表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/122

第2話「新しい恋を探しましょう」

 基本的には平民相手に、どんな犯罪を犯しても捕まったりはしない貴族たち。

 なのだが。

 常識は存在する。


 例えば、剣を片手にして平民学生を片っ端から斬り殺したりした場合。

 無罪は無罪として。

 学校側の判断としては理事会の全会一致で退学になるだろうし、その領地の貴族は出入り禁止にもなる。


 人として正しいこと。

 王として正しいこと。

 この二つは矛盾することも多いが。

 しないこともある。

 一般人の目から見て異常なことの何割かは、貴族の目から見てもやはり異常なのだ。


 よーするに。

 貴族というのは権力者ではあっても無法者ではないので。

 人目のある場所で堂々と付き合う分においては、そうそうひどい目にあったりはしないらしい。


 建前は。

 学生みな平等。

 前世でよく口にされていたスローガンとまったく同じである。


 びょうどう。

 平等か。

 空しい言葉だな。

 この世界に生きている人間で、自分をその座に置ける人間が果たしているのだろうか。


『妖精さんの世界は……平等ってあるのか?』

『ないよー』

『われわれはー、かみのげぼくー』


 らしい。


『妖精どうしでは対等なのか?』

『のー』

『ぼくらー、れべる2ようせいー。れべる1ようせいならあごでつかえるけどー。れべる3ようせいにはきほん、ぜったいふくじゅうー。れべる2どうしでもじょれつはあるー』


 そうなのか。

 妖精の世界もけっこう複雑なのだな。

 そもそも妖精さん以外の妖精さんを見たことがないのだが。


 それはどうなんだろうか。


『……妖精って、どれぐらいいるの?』

『れべる1ようせいはそこらへんにいるー。たまにまものにつかまって、たねうまとかはらみぶくろになるー。えいようのかたまりー。れべる2ようせいはかみにちかいー。せかいぜんどでも20ほどー』

『れべる3ようせいはー。せかいに3たいだけー。てんせいしゃでぷらすわんー。ふぁーすととりっぱーのほじょをするために、よりしろをさがしているかー、もしくはすでにかつどうちゅうー』


 なるほど。

 レベル2以上の妖精は20体と少しか。

 それでは平和京高校の学生400名のうちで、1人さえ見つけられていない私が出会えるはずもないな。


 え。

 てゆーか。

 世界に20体しかいないレベル2妖精のうち2体を確保してる私って。


 もしかして超すごいのでは?


『妖精さんは……どうして私と一緒に行動しているのだ?』

『ますたーはー』

『ようせいにすかれるー、たいしつー。これはすきるとはかんけいない、てんねんのものー』


 へえ。

 そんなのがあるのか。


『妖精さんは、私にこれからして欲しいこととかはあるか?』

『おとこさがしー』

『するといいよー』


 それは。

 妖精さんがして欲しいことじゃなくて。

 私がしたいことのような?


 まあいいか。


『どこに行けば出会えるかな?』

『うーんとー』

『それはねー』


 迷う妖精さん。


『ううん? 何か困ることがあるのか?』

『このへん、ぶっちゃけー、よりどりみどりだけどー』

『あいてのうんめいがおおきすぎてー、ちょっときけんかもー。ますたーのうつわがー、まだー、じょうきゅうきぞくをろうらくできるほどにはー、せいちょうしてないってゆーかー』


 器?

 成長?

 私の魅力には、何か発動条件があるのか?


『ええっと……つまり、誰と出会うべきなんだ?』

『このみをー』

『おしえてー』


 難しい質問をする妖精さん。


『イケメン、金持ちで、権力は……下級貴族ぐらいでもいいかな。年下よりは年上で。あと、性格は、穏やかなタイプとか、知的な人とかが好きだ。嫌いなのは変に博愛主義的だったり、見栄っ張りだったり、行き過ぎたポエマーとか、オレ様とか不良とか。規則にうるさすぎる男とか。エリーぐらいの男がギリギリ合格、もしくはギリギリ不合格で。ファビオはぶっちぎりの合格。ジュリアンとかシルベストルとかは圏外』

『それならー』

『あっちー』


 妖精さんが指をさした。


 おお。

 ここまで注文をつけてもまだ候補者がいるのか。

 すごいな。


 いくら私でも。

 自分の身のほどは知っているし。

 貴族関係者であればむしろ、私のほうが選んでもらう立場だとも思うけど。


 この時の私は。

 もちろん。

 まだ見ぬ恋愛相手との出会いについて、胸を高鳴らせていたがために。


 貴族の男とは恋愛関係になるべきではないというエリーからの忠告など。

 すっかり忘れてしまっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ