20 変化??
「ごっ、ごめ〜ん!桜花ちゃ〜ん!木名子〜!遅くなっちゃた〜!」
私は走りながら桜花ちゃんと木名子に声をかける。……って、あれ?桜花ちゃんは?
「あれ…木名子、桜花ちゃんは?」
はぁはぁと肩で息をしながら尋ねる。
木名子は珍しく浮かない顔をして、
「…先帰ったよ」
と言った。前の木名子とは違ってダイレクトに感情を出している。な、なにかあったのか…?!
「木名子、なんか今日表情やばくない?どうしたの?なんかあったの?」
私は口に手をあて、木名子に尋ねる。自分でもなかなかにウザいと思うけど、そこは置いといて。
「う……いや、それで心配するの…なんかヤなんだけど……」
木名子は図星だというように赤面すると、恥ずかしさを隠すようにツッコミをいれる。
「……もしかして、桜花ちゃんと……」
私がそう言うと、ピクッ、と肩を震わせる。やっぱり、ビンゴだ!
「あんま仲良くなれなくて落ち込んでるんだな?!」
我ながら見事なドヤ顔が決まったと思う。そして木名子も見事にポカンとした顔だ。
「木名子のことだから、桜花ちゃんを怒らせるとかなんかしちゃったんだよね?何があったの?」
納得したような顔で木名子に尋ねる、私。やっぱウザいわコレ。
木名子は怒るかと思ったが、当たってるような当たってないような微妙な顔になり、
「ムカつくからそれやめろ……別に、そういうんじゃない。用事があって帰った…ってだけ」
と言った。
「そ、そうか〜…」
「うん。そう」
「………」
「………」
あれ…あんま怒ってない?
…もしかして………図星なのか?!?!!?
「………な、なんか、ごめん…」
私はなんか申し訳なくなったので、なんとなく謝っといた。なんとなくで謝るって変だけど大事だと思うんだよね、私。
「…なんで謝るの」
木名子はいつもよりなんだか覇気がない。何かがあったのは明白だった。
「いや、なんか、なんとなく…」
私は正直に答えた。なんか言い訳っぽいけど、「なんとなく」なのは本当だし。
「……。木葉は馬鹿だなぁ」
木名子は懐かしそうに呟く。
…?!ちょっとじめじめした雰囲気だったのに、急に罵倒されたんですけど!
「気使ってあげたのに!やっぱ似てるわ陽花ちゃんと!」
「それが馬鹿だっていってるの…別に気を使う必要なんてないから。まあでも、ありがとう」
木名子は真顔で…でも少しだけ嬉しそうにいった。ちょっと腑に落ちないけど、いつもの木名子に戻ったからよしとする。
「…ていうか、陽花ちゃんって誰」
木名子は今度は不機嫌そうに尋ねる。まあ知らない人に似てるって言われたら微妙な気持ちになるわな。
「ああ、陽花ちゃんは桜花ちゃんのお姉ちゃんだよ〜。ちなみに美人さんだよ〜」
私はにししっ、と笑って答えた。
「姉?姉か……もしかして、あの平手打ちしてた子だったりする?」
木名子なら『ちなみに〜』の部分にツッコミを入れると思ってたのに、それを無視して考え込むように言った。私は答えに迷いながらも、
「え?!あ、あ〜……なんで分かったの?すごいな」
…結局正直に言ってしまった。軽く罪悪感。
「いや。別に…ふ〜ん、そっか…」
木名子はいつになく感情がひょこひょこ変わる。
なんだか意味深な雰囲気だけど、木名子の表情が柔らかくなったと考えると嬉しい。…本当馬鹿だな私。
記念すべき20話です!あと次回は陽花視点です!よろしくお願いします!




