18 木葉と陽花①
14話〜の木葉視点です。よろしくお願いします!
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
うう、まさか忘れ物するなんて…。
私はこれ以上ないくらいの全力疾走で廊下を駆ける。
今日はうまくいったかと思ったのに、肝心なところでドジをふむ。他のノートならしぶしぶ忘れていくものを、まさか英語のノートを忘れるなんて…よりによって宿題が大量にある日に…。
私は勢いよく教室の扉をあけ、自分の机の中を確認する。
……?!……ない?!
私は動揺しながらもロッカーや机の周りも…自分の鞄の中ももう一度念入りに探す。………やっぱりない!
「うっ…うそでしょ?ここまできて…」
ど、どこかに落とした…?…もしかしたら本当は忘れてなくて、さっきの全力疾走で落としたのかもしれない。急ぎすぎて開けっ放しだったし。
がくっ、とうなだれる。
英語のノートをなくしたショックと無駄なことで友達を待たせてしまった罪悪感に軽く死にたい気持ちになりながら、もう一度机の中を確認する。………やっぱりない…………。
「もしかして貴女が探してるのって、これ?」
後ろから、そんな声が聞こえた。思わず振り返ると、そこには陽花ちゃん…そして、手には私の英語のノート。
「そ、それっ!ありがとう、陽花ちゃん!」
私は陽花ちゃんに勢いよく飛びついた。
先程の沈んだ気持ちから、一気に心が軽くなる。
「ちょ…っ?!やめなさいよ!馴れ馴れしいわね」
口調はきつめのに戻っている。多分あっちが素なんだろうけど、普段は素直になれないのか、少しトゲがある。
「あっ…ご、ごめん!」
テンション上がりすぎて、大して仲良くないのにこんな……これも反省だ。しょんぼり。
陽花ちゃんは何もついていない制服をぽんぽんとはらうと、こほんっ、と咳払いをする。
私はその光景を見て「別に私汚くないし…」とちょっとムッとしたが、それは捨ておき。
「……あの、英語のノートどこにあったの?私探してもどこにもなくて」
久しぶりではないが、せっかくの機会なのだ。私は会話を広げようと素朴な疑問を投げかける。
「貴女が全力疾走してた時に私のクラスの前に落としてったのよ。周りに私以外誰もいないし、仕方ないから渡しにきたの」
「そ、そうなんだ…」
や、やっぱり全力疾走の時に落としてたのか!!
信じたくなかったけど本当に無駄な時間だったのか…と落胆する。更に反省。しょんぼりぼり。
「…?ていうか、なんで陽花ちゃんは残ってるの?」
制服のままだし、どうみても部活動をやってるようには思えない。
陽花ちゃんは「うっ」と呻くと、これまた言いにくそうに、
「……べ、勉強してたのよ」
と言った。
あれ……もしかして、桜花ちゃん……
「あたま、悪いの?」
「なっ……!勉強熱心といって!確かに馬鹿なほうだったけど…一応高校1年間は過ごしてきたのよ?!」
「ごっ…ごめん!なんかその、つい…」
これは今日一番で反省する事案だ…!しょんぼりぼりぼり。落ち込んだのも束の間、私はハッとする。
「って、あれ?1年間は過ごしてたっていうのは…」
「……あぁ…」
陽花ちゃんは「しまった!」というように口を抑えると、やがて諦めたように呻く。
「私…留年してるの。実は双子じゃなくて、桜花の一つ上のお姉ちゃん」
いい切りどころわからずによくわからないところできってしまいました…。次回もよろしくお願いします!




