表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
木漏れ日と花びらと  作者: ありもち
19/22

19 木葉と陽花②


「あっ…へ、へぇ〜そうなんだぁ〜…いや、そうなんですかぁ〜…」

私は下手くそな愛想笑いで返す。ま、まじか…確かに大人っぽい雰囲気はあったけど、先輩だったとは…。今日だけで四回の反省。しょんぼり、以下略。


「もう、そんな驚かなくてもいいじゃない!ちょっとショックなんだけど!…それと、敬語じゃなくていいわ。年上とはいえ同じ一年生だもの」


陽花ちゃんは意外と寛容だった。陽花ちゃんの口からそんな言葉が出てくるとは…すごく怒られるかと思った…。そのことでなんだか申し訳ない気持ちになるが、それはそれ。


「そう?じゃあ陽花ちゃんって呼ばせてもらうね!」

笑顔で言う。私はこういう時の切り替えが早いのだ!

「かっ…勝手にすれば!?」

『ちゃん』付けに慣れていないのか、陽花ちゃんは顔を赤くする。どことなく嬉しそうなのが微笑ましい。


なんか、最初の印象と随分違うなぁ…。

あの時は少ししか話さなかったし、私も落ち込んでたからっていうのもあるんだろうけど…意外とかわいらしい子だ。なんて、年上にいう言葉じゃないんだけど。



「……ねぇ貴女のお母さんって、どんな人?」


少しして、陽花ちゃんは唐突に言った。先程とは違って表情は曇っている。意外と表情が豊かなんだな、この子。ますます既視感が…。


「う〜ん。大雑把で、面倒くさがりで、すぐ怒る…かな…でも、いいお母さん」

「いい、のかしら…?それは…」

「うん!優しいし、私の作戦にもひっかかってくれるし!」

私がにしし、という風に笑うと陽花ちゃんはますます分からない顔をした。

「私には貴女が笑っている理由がよくわからないけど……でも、幸せそうね。羨ましいわ」

そう言って、陽花ちゃんは俯いた。なんだか悲しい雰囲気だ…。私は話題を変えようと、


「そ、そういえばこの間スーパーで買い物してたよね!自分で料理とか作ってるのかなッ?!」


…なんか食い気味になってしまった…。

陽花ちゃんは悲しげに微笑むと、


「まぁ、ね。お母さん、入院中だから…一応、二人で自炊してるの」

と言った。また暗い雰囲気に…!と思ったが、陽花ちゃんは先程とは違う笑顔でこう続けた。


「べ、別に、気を使わなくていいのよ!別に入院中で悲しいって訳じゃないから…」


先程とは違う、無理してるような笑顔。

…訳アリとは思ってたけど、思った以上に深刻そうだ。他人と友人の境目のような関係なのに、私もつられて悲しくなってしまう。


「……それより、急いでたみたいだけど、大丈夫?それなら私も勉強あるし、そろそろ戻るわよ」

「ああ、うん……?…って、あ〜〜〜〜〜!!!!!すっかり忘れてた〜〜〜〜〜!!!!!」


ぜ、絶対怒られる〜〜!これこそ今日一番の反省じゃん…!私は勢いよく走りだす。本日2回目の全力疾走。


「ごめん、ありがとう陽花ちゃん!また明日ね〜!」

私は走りながらお礼を言う。

「あ…ううん、いいのよ。…じゃあね!」

遠くで、陽花ちゃんの声がした。





「全く…人騒がせなんだから…」

木葉が去って静かになった教室で、私は一人呟く。


…あの子は、私達を変えてくれるだろうか。

変わりすぎた桜花と、いつまでも変われない陽花(わたし)を変えてくれるのだろうか。


私は一つ溜息をついて、木葉の机を見る。

弱い私は、結局他人に望んでばかりいる。小さい頃から、ずっと、ずっと………


「って………あの子…」


先程の不安が全て一時的に吹っ飛び、馬鹿らしさで一杯になる。なんと木葉の机の上には、英語のノートがおいてあった。どうやら忘れたらしい。私は眉間を抑えると、先程とは違う意味の溜息をこぼす。


「もう、どこまで馬鹿なの…」


私は急いで帰りの準備をして、木葉の後を追いかけることにした。


最近文字数が私にしては多いです!ていうか、序盤少なすぎる…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ