10 友達百人できるかな!
「…なにかしら」
陽花ちゃんは、私が何を聞きたいのかわかっているのか、さっきの5割増しくらいに気まずそうな顔をしていった。
「その…私も、桜花ちゃんのことについてなんだけど。この前の、平手打ちしてたのってなんだったの…?」
言い淀むかと思っていたのに、自分でもすらすら言えたことに驚く。だが、陽花ちゃんが俯いてずっと黙っていたことで、私の気持ちは揺らいだ。
「ごっごめん…!平手打ちするなんて普通じゃないもんね!変なこと聞いちゃって本当ごめん、いいたくないことなら、いわなくても大丈夫だから!」
…か、完全に墓穴をほった!!
な、なんだ「普通じゃない」って…。侮辱されてるとしか思えないだろう。
ショックだったのか、陽花ちゃんの口から、言葉の代わりに息が漏れる。俯いたままで表情は分からないが、多分いい顔とはいえない。
私は「違うんだ…!いや、違くないけど…っ!」と葛藤に駆られながらも、変になにかを言っても返って良くない気がして、陽花ちゃんから目を逸らし、次の言葉を待つことにした。そして、少し沈黙の後に、
「…っ…わ、」
少しだけ大きな声で、言い淀む様に陽花ちゃんが言った。突然の声に少しだけ驚き、思わず陽花ちゃんの方を見てしまう。
その瞬間、陽花ちゃんと目が合った。どうやら、喋ると同時にこっちを向いていたらしい。
突然の気まずさに、陽花ちゃんはふいっ、と目をそらす。私も反射的に逸らしたくなったが、そこはなんとなく堪えた。
わずかな間があったが、陽花ちゃんはさすがにまた黙るという訳にはいかず、すぐに話を始めた。
「私と桜花、実は姉妹なの。それで…ちょっと喧嘩的なので。その、あんな感じになっちゃって…」
「へ〜、双子なんだね」
「…………」
「双子なんだ」という発言には反応を示してくれなかったが、陽花ちゃんはまた、だんだん俯きながらも答えてくれた。初めてあった時のような冷たい雰囲気ではなく、普通の少女のような口調。
だけどどこか折半詰まっているような…、そんな言い方だった。
「…そっか。ごめん変なこときいて。答えてくれてありがとね」
陽花ちゃんはまた顔をあげた。悲しく、驚いたように…。そして何か言おうとして口をあけるが…やめたようだった。また、陽花ちゃんは小さく俯く。
私は、悪意ではないが、顔をあげたり俯いたりと、忙しい人だな…と、ふと思いながらも、それを口にだすことはせず、
「じゃあね。また学校で!」
と、そんなおざなりなあいさつをして、別れた。
その後も陽花ちゃんの顔は晴れず、申し訳なさそうに笑って見送ってくれた。
私は帰路を歩きながら、考える。
姉妹のことは嘘じゃないにしても、多分陽花ちゃんのいってる「理由」は嘘だ。
本当に普通の喧嘩であるなら、人目を気にしていた陽花ちゃんが教室の目の前で平手打ちなんてしないだろうし、桜花ちゃんだってあんな反応はしないはずだ。
でも…これは本当に多分だけど、陽花ちゃんは、途中まで本当のことを言おうとしてくれてた。
だから、私は問い詰めなかった。心配だけど、絶対桜花ちゃんと関係あることだけど…今の私は、触れてはいけないような気がしたから。もちろん、好奇心もあったけど、そこはぐっと抑えて。
「な〜んて、やっぱりほぼ他人だから、うざったく思われたくないっていうのもあったけどね…」
独り言で自分でつっこむ。
だから、いつか「それなりの仲」や「他人」じゃなくなって、話してくれる時がくるまでは。
それまでは、今までのことは忘れて、普通に友達になりたい。
………自分でふと思ってしまった戯言と、ぎこちなかった会話に恥ずかしくなり、走り出す。
「はやくしないと!お母さんに怒られちゃうもんね〜っ!!」
それもこれも、恥ずかしさをかき消すように。
ここで桜花と陽花のうんたらをもっとやろうと思ったんですけど、なんとなくやめました。
この通り、実はこの作品は、プロットとか三話くらいになってやっと書いたわいいものの、結局全くプロット通りでないノリとテンションで書いている作品なので、物語の破綻はまじでありえます、マジで。
なので書いてる途中で最終回っぽいな…このまま完結してもいいかな…って思ったんですが、まだ続きます!頑張ります!
あと、どうでもいいんですけど、私にしては文字数頑張ったな…と思ったらなんと1500文字!なんだか悲しくなりました。
次回の更新は全然考えてない流れに突入するので、すごい遅れると思います!次回もよろしくお願いします!




