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2章 -3-

すみません。県外に行ったりしていて更新が遅くなりました。


「ドラゴンだな!?」

 思わず叫んでしまった。

 なんで!?

 こういうのってラスボスなんじゃないの?

 ダンジョンの奥の奥まで行ったところで宝を守っていたり、山のてっぺんで縄張りとか巣とかをつくっていたり……

 山のてっぺん……

「ここですねー」

 思わず自分で突っ込んだ。

 恐怖も通り越すと冷静になるもんだな。

 というかミズキさん?カグラさん?こんなの接近してたら気付いてたでしょう?

『気付いてたけど』

『特に問題はないかと思っていました』

 問題大有りだよ!?

「ふ、古川……」

 岩場に腰掛けたまま腰を抜かしたのか、南雲が動けずにこちらを見ていた。

「ど、どうしよう……」

 よし、まずは南雲を助けねば。

 ちょっと冷静になった。

(警告しなかったってことは、対応可能ってことだよな?)

『そうそう』

『問題ありませんね』

 そういうことだ。

 何のために修行をしてきたんだ?

 こういう怪物と闘うためだろ?

 異世界転世したときから想像はしてたんだろ?

 大猪は軽く吹き飛ばしたじゃん。

 やってやろうじゃない。

「俺が相手してやるよ」キリッ

 中国武術的な構えをとる。

 武術は習ったことはない。自分の部屋でマンガを読みながら試したものだ。それっぽい姿勢になるよう鏡の前で頑張って練習していたのが懐かしい。中学二年の夏のこと。

 半身になり、引いた右足に魔力をため、腰を落とす。

 脇をしめ、腰に構えた右手にも魔力をためる。

「グルルルルルルル……」

 ドラゴンは様子を伺っているのか、うなりながら見下ろしている。

「しゃっ!」

 気合一閃、右足の力を解放して一気に空へ飛び上がる。

 巨体の腹をめがけて飛び出した。

 うん。真上に飛ぶなら両足に力を込めれば良かった。TPO考えよう中国武術!

 それはそれとして、勢いよくドラゴンに接近することに成功。

 風魔法も併用して一直線に飛び込んだ。

「くらえぇぇぇぇぇ!!!」

 真っ赤な鱗の硬そうなボディに拳をぶち込む。

 ヒットの瞬間に右手にためた魔力を開放。これで大木くらいなら簡単にへし折れる。

(余裕ぶっこいた貴様の負けだ! クリムゾン・ドラゴン!)

 ※クリムゾン・ドラゴンというのは俺が勝手に呼んでみただけだ。

 俺が勝利を確信したとき、脳内にミズキの声が響いた。

『いつから一人で勝てると思っていた』

(なん……だとっ……!?)

 ミズキさん、何このノリ。

 え?

 ダメなの?

『やはり、まだ悠太の技量では難しいようですね。この短期間で考えると上出来ですが』

 マジで?

「グルルルルルルルルルッ!!!!」

 ドラゴンは吹き飛ぶでもなく、そこにいた。

 というか、俺の拳はドラゴンの腹に当たっただけって感じだ。

 まあ、多少は痛覚を刺激したようで、ドラゴンさんの表情は酷くお怒りの感じ。

 うなり声のボルテージがさっきの比じゃない。

 つまるところ、これはヤヴァい。

 勢いのなくなった俺は自由落下を始めていた。着地自体は楽勝なので問題ないのだが。

 逃げるが勝ちってやつだな。

 判断を切り替えた俺は、落下の勢いのままに飛行魔法を発動する。

 南雲に向かって飛行。

 背後が熱い気がするのは気のせいだと思いたい。

『炎系のブレスとか飛んでくるわよ』

 やっぱり?

 背後でドラゴンが口を開け、こちらを狙っているようだ。

 勢いを増し、南雲の横に降り立った。

「あれ、ムリ!」

 端的に伝え、南雲を抱きかかえる。

 腰を抜かしている感じだったので、背負うのは諦めたのだ。

「ちょっ!?」

 お姫様抱っこのようだが仕方ない。

 間髪おかず横っ飛びに走り出す。筋力は魔力で補強しているので、南雲の一人や二人抱えて走るぶんには問題ない。

 走り出した瞬間、さっきまでいたところが火の海になった。

 岩場が燃えるってどういうことだよ!

 そのまま崖まで走り、飛び降りた。

 落ちながら飛行に切り替え、全速力でその場を後にする。

 幸いドラゴンは追っては来なかった。

ちょっと好きなノリです。

もっとこんなノリ出していきたいです。

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