ー 本当だった はじめての旅行 ー (改)
諸事情により… ある程度一気に投稿しましたが、これからは一話づつの予定です、
これからついでに…、今までは 犬友等 犬仲間の話でしたが…
これから少しずつ ひなたの家族 飼い主一家の話になっていく予定です…。
だらだら 書いていますが、最後までお付き合い頂けたらうれしいです。
ー 本当だった はじめての旅行 ー
そういえば、俺がカイザーと最後に会ってから 保健所につれていかれるまでって
どのぐらいの間があったんだろうか、人間の服装がかなり変わっている。
カイザーを追いかけた映像は、カイザーが保健所に行った日から、
俺がカイザーと別れた日の夜へ、ご主人様たちが酒を飲んでいた映像へ戻っていた、
そこから 再スタートしたせいなのか、なんとなく服装が目にとまったんだ。
その後の早送りの映像はと言えば、小学校に入学してはじめての夏休みに入り、
弟たちが家にいることも多くなった…と思ったら、
あっという間に夏休みも終わって また俺はヒマそうにしてる、さすが早送り…。
そして 人間たちの着る服が カイザーが保健所に連れていかれた時のように、
何枚か 服を重ねて着ている そんな感じになっていった。
それだけカイザーを追いかけた映像は かなり先にまで映していたんだな…、
かなり長い間、ご主人様を探して お腹を空かせて探してたんだな アイツ…。
「また ひなた ひ…に…って…ふ…ね」
「あのな 天空、食べるか話すかどっちかにしないと わからないよ」
「はぁ~ だって ケーキが美味しくてつい…、それでさぁ…」
天空は 俺が独りでヒマそうって言いたかったらしいが…、それに…
「そういえば せっかくの夏休みなのに 弟くんたちもずっと家にいたね…」
「家に? アイツら 遊びに行ったり、買い物に行ったりしてるじゃないか」
「あぁ、それはそうだけど、夏休みと言えば 人間は 旅行 とか行くんだよ」
「旅行?」
小学校に送り出す俺の映像を見ながら、天空は夏休みの説明をしてくれた、
といっても これはあまり知らないようで、夏休みがあるってだけじゃ…な、
とにかく人間は この長く休めることを利用して、旅行に行ったり、
勉強したり いろんなことをするらしい、
しかも 春 夏 秋 冬、四季ってやつの 季節ごとに休みがあるらしい、
休みがあるのは、春 夏 冬 の休み…、あれっ? 秋はないの?
「なあ、秋には長い休みはないのか? なんか変なの」
「んっ… 言われてみればそうだね、考えたこともなかった」
「人間も もっと休めばいいのにな 犬 みたいにさ」
「見てきたと思うけど、人間も大変なんだよ…、いろいろあってさ、
そうか、夏や冬は季節としてはすごく大変な季節だから休みなんじゃないかな」
「大変な季節?」
「すごく暑かったり、寒かったりだよ」
「そうかもな… でも春は? 春はいい季節だ、あのサクラの咲く季節だろ」
「サクラは知って…って あぁ サクラさんのことでだね、サクラの季節ね
この休みの理由はわかるよ、年度って 卒業とか入学の切り替えがあるからだよ」
サクラさんか… 公園が変わってからあいさつ程度になっちゃったんだよな、
散歩が新しい公園に変わってから、しばらくは新しい友達が出来なくてさ、
ママさんがパートとかに出たから 近所の散歩も短かくなっちゃったし…
あの頃は 外で長く遊べるって ドックランが主に遊び場になってたもんな。
「あれっ 弟くんたち ひなたを抱えて すごく喜んでる」
「えっ?」
天空が映像を見て何かに気が付いたようだ 映像を再生に切り替えた、
この家の家族みんな そう俺も含めて何かを話していたところが映っていた。
「ホンと? ホンとに? やった~」
「でも、ひなたは? ひなたも一緒じゃないと ダメだよ 奏星」
「ひなたがお留守番…、 確かにそれはイヤだ どうしようママ」
「そうだね…ひなた独りじゃ可愛そうだね、パパに相談してみよう、弥月、奏星」
なんだろう、弟たちが大騒ぎしていたと思ったら、急に静かになって、
しかも ママさんと弟たちは まるでパパさんにおねだりをしているようだ。
「二人とも 毎日いい子にして、ひなたのお世話をちゃんと出来るか?」
「するっー!」
「するよ!」
「ママもします!!」
「……よしっ、なら みんな一緒だ!」
「やった~!!」
「何? 何が起こったの? みんな大騒ぎだね」
画面を見つめながら天空が俺に話しかける。
画面の中では パパさんに詰め寄ってママさんたちが何かをお願いしていた、
パパさんがお願いを聞き入れたようで、さらに大騒ぎになっていた。
「あぁ…、あれはたぶん…」
「いやっ、見る、やっぱり見る ねぇ しばらく再生にしていてもいい?」
「別に… いいけど…」
「やった~、じゃ再生っと…、でもさぁ ちょっとだけ聞きたいなぁ…」
「…って これは遊びじゃないぞ まったく… でもまぁ…、秋休み だな」
映像が切り替わった その映像では弟たちと俺はすぐに寝床に行ってしまい、
何で騒いでいたのかはわからなかった、パパさんたちを見ればわかるのに、
天空はあえてそれを見ないようにしてるようだ…、本当に何が楽しいのやら…。
映像の中で弟たちは、勉強に 散歩に お手伝いに、いつも以上に頑張ってる、
スゴく楽しみにしてるな、さっき 秋休みはないな…って話になっていたけど、
どうやら もうその日の前日だ ご主人様たちもお酒をやめて早めに寝たようだ、
これから先の映像は 間違いなく 俺たち家族の そう 秋休み の映像だ…。
「みんな~ 忘れ物はないな~」
「パパにちゃんとお返事しないと行けないよ、弥月、奏星」
「ないよ~ パパ」
「僕もないよ パパ」
「ひなたは…、大丈夫だな、じゃ 出発だ!」
「もうお散歩に行くの? ご主人様…」
なんだか外が明るくなってきたなぁ…って思ってたら、
いつもならまだみんな寝てるのに ご主人様たちが起きてきた。
なんか忙しそうにしてる、そういえば こういうことは前にもあったよな、
こういうときは だいたい独りで留守番することになる、
スゴく長く帰ってこないからなぁ、いない間 何をして遊ぼうかな、
ここのドアを開けたままにしてくれるといいんだけど…って思っていたけど、
僕も一緒なの? どうやら早く散歩に出るだけだったようだ、でも 珍しいな…。
「あれだけ騒いでたのに…、子供たち もう寝ちゃった 朝 早かったもんね」
「まぁ 渋滞に巻き込まれたくないからね…、ごめん ワガママ言って」
「そんなのワガママじゃないよ、でも よかったの せっかくの休みなのに…」
「えっ いいよ 別に、それに夏休みには子供たちに悪いことしちゃったからね、
そのお詫びにチケットもらったんだから せっかくだし 使わないと…」
人間が乗るのの中で弟たちはすごい静かになった、たぶん寝ちゃったんだな、
ご主人様たちはたくさん話してるけど、ドックランに着いたら何して遊ぼうかな、
でも… おかしいな… もう ついてもいいのに…。
「でも 優しい上司さんね、お詫びでチケットをくれるなんて」
「貰い物の使い回しらしいって…、まぁ 気にしてくれただけいいとするか」
「そうだよ、夏休みを潰したからって 有給もとらせてくれたんだから」
「そうだよな、感謝しなきゃだよな、でもさ 〈紅葉狩り〉の頃に…って、
オフシーズンもいいところなんだけど 子供たち楽しんでくれるかなぁ…」
「大丈夫、パパとひなたがいれば いつも子供たち ご機嫌じゃない」
「そうかなぁ…、でも そこに柚希もいないと…だよ、ひなたも大人しくしてるし、
まだ時間かかりそうだから 少し休みなよ、朝さ 大変だったんだろ」
「んっ~、ごめん そうするね、子供たち起きたら すごそうだから、
疲れたら交代するから起こして、無理しないでね 太樹くん」
ご主人様たちも静かになったな…、でも まだ大きな音はとまらないから、
ついてないんだよな、まだかなぁ… ドックラン、みんないるといいな…。
「痛いよ、その突っ込み 強すぎるって天空…」
ねぇねぇ…って言いたげに 天空は俺を軽く叩いてる、人間のおばさんみたいだ。
「ねぇねぇ チケットってさ…、ひなたも 行った先のことおぼえてる?」
「ああ おぼえてるよ」
「えっ、でも なんだかつまらなそうだね、そこ楽しくなかったの?」
「楽しいもなにも…、俺の目線で 見てみればわかるよ」
「えっ? 俺の目線 で…?」
映像のご主人様は、目的地に着いて弟たちを起こした、でも なかなか起きない、
そこで ご主人様たちは少し休むようだ、俺をキャリーバックから出していた、
近くを一緒に少し歩いている… 俺のトイレのためか…、そこまではよかった…。
「なるほど…」
「…だろ」
「ホンとに これじゃ… いいも なにも… だね」
「ずっと キャリーバックに入ってたんだ こういう時は仕方ないけどさ」
しばらく天空は俺に言われた通り 俺の目線で映像を映していた、
でも また元の映画のように切り替えた、まぁ、そりゃそうだろう。
でも 映像を切り替えたとたんに 俺たちは映像の中の弟たちのようになった…。
「スゴいな…、こんなところに 行っていたんだ 俺」
「ホントにスゴいね、いっぱい泳いでる 大きな水槽だね」
「なぁ、この家はなんなんだ」
「家? 家というよりここは施設だね ここはたぶん 水族館 だよ」
「水族館?」
この頃の俺は 水族館ってものを知らなかったし、よく見えなかったから、
狭いなぁ… まだかなぁ… ぐらいしか思ってなかった、でも こうしてみると…、
池や水槽にいるのよりも 大きな魚や見たこともない生き物がたくさんいた、
あの時よく見えなかったその先には…、こんなにもたくさんの生き物がいたんだ、
きっと 映像の中の弟たちと 同じような反応をしているんだろうなぁ…俺。
人間の世界って…、本当にスゴいんだな。
「うーん… 改めて見ると 水族館って…スゴいな」
「そうだね すごいね、画面の弟くんたちも 目がキラキラしてる」
「なぁ この生き物たちってさ…」
「そうなのか…」
水族館。天空の知識のお陰だけど、まだよく分からないから聞いてみたら…、
ここにいる生き物たちは 俺たちのように生まれてここに来たんじゃなくて、
ほとんどが 住みかから捕まえられて ここに連れてこられているらしい…。
「水族館 や 動物園 はね スゴいんだよ ちゃんとした目的があるんだ、
野生の生き物のことをみんなに見せたり 勉強したりするんだ」
「目的? 勉強って そんなに必要なのか?」
「んっ~どうかなぁ…、でもね、ちょっと待ってて」
映像を止めると 天空は立ち上がって また何もないところに行った、
また 何かをしている… 戻ってくると ソファーの前に立ち何かを始めた。
「ひなた これ見て」
「なんだ このボールみたいなの」
「これはね、ひなたの住んでるところを 小さくしたものだよ」
スクリーンの代わりにボールみたいなものが出てきた、これが俺のいるところ?
天空は教えてくれた、このポールみたいのにたくさんの生き物がいると、
ボールみたいなのの横にスクリーンを出して見せてくれた、
いつもの俺たちの住みかを、そして いつもいる町の中も、山の中も、水の中も…
そこには水族館で見た生き物のように たくさんの見たことのない生き物がいた、
そして…。
「野原…?」
「知ってたの? まぁ 野原というより ここは草原だね、ちなみに…」
「えっ~! そんなに俺のいるところは小さいのか!?」
天空は そのボールから俺がいるところを指で指し示したんだが、
それより もっともっと小さいと 隣の映像を動かしながら教えてくれた、
「人間はこれを 地球って呼んでる さまざまな生き物のいるところ、世界って」
「……せ…かい…」
「そういえば ひなたは 世界 って言葉を知ってたね」
天空は やっぱり俺の心を覗いていなかった、母さんと話した世界の話、
お話してね…って、もう 母さんに会うことも出来ないのにな…、
いろんなこと知って こんなにも世界は広い… あっ これが勉強ってことか。
「ひなたも映像を見たでしょ、あんなにたくさんいる生き物がいるんだよ、
本物を見て勉強する為に 大きな施設で飼う 飼育しているんだ」
「でも その為に 無理やり この住みかにつれてこられたんだろ…」
あぁ また 人間の都合なんだな…、見るためか 勉強なら映像でもいいのに。
「そうだけど…、けど 連れてきた生き物を捨てたりしないで大切にしてるし、
それに勉強を生かして 生き物の 保護 や 返す ことに役立てるんだよ」
勉強を生かす? 保護? 返す? どういうこと? 天空は教えてくれた、
ひなたのように人間と暮らしているのが 家畜とか愛玩動物って
鳥とかのように人間と暮らさないのが 野生動物 って 人間は呼んでいると。
「飼われている生き物は、人間に ごはんはもらえる 用意してもらえるよね、
だけど 野生の生き物は ごはんを自分で用意しないといけないよね」
「用意を…自分で?」
水だって ごはんだって人間が出してくれないと自分では用意できない、
出して見ようとしたことがあったけど、噛んでも 引っ張ってもダメだった。
「自然には人間がくれるようなものはないから、自分で取る、〈狩る〉んだ」
「えっ 狩る?」
「植物を食べる生き物もいるけど、狩るって…、自分よりも弱いものを…食べるんだ」
「それって…」
「生きる為にはごはんを食べないといけない、それはどんな生き物も同じでしょ、
だからね… 昔の人は… 昔の人間は 野生の生き物を狩っていたんだ、
今でこそ 少なくなったけど、でも 今でも それは… 続いている」
だから野生の動物たちは 〈人間は怖い〉 って教えるんだ、
人間に近づき過ぎると 生きていけないと そう教えるんだ、
ずっとずっと前から、子供たちにそう教え続けることで 身を守っている、
たとえそれが優しい人間でも 人間に近づかないようにするために。
「でも それは昔の話だろ、今は ちゃんとごはんがあるじゃないか、
ご主人様たちも 他の人間も そんなことはしてないぞ」
「でも、人間にも イジワルなヤツはいる って言ってたよね」
「ああ、でも イジワルなヤツは確かにいるけど そんなことはしないぞ」
「確かに食べないけどさ…、そのイジワルなヤツって どうやってわかるの?」
「なんとなくだけど…」
「んっ~ なら… ひなたは デュークくんの飼い主さんはどう思った?」
デュークくん… デュークくんの飼い主は 笑いながら裏でひどいことをしてた。
…人間は見た目では判断出来ないってこと? どんな人間なのか分からないから
だから危険な目に合わないようにって 人間はみんな怖いと教えるの?
本当は仲良くできるのに…、優しい人間もたくさんいるのに…。
「野生の生き物も みんな人間からごはんをもらえば 優しいってわかるよ」
「そうなれば 幸せかもね…、でも 世界は広い あれだけ生き物たくさんだと…」
「そうだな…、みんなには無理だよな」
もちろん まったく野生の生き物が人間と仲良くなれないんじゃない、
例えば 水族館の生き物がそうだ、仲良くできることもあると天空は教えてくれた。
野生に暮らす生き物は、人間を恐れて人間と暮らすことはほとんどない、
暮らすこともできるけど、人間もそれをあまりしない、それがよくないからだって、
人間と長く暮らしてしまうと 野生の生き物は、人間に与えられることになれて、
自然で生きていけなくなるんだ、勉強してそれが必要と知った そんなふうに…、
そしてボールみたいのを消して 元のスクリーンを出すと また映像が始まった。
映し出された映像の中で 水族館の生き物たちは生き生きしていた、
元気のないものは 人間が心配そうにしながら 懸命に世話をしている、
やっぱ仲良く出来るんだ…、人間たちに とても大切に育てられてるって
見れば分かるよ でも…。
映像の俺が バックに入ったままだから 余計にそう思ってしまうんだろうな。
もっと広いところを 自由に泳ぎたそうだなぁ…、 って…。
映像は 水族館の建物の外に出たところが映し出されている、
弟たち スゴく楽しそうだ…、行った先で イルカショー がはじまった、
それから 次から次に出で来て色んなことをする生き物を、弟たちは見いってる、
キラキラと目を輝かせて… 回りが見えないって言うぐらいに。
ショーに出てる生き物たちは 飼育員 の人間がとても大好きなようだ、
人間も 命令 こそしてるけど、とても生き物たちを大切にしてるって分かる、
とても飼育員を信頼してるって分かる…、俺とご主人様みたいだ …でも。
「ひなた ひなた大丈夫? 少し休む?」
「あっ ごめん ちょっと考え込んじゃった」
「えっ 何か 解らなかった? 僕が役にたつなら…」
「あっ 大丈夫、大したことないから、ごめん ちょっと映像を止めるぞ」
俺はソファーから降りて、さっきから使ってる水を入れる容器を咥えると
天空のところに持って行った。
「天空 水をくれないか?」
自分で用意しないといけないか… ただ 水を飲みたいだけなのに、
こんな風に入れ物に入っていたら 俺は人間に頼まないといけない、
この容器に中身が入っていたら それだけ自分の好きなところに持っていけない、
犬では… 犬の手では出来ない、人間なら簡単に出来ることなんだ…。
もし 俺が人間に飼われていなければ、そうか カイザーのように飲むんだよな、
毎日 食べ物や水を探して歩き回って、見つけたり、もらったり…、そういえば、
カイザー だんだんご主人様を探すよりも 生きるのに必死になってたよな…。
自然にいても、人間のそばにいても 生き物は 人間に従うしかないのか?
「はいっ どうぞ…、ねぇ 本当に大丈夫 ひなた」
「ああ…」
「水族館の生き物 好きになれなかったの?」
「いや、ちょっと… 俺たちと一緒だなぁ…って思ってさ」
「海の生き物 と ひなたが? 全然 違うのに…」
変なことを言った俺のことを 笑い飛ばすと思ったが…、意外だった、
驚いた顔をした…と思ったら、なんだか ちょっと考えているようだった。
「なんてな、ほらっ 続き見るぞ 俺は早く帰るんだからな」
考え込んでるのは きっと天空が約束を守ってるからだよな…、
俺の頭の中を覗かないって約束、コイツなら 天空なら大丈夫だ…。
水を入れたあと 天空はソファーに座り直していた、俺もその横に飛び乗った、
そして映像を 再生をスタートした。
映像を見ながら 俺は天空の手に自分の手をのせた、
同じには出来ないけど、弟たちが初めて俺と手を繋いでくれた時のように…、
考え込んでいた天空を見てたら そうせずには いられなかった。
お前が俺のことで そんな顔をする必要がないんだよ、
泣いてほしくないんだ 笑ってほいしんだ…、俺は大丈夫だよ 天空。
“すごーい すごーい ねぇ 泳いでいい? ママ”
“ホンとだ テレビとおんなじだ 水がいっぱいだ~!”
俺たちは 映像を見ながらたくさん話しをしてたのに 急に黙ったせいで、
そのせいで映像の中の 興奮していっそう大きくなった弟たちの声が響き渡った。
その声に 俺たちはまるで 我に返ったように 画面の映像に目をやった。
そこには…。
「キレイだね… 太陽の光でキラキラしてる」
「そうだろ、この時さ 俺 はじめて見たんだ」
画面の中の弟たちは大騒ぎして怒られてる…、一通り怒られた後に弟たちは、
過去の俺をキャリーバックから出そうとしていた…。
あぁ~ ようやく出られた、なんだか長く入れられててちょっと疲れちゃった。
あの狭いところから出てみると 弟たちは何だかすごく興奮してるようだ。
「ひなた、見て見て おっきい砂場だよ、砂浜って言うんだよ~」
「あまり遠くに行っちゃダメよ、それに奏星 絶対 泳いだらダメだからね…」
「えっ~ 足をつけるのもダメ? ママ」
「ダメだそ 海水は冷たいから 風邪を引いて おっきな注射 打たれちゃうぞ」
「ちゅ 注射!? やだ~ 注射やだ~! じゃ やらない 行こう弥月」
「待ってよ 奏星、行って来るね パパ ママ」
「二人とも 気をつけて あと ひなたを驚かせちゃだめよ」
「はぁ~い」
「じゃ 弟たちと遊んでくるね ご主人様たち」
なんだか興奮していた弟たちはご主人様に何かを言われておとなしくなった、
俺を抱えて動き出した、でも いつものようにひもをつけられたから さんぽ だな。
「…えっ」
「どうしたの ひなた 行こうよ」
さんぽと思っていたんだけど…、しばらくして下に下ろされたんだけど、
知らない匂いだし、いつもと違って硬いところを歩かないみたい、ここはどこだろう。
「本当に… あったんだ…」
ドックランでも みんなと遊ぶところでもないな、
歩いているところは 公園にある 入った怒られるところに似ている、
思わず匂いを嗅いで 下ばかりを見てしまっていた、
弟たちに引っ張られるようにして顔を上げて 気がついた これって これって。
「母さん…、母さんが言ってた通りだよ、大きな水溜まりだよ… 海だ~!」
……叫ばずにはいられなかった。
母さんがどこにいるのかもわからないのに、叫んだって伝わるわけないのに、
それなのに、この大きな水溜まりを見たとたんに 母さんを思い出した、
母さんとのわずかな思い出…、もうすっかり思い出すことも なかったのに。
「海が気にいったの? ひなた 近くにいってみる?」
「ダメだよ 奏星 そっちは濡れちゃうよ」
「大丈夫だよ 弥月 ちょっとだけだから、ほらっ ひなたも着いてきてるよ」
「もう… ちょっとだけだよ 奏星…」
なんだろう…、大きな水溜まりに近づくと 何だか音が大きくなる、
どうなってるんだろう…、水が勝手に動いて…、でも 川とは動きが違う感じで…、
それに なんなんだろう 水なのに いつもの水とは匂いが違う…、
そうだ 住みかからここについて 最初に狭いところから出たときの匂いだ。
「ほら 弥月 すごい 本当に冷たいよ パパが言ってた通りだ」
「あっ 怒られるよ 奏星、…ひなた ダメだよ 濡れちゃうから こっちに…」
弟が水の方に向かって歩きだした、僕も近づいてみようかな。
「そうだ のどが渇いたし ちょっと飲んで…、わっ なんだ これ!」
「あっ ひなた ダメだよ ダメだったら…」
「あれっ! 足がとられる…」
「わっ 波が」
「危ない…」
飲んだ水が変な味がして、離れようとしたら 水がザバーンってきて…、
「わ~ん ママ 冷たいよ~」
「冷たい、冷たいよ~ パパ~、助けて~」
「なんだよ この水 なんなんだよ」
「はぁ~ お前たちが ひなたを驚かせたからたぞ… まったく…」
いっぱい濡れちゃったら ご主人様たちが来てくれた。
ごめんなさい、でも ここ歩きにくいから、弟を連れて逃げられなかったんだ、
あ~ でも なんだよ なんか体がベタベタする…。
「あ~あ、弟くんたち 濡れちゃったね ひなたも」
「あぁ、あの時は弟たち大泣きで大変だったんだ、でも こんなだったんだな」
映像は 波打ち際で遊んでいた 俺たちが大騒ぎにしている姿を映していた。
俺 あの時 何が起こったかわからなかったんだ、映像を見てはっきりした。
砂浜を散歩していた俺たちは 波打ち際まで近づいた、そこまではよかったんだ。
あの時 興味本意で俺が海の水を舐めたのが それがまずかったんだな…、
水はしょっぱいか…それで、ビックリして あわてて そこを離れようとして
砂でうまく歩けなくて 俺はバランスを崩した…。
波打ち際で 海水を触って遊んでいた弟たちだったが
急に離れようとした俺に引っ張られて、俺と同じように砂に足をとられて、
バランスを崩して膝と手を付いてしまったようだ、そこに…大きな波が来て…。
「これ見てると 俺が悪かったようだ…、弟たちに悪いことをしたなぁ…」
「えっ 砂浜のせいじゃない? いつもの散歩ならあれぐらいで転ばないよ」
「そうならいいんだけど…、それに あれ…波か? スゴいな あれっ」
「たまに大きな波が来るらしいね、手を着いたときだったから、…やられたね」
急に波が…水がたくさんきて みんなはビックリして さらにバランスを崩して、
しりもちをついてしまった まるでそこを狙ったかのように…波が、
そのせいで 弟たちは結構 派手に濡れてしまっていた。
転んで濡れたことに泣く弥月、注射を怖がる奏星、体が濡れたことを嫌がる俺。
映像の中の弟たちは大泣き、ママに怒られ、パパになだめられ、もう大騒ぎで…、
でも 俺だけが言葉が違うから たまに噛み合ってなくて なんかズレてた、
人間のことが分かったからだけど 俺は家族でも やっぱ 犬 なんだよな。
まぁ いいか、こんな大騒ぎを見ていたら… 考え込むよりも 笑う方が先だよな、
この映像のお陰で 天空はちょっと元気になったようだ。
こうして改めて見ると…、なんかいいな… みんな一緒で… みんな家族で…、
映像はさらに続いている、あの頃を…楽しいあの頃を続きを映し出していく。
「二人とも、いい これからきちんと言うことを聞いて いい子にするのよ、
そうしないと もう帰るよ」
「聞くよ 聞くから… 注射イヤ~! わ~ん」
「うわ~ん、ごめんなさい ごめんなさい」
「ごめんよ 兄ちゃんが悪かったよ、だから泣かないで…」
弟が僕を抱き上げた、もう泣かなくていいからね 大丈夫だよ、
僕は弟の頬の辺りを舐めてあげた、何だか変な味がするけど… 平気さ弟の為だ。
「ひなたが許してあげて…って言ってるから、許してあげようか ママ」
「そうねパパ 二人とも、もうイタズラしないのよ いい?」
「はぁ~い ごめんなさい」
「ごめんなさい、パパ ママ、ひなたも ごめんね…」
「大丈夫? 一緒に遊んであげるから 機嫌なおしてね…」
「んっ? どうした ひなた 何かあるのか?」
ようやく 弟たちは泣き止んだようだ でも 俺の体 濡れてるから…って
そういえば 弟も濡れてたよな、あれっ ちょっと冷たいかも…。
「ねえ パパさん 弟の体が冷たくなってきたよ、暖かくしてあげて…」
「パパ… 冷たくて… 寒いよ…、 ひなたも 冷たくなってるかも…」
「大丈夫だよ 全然 平気だよ」
「ホンとか~奏星…って 冷たいじゃないか! 大変だ 風邪引いちゃうぞ」
「冷たくないもん、だから風邪引かないもん、注射イヤだー 注射しないー!」
「大丈夫よ 弥月 奏星、早く着替えて暖かくすれば、注射しなくても」
「ホンとに…」
「急がないと間に合わないかもよ、だから 海は終わりね」
「はぁ~い…」
「ひなたも、ひなたも風邪引かない? 大丈夫かな ママ」
短かったけど もう散歩は終わりみたいだ、でも それでいいや、
早く住みかに帰って暖かくしないと 弟たち 寒くてで具合が悪くなっちゃう…。
…て思ったら、帰ったのは いつもの住みかじゃなかった。
「なぁ、ここってさぁ… えっと… ホテルってやつなのか?」
映像は 大急ぎて車に乗って海から離れて 知らない家に着いた。
「う~ん…、ホテルとか旅館ではないよ…、詳しく説明は出来ないけど…」
「さっきまで 答えられてたのにな…」
「見たり聞いたりしたら知ってるけど、旅行のことはあんまり知らないんだ…」
だって 僕 見習いだし、子供だから って ちょっと言い訳してたけど、
教えてくれたのが、別荘 とか ペンションってところ、だそうだ、
ホテルと違って 家みたいに泊まれるところらしい…、
「誕生日って訳でもないのに大騒ぎだね、さっき泣いてたのが嘘みたい…」
「ホンと スゴい大騒ぎだったよ、まあ 俺はまったく見てなかったけど」
「そうだね…、違う意味で ひなた忙しそうにしてる…」
その日に泊まるところ着くとすぐに 弟たちは体を暖めるために風呂に入った、
俺は毛布にくるまれていたんだが… 弟の後に 俺も苦手な風呂に入れられた、
それから 同じ部屋にいたんだけど…、まぁ そうだよな。
遠出したら 人間は遊びに忙しいんだろう、でも 俺も違う意味で忙しかった、
映像の俺は知らないところにきて、色々 調べるのに忙しかったんだ、
ほら 人間だって 新しいとこに行ったら いろいろ開けて調べてる…、
やっぱ匂いを嗅ぐって…、これは犬としてどうしてもやらないといられないんだ、
あまり その家? の中は移動させてもらえなかったんだよな…。
「俺は犬だから、どうしても匂いを嗅がずにはいられないんだ…」
「匂いを嗅ぐと安心するの?」
「まぁ… そんなところだよ」
映像の中では、 大騒ぎした弟たちと、またさらに一緒に遊んでる、
ご主人様も参加して、あんなに楽しそうに…、そうだ この時か…。
「さぁ…、ごはんも お風呂も終わったし そろそろ おやすみなさいして」
「イヤだ、まだ遊ぶ~!」
「僕も眠くないよ、ひなたともっと遊ぶ」
「さっき いい子にするって パパたちと 約束したろ」
「やだっ~、まだ 眠くないもん」
「二人とも さっき びしょびしょになったろ、だから早く寝ないと、
お熱が出て 注射されちゃうぞ~、だから 早く寝なさい」
「えっ~ 注射~! やだ 注射やだ~、もう寝る~ 行こう 弥月」
「…いいもん、注射されても我慢するもん! だから ひなたと 遊ぶ!」
「奏星は寝るって言ってるよ、いいの弥月」
「行こうよ弥月…、ひなたとは また明日 遊べるよ…」
「どうしたの… 元気ないの? 元気ないなら早く休みなよ…」
「ひなたが離れたくないって…、パパ… ママ…、」
「… しょうがないなぁ…、いい? パパ」
怒られたから? 元気がないから? とりあえず弟たちはもう寝床に行くようだ、
ほらっ、僕も寝床まで着いていってあげるから、きっと寝れば元気になるよ、
起きたらまた遊ぼうね…。
「いい 今晩だけだからね…、おやすみなさい 弥月、奏星」
「おやすみ パパ ママ」
「うんっ わかった、おやすみなさい」
「えっ、僕 ここに乗っていいの、ここにいてもいいの?」
服を替えて弟たちはもう横になって眠るようだ、その方がいい 元気になるから、
でも いつもなら 僕は自分の寝床につれていかれるのに、
ご主人様は いつも 乗ったらダメって怒られる 人間の寝床に僕を乗せると、
弟たちと僕を置いて、寝床を暗くしてドアを閉めてしまった。
…でも いいの 僕はここにいてもいいの? 弟たちはと言えば、
怒ることもなく 僕をなでている、じゃ 僕はここにいてもいいんだね。
「明日は長距離運転がないからゆっくりできるし、飲もうよ 太樹くん」
「そうだね柚希、でも 先にいろいろ仕入れておいてよかったね」
「そうね…まさか あんなに見事にみんな濡れるとは、
結局 お昼ごはんも食べずに ここに来ることになっちゃたもんね」
「でもさ… 海がイヤな思い出にならないといいけどな…」
「まぁ あの二人なら 大丈夫だと思うけど…」
ドアの向こうでご主人様たちが何かを話してる…、これから またごはんだろう。
「明日は 子供たちがイヤな思い出を忘れるくらい 楽しい思い出いっぱい作ろう」
「そうね 明日はいっぱい遊ぼう、そういえば… 私さ ちょっとビックリしたよ」
「えっ、何か驚くことがあった?」
「弥月のことよ、あの弥月が あんなにはっきり嫌がるななんて…
ここに来てよかったかもって思ってね」
「そうだね 確かに珍しい、いつもと逆で 奏星じゃなくて 弥月が…だもんね、
思わず柚希が ひなたと一緒に寝るのを許したのも わかる気がする…」
もう弟たちには声は聞こえないだろうな、ご主人様たちがだんだん声が遠ざかってく、
…弟たち もう寝てしまったようだ、暗くなったばかりなのに もう静かになった。
「これって あのときみたいだな…、はじめて弟たちに会ったときみたい…」
静かになった弟たちに挟まれるようにして 俺もそのまま眠りについた…。
「弟くんたち 大騒ぎだったね、そういえば旅行ってはじめてじゃない?」
「そうだな、旅行ってヤツは はじめてだったかもな」
映像は 双子の弟たちと過去の俺をひとつのベッドに寝かしつけて、
ご主人様たちは、やっぱり 何かを話ながら 二人でお酒を飲んでいた。
“あれだけ子供たちが喜ぶなら もっと早く旅行に連れてくればよかった…”
“その事については… ごめんね 私のせいだ” って、
どこに行くとか 何をしようかとか、どうやら 明日の話をしているようだ、
最初の予定では、水族館以外は ここでゆっくりするつもりだったらしい、
でも どうしたんだろう。
“何でユズのせいなのさ、この間も話したけど 悪いのは事故の加害者だろ”
“だって、私が巻き込まれなければ 子供たちだって…”
“ユズがあの時 守ってくれたから 子供たちは元気に生まれたんだし、
今も こんなに健康的に育ってるじゃないか、だったら俺の方だ…、ごめん”
“そんなことないよ それこそ加害者が悪いんだよ、無免許なんて…最低なヤツ”
“とりあえず、足りなかった入院費とかが やっと落ち着いたんだ、
俺 もっと頑張るよ、毎年 旅行できるように… 子供たちの為に”
“いつも ありがとう太樹くん”
“こちらこそ ありがとう これからもよろしくな 柚希”
って話してる…ん…だけど…、うーん……。
そんな風に話をしているんだけど…。
「ごめん 天空 ご主人様の言葉 解らないことだらけなんだけど」
映像のご主人様たちの話は なんだかわからない言葉だらけで…、
どうやら 弟たちが生まれた頃のことも話しているようなんだけど。
「…うーん…僕にも難しいよ…、でも 〈無免許〉って言ってたから…」
天空の話によれば、たぶん ママさんと弟たちは 車の事故にあった、
その時にお金が必要になって ずっと払い続けていた、
そのせいで なかなか旅行にもこれなかったんだろう…ということらしい。
「ひなたが行ってる 動物病院にも 食べるごはんにも お金はかかるんだ、
たぶん 事故でママさんたちも 病院に行ったんだよ」
「分かるような… 分からないような… 危ないのは 分かるんだけど
一応 事故ってどういう…」
「今回はね…、車が走ってて ママさんにぶつかった ってことだと思うよ」
「……マジか!!」
実際 俺たちは見たわけではないから どういうことか想像がつかなかったが、
走ってる車にぶつかったって思うと…、車… 俺たちだってアレには注意してる。
「生き物の中でも 道具を使うものは限られるからね、イヤな話だけど
そういうことも 起こっちゃうんだろうね」
「限られる?」
「そうだよ、ほらっ 空を飛んでる鳥だって、池や川に泳いでる魚だって、
道具は使わない、お金も使わないで生きてるでしょ」
道具か… 確かにそうだな、人間はいろんなものを使うなぁ、
その道具があるから 水族館の生き物たちは狭いところに入っている。
映像は次の日になっていた、弟たちが泊まっているところを出たところだ、
どうやら また海で散歩しようとしているようだ、もちろん過去の俺も一緒、
俺は 地元の猫にちょっかいをだされていた。
「なぁ 天空 あの生き物 ネコってさぁ…」
「ネコちゃん? あのネコちゃんは野良猫かなぁ…、それとも飼い猫かなぁ…」
「ノラ? カイ?」
ネコには 家がなくて複数の人間のところに行って泊まるネコや、
家があっても ごはんだけいろんな人間からもらっているネコ、
飼い主の家だけを住みかにするネコ… いろいろな暮らしのネコがいるらしい。
「半ノラって言うみたいだね、ネコちゃんは 自由だから」
「半ノラ? ネコはなんで そんなに自由なんだ? 人間に捕まらないのか?」
「ネコだって捕まるときもあるよ、そういえば 半ノラ…って言えばね…」
人間のなかには、野生の生き物を ペットとして飼うものが出てきたそうだ、
もちろん飼っちゃいけない、飼えない野生の生き物もたくさんいるだけど、
でも 野生の生き物が 少しづつだけど人間に近づいて来るようになっている、
野生の生き物なのに 人間を恐れず ゴミをあさったり ごはんをもらったり。
「珍しい 貴重、そんな理由で捕まえられて、飼われている生き物がふえたんだ、
その 生き物たちが ずっと飼われてればいいんだけど…」
飼われていた生き物が、捨てられたり 逃げたりして、自然に帰ることがある、
そうやって戻ったからって 違う場所で すぐに元通りになる訳もなくて…。
「そんな中でも 頑張ろうとする生き物もいるけど、いつもお腹を空かしたり、
うまく 暮らすことが出来なくて弱ってしまったり、それだけじゃないんだ」
「何があるんだ?」
「連れてこられた生き物が 元々いた生き物とごはんの取り合いをしてりして、
元々いた生き物のほうが弱いからって…さ、ごはんが食べたかっただけなのにね」
「取り合い? そうなったら どうなるんだ?」
「ごはんが食べられなくなったら…、わかるよね…」
ごはんがうまく食べられず弱ったり、同じ 違う 生き物同士で争ったり、
人間にねだったり…、中には ごはんをくれないからと人間を襲う生き物まで。
確かに、生き物どうしで傷つけたり、人間を傷つけたりしたくはないな、
それに もし その生き物の行動が 人間に迷惑をかけるとみなされると…。
「カイザーみたいになるのか?」
「そうだね…」
野生化。 自然に帰って生きようとした犬たち…。
野犬と言われるようになって、人間を…。
野犬って ただ迷子になった犬のことじゃなかったのか。
野生の生き物だって、人間の都合で連れてこられて、怖くて逃げたり、
怖いけど それでも 人間と仲良くしようって思ってたら、捨てられたり、
住みかから勝手に連れてこられたのに、なんでそんなつらい思いをするんだ?
連れてきたなら 人間が ずっと可愛がってくれればいいだけでいいのに…。
「カイザーも野生の生き物も 半ノラになればよかったのにな」
天空が言うには、犬も野生の生き物も そのままには出来ないそうだ、
人間に病気をうつすことがある、だから 野生の生き物にはむやみに近づかないし、
飼い犬はしっかりとした管理されている、注射もその一つだそうだ。
だけど 猫はそれほど管理が必要じゃないそうだ。
もともと人間と一緒に暮らしてた生き物だし、
ある程度 自由にしても大丈夫らしい。
だけど猫でも、犬のように噛んだり、病気をうつしたりとかで、
危険だと、そう 人間に問題があるとなったら 捕まえる、それに…。
「連れてこられた野生の生き物は ペットたちのように何が危険がわからない、
だから勉強がいかされるんだ、人間のために、その生き物のために」
生き物たちは、自然に傷ついたり、人間に怪我をさせりたり、
いろんな理由で保護されて 人間のもとに連れて来られる、
でも、なんで具合が悪いか解らないと、その生き物を救おうとしても救えない、
だから 水族館のようなところは、勉強をしたりそれをいかしたりしているんだ。
ただ 生き物は 普通に 自分の好きに暮らしたいだけなんじゃないかなぁ…、
でも、人間に連れてこられて、それで いつも何かを心配して怯えていた…。
俺 もう忘れてた… いつ 捨てられるかなんて 考えることはなくなっていた。
あぁ…
“人間につながれて守られる” のと “自分を必死に守って自由に生きる” のと、
いったいどっちが幸せなんだろうな…。




