性兵士は周りを見渡す。
女性兵士「!しっふぉてぃ!」
と、言い、ちょっとシュン座り、申し訳なさそうな顔している。
瀬葉「…結構物分かりのいい人だな」
秋鹿「んふ、なんか可愛いですねこの人。」
瀬葉「取り敢えず、女性同士少し一緒にいてくれ。」
秋鹿「わかりました。」
秋鹿「ねぇねぇこっち!」
女性兵士「…?」
通じてない。
秋鹿「あ…んと…」
瀬葉「…んよいしょ。」
すると、瀬葉はいきなり女性兵士をお姫様抱っこする。
女性兵士「!!??ってぇ、ってぇらえおぉってぃぃ!!??」
と、女性兵士は驚いている。
亘「おぉ~」
瀬葉「よっと、」
女性兵士「んご。」
瀬葉「じゃ、秋鹿、あとは頼む」
秋鹿「え?あ、はい…」
女性兵士「あぁぁ…?わ、わちゃってぃ?」
瀬葉「よっと、」
岩楯「意外と、お前大胆だなぁ~。」
と、岩楯はニヤニヤしながら瀬葉の背中を軽く叩く。
瀬葉「何が?通じてなかったから抱っこしてでも移動させたの。」
瀬葉「プラス、あいつ右腕骨折してるし、しかも、でかい盾も持ってるから簡単に立ち上がれねぇだろ。」
と、瀬葉が呆れ顔で話すと。
岩楯「…お、おう、そうか。」
何故か、岩楯は「(;´・ω・)」みたいな顔をしている。
瀬葉「…あれ亘?進まないの?」
亘「あ!すいません。今行きまっす。」
亘「えぇ~遠藤さんどうっすか?」
無線(遠藤)「あ、おっけーです。」
亘「了解っす。」
女性兵士「んってぃ!?」
と、女性兵士はまた驚いた顔している。
女性兵士「おゆっとぉずってぃ…?」
亘「じゃ、進行開始!」
ブロロロロロロ…
女性兵士「お、おぉおぉ…きねぇろでぃ…」
秋鹿「な、なんか悟ったような顔してますよ...?」
瀬葉「...乗り物酔い?」
秋鹿「多分違います。」
場所・高機動型偵察車内駐屯地正門前
女性兵士「おゆっとぉあれふぃずってぃ…」
瀬葉「こちら瀬葉、正門に到着した。送れ」
無線「了解、既に医療班を待機させてある。送れ」
瀬葉「了。」
女性兵士「…?」
場所。中央館玄関前
(ドアを開ける音)
隊員「瀬葉少尉!」
瀬葉「…君たちが医療班?」
医療班隊員「はい!その、骨折というのは…」
瀬葉「あぁ、ちょい待ち、」
瀬葉「ほれ、立ち上がれる?」
と、瀬葉は女性兵士に手を差し伸べる
女性兵士「…?」
何も理解してなさそうな顔だが、左手を掴み、立ち上がる。
瀬葉「この人の右腕だ。上腕骨の骨幹部を骨折しているみたい。」
医療班隊員「骨幹部…?珍しい所を骨折してますね。」
松下「そんなに酷い感じではないですね。」
松下「触った感じ的に軽い粉砕骨折っぽいです。」
医療班隊員「成程、けど、今は保存治療しかできません。」
松下「いや、レントゲンが出来ないので詳しくはわかりませんが、
松下「大きな骨片は感じ取れなかったので、今はハンギングキャストでも大丈夫かと。」
ハンギングキャストとは、腕や手のギブスである。
医療班隊員「わかりました。じゃ今から包帯出しますね。」
医療班隊員「え~っとどこだ?…あ、あったあった。」
医療班隊員「では、少し失礼しますね。」
女性兵士「あぁぁぁ…あぁ、えごぉにぁい。」
医療班隊員「…え?にぁい?」
女性兵士は自分が治療されていると察した様子である。
司令官「よくやったお前らぁ!よく帰ってきた!」
瀬葉「あ、司令。」
医療班隊員以外は、敬礼している。
司令官「今は敬礼は要らん、下げろ。」
と、敬礼していた者は、下げた。
司令官「それで、あれが先ほど見つけた人間と?」
瀬葉「はい、ですが、やはり言葉はわかりません。」
司令官「それと、動物の件は。」
瀬葉「はい、これです。」
と、瀬葉のスマホで、動物の死体の写真を見せる
司令官「…確かに、見たことないな、この動物」
瀬葉「なので、今すぐにも解読をしたいのですが、良いでしょうか。」
司令官「かまわん、あと、今は上下関係はあまり気にするな。」
司令官「生き残ることであれば、なんでもやれ!」
瀬葉「わかりました。」
水島「なら、俺は図書室でその動物の調査をします。何かわかれば、報告しますね。」
水島「あと、瀬葉さん。」
瀬葉「あ、うん。なんだ。」
水島「調査は俺がやりますので、彼女の近くにいて下さい。」
瀬葉「いや、一人で大丈...いや、一人でもできるか。」
瀬葉「よし分かった。任せるよ。」
瀬葉「ほれ、うちのスマホ。」
水島「え?転送すれば...あ、そっか。」
瀬葉「ネットは繋がらねぇから預けるよ。パスは******だ。」
水島「えっと、******ですね?」
瀬葉「あぁ、それで合ってる。」
水島「わかりました!それでは!」
と、水島は、中央館にある図書室に小走りで向かった。
瀬葉「…ん?」
女性兵士「...(ジー)」
瀬葉「…(なんかめっちゃ見られてる。)」
何か要求でもあるのか、女性兵士は瀬葉をガン見している。
岩楯「あ、そいや、瀬葉、お前絵描けたよなぁ?」
瀬葉「え?…あぁまぁ、学生時代に学生ポスターの代表として一回選ばれたぐらいだけど。」
岩楯「なら、その画力を使ってあの子の言語解読に参加してみたら?」
瀬葉「...そうだな。できるだけやっとく」
秋鹿「なら、私も参加します。同じ女性同士なので。なんかわかるかもしれません。」
松下「なら、俺は警備に行きます。」
亘「俺もっす。」
遠藤「俺も」
忍山「私も!何もやれてないので…」
秋鹿「あれ、解読に来ないの?」
忍山「解読は、すみません!頭悪いんで...」
司令官「帰ってきたところ悪いが、各自自由にやってくれ。俺は駐屯地の管理と状況整理しとく。」
司令官「解散!各自やることやれ!」
と、警備の担当の者は、中央館にある中央館軍部に向かった。
瀬葉「じゃ、うちもちょっと、紙とか鉛筆とか必要なもん隊員寮から取ってくる。」
秋鹿「いや、丁度私も隊員寮館に行くと所なので、」
瀬葉「なら、いっそのこと座学室でやるか。」
秋鹿「そうですね。そうしましょうか。」
岩楯「んじゃ、俺は…」
女性「あ、あの、」
瀬葉「ん?どうした?」
転移時に体育館にいた女性研究員が来た。
女性研究員「生存日記を付けたいので、瀬葉さんと岩楯さんと、そこの女性の写真を撮りたいのですが、可能ですか?」
岩楯「あ~装備つけたまんまだが大丈夫か?」
女性研究員「あ、全然問題ないです!」
瀬葉「ま、記録ぐらいは残しておくか。」
秋鹿「あ、丁度あの人包帯まき終わったみたいですよ!」
秋鹿「今、連れてきますね。」
と、秋鹿は、治療が終わった女性兵士を連れてくる。
女性兵士「…????」
女性兵士はこの状況全く読めていないようだ。
瀬葉「(こっち来いの合図)」
女性兵士「……にぁい。」
と、女性兵士は、瀬葉の近くに来た。
瀬葉「よし。」
瀬葉「あ、じゃ撮ってくださ~い。」
女性兵士「?????」
女性兵士は、困惑しながらも女性研究員の方を向いてくれた。
瀬葉「(ホント物分かりがいいなこの人。)」
女性研究員「あじゃ行きますよ~」
女性研究員「3,2,1!」
カシャ!
女性研究員「はいおっけーです~」
岩楯「なぁ、どうな風に撮れた~?」
瀬葉「ついでに見るか。」
女性研究員「えっと、こんな感じです!」
と、三人が映った写真を見せた。
岩楯「おぉ、良い感じ。」
女性兵士「お、おゆっとぉずってぃぃ!?」
女性兵士は、またもや驚いた顔して三人の写った写真を凝視している。
女性研究員「え、えっと?」
瀬葉「あ~、まぁ気にしないでくれ。」
女性研究員「しっかし、この子、見た目からして、白人さんですかね?」
瀬葉「...まぁ、肌も白いし、顔立ち的にも多分そうだろう。」
女性研究員「ヨーロッパ付近ですかね?」
瀬葉「さぁ...?」
瀬葉「それと、」
何故か、周りの人たちは、火を焚く準備をしている。
瀬葉「...そっか。ここ平原か。」
瀬葉「...地味にめんどくさい場所だな。」
そう、平原は季節にもよるが、極端に気温が変わる地形なのである。
朝や昼は、丁度良い感じの気温になることが多い。
だが、夜になると異常な程寒くなる。
例えば、
モンゴル平原は、方角によって少々変わるが、
夏なら、昼は20度近く上がるが、
夜になると気温は平均5度以下になる。
因みに、モンゴル平原の冬は、地獄のような寒さが一日中続くそう 。
昼でも5度以下は普通だそうです。てか、マイナスが普通になるそうです。
秋鹿「あの、早く行きませんか?」
瀬葉「あ、そうだな。ごめん。」
瀬葉「ほら、来て(こっち来いの合図)」
女性兵士「にぁい」
第三章・異世界の文明
場所・隊員寮館座学室・太陽の位置的に薄暮らへん
※盾は置いてもらった。
瀬葉「…さてと、まずはこの人の名前を知る必要がある。」
秋鹿「確かに、名前分らないですよね。」
女性兵士「…???」
瀬葉「よし、ちょい待ち」
瀬葉は、取り出したノートに何か書いている。
瀬葉「よ、」
ノートには、「せはえお」と書かれている。
瀬葉「せは、えお、せはえお、(自分を指しながら)」
女性兵士「…?」
まだ理解できない様子である。
瀬葉「ん…まさかの通じないか」
瀬葉「...あきか」
秋鹿「あ、はい?なんでしょう。」
瀬葉は、またノートに何か書いている。
秋鹿「あの?」
ノート「あきか」
瀬葉「あきか」
女性兵士「…お~!!」
ようやく理解した様子。
女性兵士「アテーリ、ラリス!」
瀬葉「アテーリ・ラリス…成程」
女性兵士「(ニパァァ)」
満面の笑みである。
瀬葉「通じたのがそんなに嬉しいのか…」
秋鹿「てか、私の名前呼んだのそういうことですか。」
瀬葉少し困惑していると、アテーリは突然、瀬葉と秋鹿に人差し指を指しながら。
アテーリ「せは、えおぉ!あきか!」
と、名前を言ってきた。
秋鹿「んふハハ...なんか可愛いですね。子供みたいで。」
瀬葉「ハハハ、確かに。」
瀬葉「てか、この人何歳だ?」
秋鹿「...そういえばわかりませんね。ぱっと見同い年ぐらいでしょうか?」
瀬葉「それは解読してから聞くか。」
瀬葉「んじゃ先ず、文字ってあるのか。」
と、紙と鉛筆を渡す。
アテーリ「まろぉんがらんっま?にあい!」
瀬葉「にぁいって、やっぱOKていう意味か…?」
アテーリ「おぉ...べかーまろぉんぎぃー...」
アテーリは、鉛筆やノートに驚きの表情を出しながらも、書いた。
文字の書かれたノートを返した。
そして、書かれていたのが...
ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます!
良ければ、ブクマか☆評価をして頂けれると狂喜します(≧▽≦)
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もし、誤字脱字、間違った表現などが御座いましたら、ご一報下さると幸いです。