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春の受付嬢さんは憂鬱

作者: 冬波けい

閲覧頂きありがとうございます。

習作的なものです。

御評価などいただけると励みになります。

冬が終わり

花が咲き始め、徐々に暖かくなってくるこの時期

爽やかな気候のこの時期

気分も晴れやかになるこの時期


私は憂鬱である。

ああまたこのシーズンが来たのか、と


私は、この国の首都の冒険者ギルドで

受付嬢をしている。女性の職業の花形職である。


人々に脅威になる獣や魔が存在するこの世界で。

未知の物や希少な物を探したり

諸々の事情で困っている人々の

依頼を受け、対応する。

そういった人々を冒険者と呼ぶ。


そういった冒険者たちを

さまざまな依頼を

管理するのが冒険者ギルドである。



春になると、各地の小さな町や村で

冒険者をしていた若者たちが

いざ一旗揚げようと

依頼の多い都会へ来るのは

よく有ることで、まさに春の風物詩である。


よって、この首都の冒険者ギルドには

この時期は、地方から来た

冒険者たちがたくさん集まってくる。



初めまして。

僕は〇〇村から、昨日首都に来た××と言います。

冒険者になって約1年半になり

〇〇村で△級に認定されました

村では主にアレやコレなどの依頼を受け

そのあたりの依頼でしたら

問題なくこなせると思います。

何か僕に合った仕事を紹介してくれませんか。


と、話してくれれば

私としても、ああそれなら

現在このような仕事があります。

と本人に合った依頼を振ることができます。


まー本人の話は鵜呑みにせず

多少安全マージンの取った仕事を

提案するんですがね。



ですがね、ですがね

いるんですよ

ちょっと若者に罹りがちな病気を

かかえた方が

多くはないんですがね

シーズンに数名はいるんですよ。


昨日来た、病気持ちの方は

まだ軽い病状の方でした


冒険者になる方って

どうしても必要に迫られて、と言う以外は

大抵の人は、冒険者に憧れて

冒険譚に影響されて

冒険者の職に就かれます。



全身を真黒のプレートメイルで覆い

巨大な両手剣を携えた寡黙な戦士

人々に仇なす獣や魔をその剣をもって打ち払い

ついには最強の魔獣ドラゴンに

とらわれた王女を救いだす。

ぜひ伴侶にとすがる王女に背を向け

私にはまだ助けねばならぬ人々がいる

立ち止まる訳にはいかぬのだと

去っていく。


だれもが知る人気の冒険譚。


うん、良いですよね。

私も、そんな冒険譚に憧れた時期もあります。



ギルドに入ってきたのは

5割さわやか風5割キザ風の少年で

フルプレートまではいきませんが

鎧の部分は全部 青

鎧の下に着ているシャツやズボンも 青


あ痛たた


「フッ、お嬢さん。僕は〇〇の街で

”青の剣士”とよばれた、××だ。

僕に合う依頼を紹介してくれないか。」


はい、ツーアウト

でも、この手はまだまし

軽めな病気なのでシーズンに何人か発生します。

青だったり白だったり赤、黒、銀、などなど

金は見たことが無いけれども

大々々々先輩の元受付嬢さんが

1度だけ見たことがあるそーな



他にも

似たような病気で3日前に来たのが



僕はある貴族の庭師見習いをしている。

でも、それは表向きの顔

裏の顔はその貴族のお庭番衆のひとり

一人娘のお嬢様の警護を担当している

お嬢様はおてん…行動力があって

よくトラブルに巻き込まれる

また助けられちゃったね

お礼がしたいの名前をおしえてよ

正体を隠すためにマスクをしている僕は

ただこう答える

貴女が無事でよかった。私の願いは

貴女を守ること、ただそれだけだ…

僕は音もなく消えるように

その場から去っていった


ひゅ~~かっく良い~~


私を守る正体不明の存在。

実は身近な人だったなんてのも

冒険譚ではないけれども

主に女性に人気のある御話ですよね


マスクで顔を隠して

あきらかに偽名。

まー冒険者は登録の際

本名じゃなくても良いんです

偽名と言うのは聞こえが悪いので

冒険者名って言われてますけどね

マスク以外は大抵

黒っぽい服や黒マント



「オレの名前は××

困っている人達がいるならば

オレが手を貸そう

この”黒疾風の××”がな!」


うん、生暖かい目で見ちゃいますよ

お姉さんは。



そして今、目の前にいるのが


重 病 の 人 です



冒険譚や英雄譚、御話の中で

どちらかというと敵役側

正体不明で強大な力の持ち主

冒険者や英雄を追い詰める存在。



全身サーカスのピエロのような姿

死神が持つような大振りの鎌を持って

巨大なボールを器用に転がし跳ね移動する

赤・緑・白の格子柄のタイツを身に着け

顔は粉白粉をふき

目の周りを赤と青で色付けしている


「ひゃははははははははは

ワタシは××!

この世の悲しみを打ち消すものなり!

小娘!悲しみを背負ったものを

ワタシに教えるがいい!」





だれか助けてーーー




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