21 悪癖
「ど、どうしよう…」
私、佐藤陽花は電柱の後ろに隠れ、木葉とその友達…木名子、というらしい…を尾行していた。
別に最初は尾行するつもりなんて全くなくて、英語のノートを届けたかっただけなのだ。なのに、なんでこんなことになってしまったのか…。私は自分のコミュ障レベルに落胆する。
私は小さい頃のある事が原因で、ほんの少しでも自分が不利な状況になると落ち着かなくなるのだ。
だから嘘をついたり、隠れたり、黙ったり、怒ったり…してしまう。
頭が真っ白になって、奈落の底に落ちていくような。
そんな私が、とても嫌だった。だから高校になって少しは変わろうとして…実際少し変わったと思ったのに。
「またこれか…」
私は膝を抱えて蹲り、溜息をつく。
まさか、桜花がいたなんて…。
今この場にはいないけど、桜花が『いた』ということ、あの二人の会話から鑑みるに、それなりに会話もしてるということ…そして、あの木名子…とかいう子の意味深な発言。
絶対、何かあったに違いない。
そして最悪、私と陽花の昔の事まで知ってるかもしれない、それが怖くて堪らない。
そもそももう平手打ちした事実は二人とも知っていたらしい。木葉には口止めもしていないし責めることは出来ないが、なかなかに心にくる。
…なんて。知られたことにかなりショックを受けている自分が、すごく嫌だ。ここまできて自分の保身のことしか考えてないとは。…やっぱり私は、変わってない。
電柱から恐る恐る覗いてみると、二人の姿は見えない。もうかなり遠くまで行ってしまったのだろう。
ここから全力疾走しても間に合うかどうか…そもそも家がどこかも知らない。
「はぁ…これ、どうしよう…」
私は木葉の英語のノートを見る。丁寧に「英語」と書いてある、可愛いらしいピンク色のノートは、私にはとてもつもなく禍々しい物に感じた。
折角、変われると思ったのに。
私はまた、特大の溜息をついた。
一日に二つ!連載当初を思い出します…。
でも次は何やるかよく決まってないので、だいぶ先になると思います!よろしくお願いします!




