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人間になりたかった犬  作者: 仁咲友希
4/20

ー 再戦…!? そして 再会 ー (改)

この作品は一度完結した作品です、あまりにも読みづらいのでこの章から編集し直しています。

この章からの訳は、最初に投稿した日を上書きしないためです、ご了承下さい。



ー 再戦…!? そして 再会 ー 



僕は弟たちと 人間たちの住みかで探検がたくさん出来るようになった。

弟たちは大きな人間と違って 僕と同じように手を床について歩くんだ、

やっばり 僕が兄ちゃんとして しっかり教えたからだな、

だいぶ上手く歩くようになったな…って思っていたのに…、いつの間にか…。


「ねぇ、パパ 見て 見て、弥月が立ち上がりそうよ」

「ホントだ ちょっと待って 待ってくれ、ビデオ ビデオで録画するから~」

「立った~ すごいぞ弥月」

「立った 立った~、すごい! 頑張ったね 弥月」

「次は奏星の番だな すぐに弥月に追い付くよな 奏星」


弟が乗ったらダメだってところを掴んで、大きな人間のように立ち上がった、

頑張ったけど立ち上がれなかった方の弟は 頭をなでられると抱き上げられた。

僕だって立ち上がれるよ、でも僕はお兄ちゃんだから誉められなくたっていいよ、

でも、大きな人間にいっぱい誉めてもらえて 弟たち…いいなぁ…。



それからしばらくして、なんだか家族全員で さんぽ に行くようだ、

なんか久しぶりだなぁって思ったら、僕は狭いところに入れられてしまった、

何で? 僕は連れていってくれないの?

でも みんなで さんぽ に行くのは確かだ、人間たちは行く用意をしている、

見えない…いつもより遠くかなぁ 僕だけ狭いところに置いていかれるのかなぁ。


「さぁ みんな着いたぞ、さっさと終わらせて遊びに行こうな ひなた」

「何? ここはどこ? 新しい遊ぶところ? ねぇ 僕も行きたい 出して」

「ねぇ パパ 私 子供たちと どこかで待っててもいいかな…」

「そうだなぁ まだ子供たちには早いかもね…、カフェでも行っててよ」


僕も狭いところに入れられたまま 連れていってもらえたんだけど…。

人間たちは別れるようだ、弟たちと小さい人間は離れていなくなった、

それにしても、何でだろう 一緒にさんぽすればいいのに。

僕は狭いところに入れられたまま、大きな人間に運ばれていた。


何か人間が話してる 何を話しているんだろう…、それより…だ、

ここは何かいろんな匂いがする… それからいろんな話し声も、人間のかな? 

僕がわかる言葉もあるけど、はっきりと聞こえない、いろんな音のせいかなぁ。

狭いところごと何か動き回って落ち着かない、…やっと落ち着いた と思ったら…。


「イヤだよ… 怖いよ… 帰りたいよ…」

「あの… どうしたんですか?」


人間が僕を運ばなくなって しばらくすると 声が聞こえた。


「わっ! ビックリした、呼ばれたと思ったよ、…どうも はじめまして」

「あっ こちらこそはじめまして、あの どうかしたんですか?」

「どうもこうも…って、もしかして 君は ここに来るのは初めてなの?」

「だぶん…そうです 僕 あまり さんぽ したことがないので」

「なら 早く帰った方がいいよ ここは…、わっ いよいよか!」

「あっ 待って お兄さん」


やっと話が出来ると思ったのに すぐに大人のお兄さんはいなくなった、

でも、帰った方がいいって なんで? いったい なんのことだろう…。


しばらくすると また狭いところごと動き出した、さっきからなんなんだろう…、

どこかで嗅いだことのある匂いが…、スゴく強くなっていく…、

また 動かなくなった、でも なんだか 高いところのように見えるんだけど。


「ひなた~ おいで~」


人間の手だ 僕を呼んでる もう出ていいんだね、狭いところから顔を出した、

それから ゆっくり 狭いところから出てみた。


「遊んでくれるの? ………あれっ、ここって…」


人間に頭をなでられて うれしくて、それから 回りがちょっとつづ見えてきた、

なんだろう、何か こんなところを見たことがある…、それに この匂い…、

あのお兄さんが帰った方がいいって… なんか… あるのかなぁ …ここ。


「こんにちは ひなたくん ちょっと診させてね」

「なんだよ、何をする気だ 俺に触るなー!」

「大丈夫だよ ひなた、すぐに終わるから」


おっ 思い出した! このちょっと高いところ、この匂い、そして アイツ!

大きな手の人間のところに来る前に こんな人間に痛いことをされたんだ。


「やめろ! やめろって、俺に触るな~!」





「痛い やめろって…、あれっ?」

「あれ 眠くないっていってたのに… それで映像の方はどうだった?」

「あっ そうか、これ本物じゃないんだった」


〈あの痛いの〉のせいで…って、今は解る、あれは 〈注射〉 って言うんだな、

あれは大っ嫌いだ! あれだけは嫌がっても人間はやめてくれなかったんだ、

あそこにいくたびに アレを 注射を させないように戦ってたんだ。


「んっ その…だ、なんだか まだ調整されてないっていうか なんと言うか」

「そうだよね、映画だと 自分の姿を見ることになるけど 出てなかったもんね」

「そうなのか? それと、その 俺の子供の頃の言葉が 馴染めないと言うか…」

「そう セリフは要らないのか…、でも 全部ゆっくり見れば楽しいかもよ」

「それはいい、ささっと終わらせたいぐらいだし」

「う~ん 早送り や 一時停止 は出来ると思う…、巻き戻しはダメだけど」


俺が まだ人間の言葉に完全に馴染んでいないから、また内容の説明してくれた、

ビデオ? とか言ってたが、まぁ とにかく理解できたし、使えそうだ。


「じゃ もう一度 見る角度とか調整してみよう、ちゃんと起きていてね」

「あぁ 頼む」

「じゃ さっそくスタートして ひなた」

「…って …どうやって? また寝ればいいの?」


そういえば さっきはとっさに目を閉じたんだった、だから寝ぼけてしまった、

天空にはちょっと笑われたが どうやら きっかけは何でもいいらしい。

目を閉じて始めることが やりづらいなら、言葉でも 頭の中でも、道具でも、

好きなやり方に変えられるそうだ、とりあえず言葉で始めてみることにした。


「じゃ さっさと始めるぞ!」

「ねぇ ひなた」

「んっ まだ なにかあるのか?」

「…お兄ちゃんなのに、注射 嫌いなんだね」

「…あ~ もういいから!」


あ~ やっぱ見られると恥ずかしい、一生懸命 隠していたのに簡単にバレた、

強い兄ちゃんでいたいんだ、なのに… あんな姿 弟に見られなくてよかった。

また画面が動き出した、今度はちゃんと起きているぞ 画面と天空の顔が見える。





「はい おしまい、よく頑張ったね、ひたなくん」

「偉いぞ~ ひなた」

「コイツ~、ソレ スッゴく痛かったんだぞ」

「じゃ 頑張ったひなたくんに ご褒美だよ~」

「触るな~って あれっ 意外とコイツ いいヤツかも…」

 

痛いことをされた されたんだけど、その人間はおやつをくれた、

おやつは嬉しいけど、それよりも たくさんなでてくれてたほうが嬉しい、

この人間の手からは優しい感じがする、痛かったけど それ以上に心地いい。


この間 あの痛いのを体に当てられたときは 強く押さえられてスゴく痛かった、

あれは悪い人間がやるんだって思ってた、でも、悪いのは人間じゃないかも、

悪いのは人間が手にもったアレなんだ! …ちょっとわかった気がした。


「先生 ありがとうございました、お手数おかけしました」

「いいえ ひなたくんが元気なら、それにまだいい方です 大変だと ほらっ」

「うわぁ~ 大変なんですね」


人間たちが何か話してる ちょっとまだ痛いけど ここの人間はみんな優しい、

アレは大っ嫌いだ …でも 痛いことをされないなら 遊びに来てもいいかなぁ。





「なぁ 天空、 あの真ん中にいるのが俺か?」


俺は 画面を見ている天空にな話しかけた。


「そうだよ、アレがひなたで… 白衣は…解る? 白衣が獣医師さんと看護師さん、

もう一人が飼い主さん ご主人様だよ」

「俺の姿…何か見覚えが…、あっそうだ あの時 突然現れたのは俺だったのか」

「あっ よくあるね、鏡に写った自分を 別の犬だって思うの」


そう 鏡 鏡だよ…、本当に人間はいろんなことを知ってるんだな、

そうか 犬だよな、俺は 犬 で 俺の家族は 人間、そう…だよな…。


「それに…、こうしてみると これが 色ってヤツか」

「色? さっきから変わらないと思うけど…、あっ 聞いたことがあるよ」

「言葉もだけど 目も共有するのか? こんなに 鮮やか? なのは初めてだ」


天空によると なんだか犬は 人間ほどのたくさんの色が見えないらしい、

天空が見たのは 最初から人間が見てるものと同じで気がつかなかったそうだ、

俺は目を閉じていたから、俺だけ映像が切り替わってなかったのかもな。


〝僕も君の見た感じを見てみたい〟って言うから画像を切り替えてみたんだが…、

すごく驚いてた、それにしても こんなにも違うものなのか…、

人間と犬とでは 知識も 見るものも すべてに 驚いてばかりだ。


「ねぇ ひなた、画面の調整はこんな感じでいい?」

「う~ん まぁ また直せばいいんだよな じゃ さっそく早送りしよう」

「でも ホンとにいいの ゆっくり見たっていいんだよ、みんなだって…」

「いいよ、どうもあの 大きな手の人間 とか聞いてるのがなぁ…、

子供の頃ことだから仕方ないけど とにかく早く終わらせて家に帰るよ」

「まぁ いいけど、じゃ さっそくスタートしてよ ひなた」


画面が動き出した これが早送りか…、確かに早い それに声も聞こえない。

次々と画面が変わっていく…。


「あっ これって」

「気になったら 止めて 止めて」

「あっ、ちょっと過ぎちゃったな、戻せないんだよな」

「そうだよ、これも上手く使えるようにならないとね」


早送りを止めてようとしたんだけど ちょっと見たいところを過ぎてしまった、

まぁ、仕方がないか、それにしても… やっぱり懐かしいよな…。


「双子ちゃん 二人とも立ち上がれたんだね」

「あぁ 弟たち この頃は まだ俺と同じぐらいだったんだな」


止まった映像の中の ご主人様たち… いや パパさんとママさん 笑ってた、

あのときはスゴく楽しかったなぁ…、みんなでたくさん遊んでさ。


「ちょっと 懐かしかっただけだ、続けるぞ」


また 早送りがはじまった、ゆっくり見たいって思う生き物も多い…って、

それも ちょっとわかる気がした、

忘れていたこと、会いたいと思った相手、すべてがこの映像の中にある、

もう一度 戻りたいって思っていたことが、すべてここにあるんだ…。


みんなと遊んだり、くつろいだり、弟たちが泣き出して大騒ぎしたり、

笑ったり、時にはケンカしたり、いろんな俺たちの様子が映ってた、

画面の弟たちが少しずつ俺より大きくなっていく、俺は大きさが変わらないな、

人間はこんな風に大きくなっていくのか、犬の成長とは 全然 違うんだな…。


「あっ、ここ」

「どうしたの?」

「ここさ え~っと、そう近所、近所の公園だ、弟たちとよく遊んだんだ」


画面には近所の公園が映っていた、ベビーカー?ってヤツに弟たちは乗って、

俺は 歩きでそこによく向かっていたっけ、人間の言葉がまだ上手く出ないから、

何度か言葉につまるけど どうやら天空とは上手く話せてるようだ。


「でも こうして見るとなぁ… なんとも」

「えっ、普通に公園に遊びに行ってるじゃん、楽しそうだよ」

「そうでもなかったような…、ほら、俺 ひもみたいのにつながれたままだし」

「あっ、ホンとだ」


結構 広い公園なんだけど、俺は走らせてもらえなかったんだよな、

ご主人様…って ママさんは たくさんの人間とは話してたけんたけど、

俺といえばなぁ… あまり遊んでもらえなかったんだ。

弟たちがベビーカーに乗らなくなった頃に、ちょっと弟たちと遊んだっけ。


「そういえば この公園は 最近は行ってないなぁ…」

「えっ、行ってないの?」

「あぁ、何故か知らないけど、散歩の道から ここ は外れたんだ」

「そう…なんだ、じゃ 懐かしい?」

「まぁ 懐かしいと言えば だけど、近所の仲間はよく遊んでるから、

そこにいかなくても、その仲間と会えなくなった訳じゃないし 平気だ」


いつ頃から行かなくなったんだろう…、弟たちが大きくなるにつれて、

ご主人様たちは よく家から出掛けるようになってた、

最初は パパさんだけが家にいないことが多かったのに、

いつからか 俺が独りで家において行かれるってことが増えたんだよな。


「でも、散歩は ほぼ毎日つれて行ってもらってるみたいだね」

「あぁ 別に閉じ込められてた…って 訳じゃないからな」

「あっ、あの子は ひなたの仲間なの?」

「まぁ… そんなとこだ」


そういえば、散歩道の仲間も、突然いなくなったヤツもいたな…、

早送りする画面の映像には そんな俺が忘れていた仲間が映し出されていた。

そういうのって どうなったか わかったりするのかなぁ…、ふと思った。


「あっ~ ここ、ここで止める」

「えっ、なになにっ? 何かあったの」

「コイツだよ コイツさぁ 俺の仲間なんだ」


犬たちがたくさん集まってる大きなところ、

今ならわかる 〈ドックラン〉 だ ここはいっぱい走れていいんだよな…、

弟たちとのさんぽも楽しかったけど、俺はひも…リードか つながれてばっかりで、

いつも人間たちの話が終わるを待ってただけだったから ここは好きだ。


また映像を動かしてみる、毎日 変わらず楽しそうに過ごしてる、

家で、近所の公園で、ちょっと遠出のドックランで みんなと楽しそうに、

弟たちはもうしっかり立ち上がっている…、何かを話してる…、懐かしい…な。


「あっ~ ここ止めないの?」

「えっ、何が… って 注射のところじゃないか!!」


天空に言われて思わず止めようとしたけど、動物病院? ってところじゃないか、


「今度は ママさんに連れていってもらったんだね」

「そうだけど、別にいいだろ こんなところ見なくたって」

「えっ~、ひなたも 獣医の先生たちと 結構 楽しそうにしているじゃない、 

ちょうどいい 注射は毎年なんでしょ ここで必ず止めれば一息入れられるよ」

「一息はいいけど、止めるのはここじゃないだろ、どうせなら、そう…誕生日だ」


画面の映像を流れたままにしていたら もう 誕生日? になってた、

あれが ケーキ ってやつだな、どんどん流れる映像の中に、

またごちそうの前に家族で集まっているのが映っていた、

楽しそうにごはんを食べている姿、弟たちはもう自分でごはんを食べれるんだ。


まだ分からないこともあるけど 人間の言葉で話してる、本当に不思議な感じだ、

映像に映っているもの、見る高さもだけど、いつもはただの景色だったのに、

いろんなものに〈文字〉っていうのが書いてあって、それぞれ意味が解ってくる。


「おっと、ここは止める えっと ストップ だ」

「えっ 今度は何?」

「コイツ、コイツだよ えっと…ペットショップだ、そこにいたヤツ」

「あっ 最初の方の映像の中にいた仲間の犬のこと? どの子がそうなの?」

「アイツだよ、あの… 俺に似た感じの…」


家族とドックランに行っているところで映像を止めた、アイツとの再会の日か… 

そこにはペットショップを先に出た、アイツの姿が映っていた。


こうしてみると、あの時も大きいとは思っていたけど やっぱり全然違うんだな、

アイツと出会った頃はそんなに変わらなかったのに、

一緒にいたらスゴくでかくなったんだよな、

再会したときは 匂いを嗅ぐまでわからなかったほどだったもんな。


「この子は 大型犬だね 形は似てるけど 外国の犬だよ」

「外国の犬…、それって 世界 ってヤツか?」

「そうだね、世界の犬 だね、もしかして知ってたの?」

「《世界》って言葉だけな」


本当に天空は心の中を覗いていないんだな、《世界》…母さんと話してたことだ、

最初は言葉が解らなかったって言ってたし、覗いてたらそんなこと聞かないよな。

天空の知識のおかげでいろいろ頭の中に浮かんでくる、だんだん意味が分かる、

自分で見たかったなぁ 自分で確かめたかった、そして母さんに話したかったな。


「なぁ 天空、ここだけ声を聞くとか 出来るのか」

「それは さっきみたいに止めるんじゃなくて 普通に見ればいいんだよ」

「そうか そうだよな…、じゃ ここは普通に見るぞ」


そして俺たちは 止まったままの画面の方に向き直すと、映像が動き始めた。





「ようっ 久しぶりだな、お前も〈コビ〉を売って出られたのか?」

「別にそんなことしてない…って、

しかし…、いったい何を食べたらそんなに大きくなるんだ」

「さあな、普通に飯食ってただけだけどな」


一緒にいたときは そんなに大きさは変わらなかったはずなのに、

ちょっと見ない間にずいぶんと…、僕もいっぱい食べたら大きくなれるかな。


「どうしたの ひなた、知り合い?」

「へー 知り合いなの なら紹介してよ」

「知り合いってほどでもないよ」

「ええ その通りです…、むしろ僕はみなさんとお知り合いになりたいです」


なんだよ カッコつけてさ、ちょっと大きいからって、他にも大きいヤツいるし。


「お前さ ここに来るの初めてだろ、お前 ここじゃ 新入りだからな」

「何を 今さら強がって、まぁ 僕は新入りでも構わないけどね」

「知ってるよ~ こういうの紳士的って言うんだよ」





「あぁ~何かムカつく、なんだかこの気取った態度が気に入らなかったんだ」


映像を見ていると… 画面のアイツの 態度や言葉 が……なんだか……ムカッと…。


「えっ そんなに腹が立つほどかなぁ」

「……ちょっと休憩、お水を飲ませてよ」


俺は映像を止めた、何だか アイツが出ているだけなのにやりづらい、 

ペースを乱されるっていうか なんと言うか、見ているだけなのに。


そう言えば、天空に俺の過去のことを見られるの あれだけイヤだったのに、

何だかんだ言って楽しんでるな 俺…、 まさにこれが〈映画鑑賞〉ってことか?

天空と 映像のことで話してる自分にちょっと驚いた。

天空は俺の言葉に テーブルの水を器に入れて目の前に出してくれた。


「ねぇ、あのワンちゃんたちのこと教えてよ」

「ワンちゃん? アイツらのことか 別にいいだろ、ただの友達だよ」

「えっ~、登場人物がわからない映画なんてつまらないよ」

「映画って、天空は 仕事 で見てるんだろ なら別に…って 

あ~ わかった わかったから 教えるから泣くなって」


水を飲むために下を向いたまま話してた、飲み終わって顔を上げてみたら、

天空が寂しそうな顔をして 目に涙を溜めていた、コイツ ホンとよく泣くな、

仕方ないから 俺の仲間のことを教えてやった。


「さっきも言ったけど、ペットショップの仲間がカイザー、生意気なヤツ、

それで、そいつと同じぐらいの大きいのが おっとり屋のデュークくん、

そして俺たちに色々教えてくれたこの中で一番の姉さん ミーナさんだ」

「ふ~ん ねぇ カイザーくんは再会するまで何をしてたか知ってるの?」

「あぁ それがさぁ… 自慢話ばっかでさ」


ここでアイツ自慢話を見るのは、見るだけで さっきみたいにムカつきそうだから、

とりあえず自分が知ってることを 簡単に天空に話した。

知ってるのは、アイツが飼われている家のことだ、

ペットショップから連れ出されて ご主人様のところへ行ったが、

ご主人様の家はとても狭い家で カイザーはほとんど走れなかったし、

しばらくは 外にもあまり出してもらえなかったらしい、だけど…、

突然 ご主人様が カイザーが中でも走れるぐらいの大きな家に住み替えて、

それでドックランにつれてきてもらった ってそんなこと言ってたって。


「それに確か… 金持ちがどうだとか 言っていたな、何か気取ってさ」

「へー、カイザーくんの家はお金もちなんだ」

「金持ち? がいいのかはわからないよ、コイツ… 確か 後が大変だった…」

「えっ? このカイザーくんに何かあるの?」

「それこそ映画の その先を見ればわかるさ、その時はゆっくり見せてやるよ」

「え~ 僕はちょっとぐらい ネタバレ でもいいのに」


言ってることが逆になってるな…、ゆっくり見せる だって…、

また動き出した映像を 俺は ボーッと見ていた。


天空とソファーに並んで座って たまに頭を撫でられて…、

本当に家で弟とくつろいでいるみたいだ…、映像を早送りしながらふと思った。

この頃は… 俺がまだ小さかった頃は 本当に毎日が楽しかった、

色んなものが目新しくて、人間の家族とも、俺の仲間たちとも、

飽きることなく 毎日が楽しくて。


あれだけ会いたがってたのに、母さんたちのこと 気にもしてなかったな、

結局 ペットショップにつれてこられてから 全く会えなかったっけど、

みんなは幸せに暮らしているのだろうか…。

家に帰れるなら、願ってもいいかもな…、もう一度 母さんたちに会いたいって、

そうしたら 《世界》のことを 母さんやみんなと話したり出来るなぁ…。



「ひなたっ ひなた、だいぶ早送りで進んじゃったよ、いいの?」

「はっ 俺 また うとうとしちゃった…って また注射のところかよ!」


撫でられてたら うとうとと…、天空に声をかけられてあわてて映像を止めたら、

まさに注射を打たれている最中の映像だった、あー見てるだけで痛くなってくる。


「絶対わざとだろ、なんだかんだ 楽しんでるだろう 天空」

「もう、偶然だよ ぐ・う・ぜ・ん、 そんなに引っ張らないでよ~」


俺の情けないところを見てコイツは笑ってるんだろう、ちょっと腹がたった。

だから また天空の服を咥えて引っ張った、怒ってるってアピールだ…って、

またコイツは楽しそうにしてる…、怒られてるのにいったい何が楽しんだ?

でも…、さっきもだけど コイツからは 〈イジワル〉は感じないんだよな…。


人間の中には 〈犬〉っていうだけで ヒドイことをするヤツがいる、

嫌われちゃったのは残念だけど 犬を怖がって…っていう人間もたまにいるんだ、

それは許せる…、怖いんだから仕方ない ソイツも自分を守るのに必死なんだ。


でも それ以外でイジワルをするヤツは…、本当にヒドイんだ。

どれだけ 〝止めてー!〟って 叫んでも 絶対に止めてくれない、

そういうヤツが側に来たら 俺たちは必死に逃げるしかないんだ。

そんなヤツには どこか イジワル を感じるから 離れるようにしてるんだが。


「確かに今は 注射 のところだけど、この辺は 誕生日 の頃でしょ」

「確かにそうだけど…」

「夢でずっと見てても 早送りのまま進んでしまったら 見逃してしまうよ」

「そうだよな… ごめん天空」


そういえば、さっき うとうとして天空の足に寄りかかってた、重かったかもな。 

最初は座ってたんだけど 頭とか撫でられてたら横になりたくなって つい…、

でも 俺のこと嫌がりもしないで 天空は側にいさせてくれたんだよな…。


「ねえねえ、早く続きを見ようよ」

「そっ そうだな とりあえず 誕生日 までだな」


痛そうにしている俺の姿からどんどん流れて、誕生日の映像に変わった、

ここで再生に切り替えた。


「俺 かなり早送りしたけど、どのぐらい進んだんだ」

「この画面だと…、3歳をお祝いしてるようだね」

「生まれてから…3年? ってことなんだよな… 分かるような…う~ん…」

「あっ もしかして こういうこと? 犬には日にちとかの感覚がないの?」

「まぁ…そうだな」


明るくなって 暗くなって、暑くなって 寒くなって、

そんなことに 色んな呼び名があって意味があったなんて 全然 知らなかった。

人間たちは色んなことを考えるんだなぁ、

仲間たちといたころは、伝わればいいから、そんなこと考えてもいなかった。


3年か…、俺の大きさは ほとんど変わっていないのになぁ、

この映像の中の俺は もう大人なんだ、それなのに…。

映像の中の弟たちは どんどん大きくなっていく、俺よりも もっと大きく、

俺よりも大きくなったのに子供で、人間はどこからが大人なんだろう…。 



まだ編集途中なので、編集を終えたところには、タイトルに(改)を目印として付けています、

内容を大きく変えることはありませんので 少し読みづらいですが そのまま読み進めます、

作者が未熟者でご迷惑をおかけします。

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