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大宇宙の激闘! 宇宙侍vsメカ忍者

掲載日:2008/05/14

 世界は広い。

 しっかぁしぃ、宇宙はもっと広い。

 宇宙は広いな大きいな、アンドロメダは昇るし、マゼラン星雲は沈む〜。

 

 そんな広大な大宇宙に最強を自負する者が居た。

 しかも同時代に、二人・・・・・・


 両雄並び立たず、故に竜虎は相打たねばならぬ。

 さぁ、その二人の物語をひも解こう。


 

 さて、一人目の男。彼は生まれた時にすでに髪が生えていた。

 その事に両親や親類縁者は驚いたのだが、驚きはそこで終わりはしなかった。

 な、なんと、ちょんまげを結った状態で生まれてきたのだ。

 産婆を勤めたオトメ婆さんはその時の事をこう語る。

「いやぁ、その時の事をなんて言うたらええだかなぁ。なんて言うたらいいかわからんから、言わんとくわ。だから、なんとも言わへんて言うてるやろ! お前に話す言葉など無いわ! 消えろ! この大宇宙の藻屑となれぇ! このゴミ虫めがぁ!」

 取材を試みたレポーターは、無残にもオトメ婆さん手のから放たれた怪光線により、文字通り宇宙の藻屑となってしまった。

 レポーターのご冥福をお祈りいたします。


 さておき、0歳からちょんまげ姿のこの赤ん坊。

 髪型だけがおかしい訳ではなかった。

 一番最初に生えてきた歯が、なんと歯では無く『刃』だったと言う。

 生後半年でその『刃』は二尺三寸にもなり、ハイハイで歩くにも『刃』がつっかえてしまうほどに成長していた。

 二尺三寸! この長さを聞けば誰もがわかるだろう。

 そう、まさに日本刀の刃渡りと同じ長さなのだ。

 両親はこれぞ天佑とばかりに、その赤ん坊の歯を抜き取り、見事な刀としてこしらえたのである。

 最初歯を抜かれた痛みで泣き喚いていた赤ん坊ではあったが、この刀を手にした瞬間、ぴたりと泣き止んだ。

 

 そんな時、両親は重大な事に気がつく。

 そう、生まれて半年もたつと言うのに、いまだにこの赤ん坊に名前をつけていなかったと言う事に気がつくのである。

 まぁ、生まれた時からちょんまげを結い、さらに歯から刃がはえるような赤ん坊だ。

 それくらいのイージーミスは仕方ないとするべきであろう。

 しかし両親は困った。

 これだけインパクトのある赤ん坊だ、並みの名前では釣り合わない。

「お前に名前を付ける権利を譲るよ」

 父親は面倒くさくなった。

「いいえ、やはり男の子の名前は男親が付けるものです」

 母親も、自分の身体を痛めた子供ではあるのだけれども、実際のところ面倒くさくなっていた。

「じゃ、お婆ちゃんに頼むわ」

「いやじゃ、わしは名前なんぞ付けたくない」

「じゃ、お爺ちゃん」

「うるさいわ、名前を付けるくらいなら、わしはボケ老人になった方がましじゃ!」

「じゃ、お隣のおばさん」

「なんで私が付けなきゃいけないのよ、意味がわからないわ」

「じゃ、見知らぬ通りすがりの人」

「はあ、俺がつけていいんですか?」

 突然の事に、見知らぬ通りすがりの人は恐縮した。

「じゃ、どんな名前にしようかなぁ」

 と、見知らぬ人が考え出したその時である。

「ええい! 自分の名前ぐらいはぁ、自分で付けるわ!」

 その声の主は刀を振り下ろし、見知らぬ人を一刀両断に切り裂いた。

 その切り口たるや見事なものである。

 勿論その声の主こそが、赤ん坊その人である。

「わしの名前は『宮本武蔵グレート』じゃ!」

 赤ん坊は刀を鞘に納めると同時に、歌舞伎よろしく大見得を切って言ってみせた。

 家族親族一同は、意味もわからず拍手喝さいを浴びせてしまう。

 中には、なぜかおひねりまで投げ出すものまでいる始末。

「あのぉ、それだと名字もかわってしまうんだけれど」

 意味もわからず浮かれている親族をさておき、ごく当たり前な突込みをする父親だったが、その刹那、宮本武蔵グレートの放つ剣戟によって、首と胴体がサヨウナラするという末路を迎える。

「あなたっ!」

 母親は、呆然とただ二つになってしまった自分の夫の姿を、放心状態で見つめていた。

 親族一同に、重たい空気がのしかかる。

 その時。

「だいじょうぶ! そんなものは唾を付けておけば治る!」

 自信満々にお婆さんは胸を張ってそう言い張る。

 ああ、お爺さんだけでなく、お婆さんもボケてしまったのかと落胆するか母親であったが、試しにやってみたところ、驚く事に三日後に父親は生き返る事となる。

 おそるべしお婆ちゃんの豆知識。

 おそるべし唾。


 こうして前代未聞、自分自身で名前をつけた『宮本武蔵グレート』は侍としてスクスクと育つ事となる。


 

 宮本武蔵グレートは強かった。

 村の若い者などは全く相手にならなかった。

 一説には武蔵と目を合わせただけで、首が切れている時もあったと言われている。

 おかげで武蔵は好きな女を見つめる事すらできなかった。


 はてさて、戦う相手のいなくなった武蔵は、自分の体内から生み出した愛刀『村正ビッグバンブレード』を携え、京へとのぼるのである。

 

 しかし、京にも武蔵の相手はいなかった。

 それどころか、業を煮やした武蔵は、村正ビックバンブレードで京の都そのものを真っ二つにしてしまう始末である。

 これには京に住んでいた人もビックリだ。


「ええい! わしと互角に戦える奴はおらんのか!」

 その叫び声を聞きつけたのか、遥か天空に輝く光が一つ。

 怪しい光を放ちながら不規則的に空を飛びまわった謎の物体は、武蔵の元へと舞い降りた。

「ええい、なんじゃこの銀ピカの変なものは!」

 そう言って怪しんでは見たものの、いつも通りの豪気さで、ズカズカと武蔵は謎の物体に歩み寄る。

 あと数歩で謎の物体にたどり着く、そんなときである。

 謎の物体の扉が不意に開き、中からまたしても銀ピカな衣服を身につけた怪しげなものが二人降りてきた。

「何じゃおぬし達は? ははぁ、噂に聞く異人と言う奴じゃな」

 武蔵は物珍しさに、異人に触りたくて仕方が無かった。これほど強くとも、武蔵はこのときまだ13歳。好奇心旺盛な年頃だったのである。

 武蔵が異人に触れようとした瞬間。異人の手に握られていた銀色の筒から謎の怪光線が武蔵めがけて放たれた。

「ぬおっ」

 至近距離からの攻撃であったにもかかわらず、武蔵はなんなく回避して見せる。

「ほほぉ、わしに向かって攻撃するとはいい度胸じゃ。ふふふ、こうなったらわしの本当の力を見せる時のようじゃのぉ」

 武蔵は全身全霊の力を愛刀『村正ビックバンブレード』にこめる。

 銀ピカ人間たちは、そんな事にはお構い無しに怪光線を連射するのだが、どれだけ武蔵の身体に命中させても、ダメージを与えることが出来ない。

 

 その時の事を、後に武蔵に聞いたインタビューがある。

「ああ、あの時ですか、少し痛かったですけど、耐えられないことは無かったんですよ」

  

 話を戻そう。

 気合を充分に溜め込んだ『村正ビックバンブレード』は怪しい蒼紫色の光を放った。

「どっせええいい」

 気合と共に武蔵はビックバンブレードを振り下ろす。


 結果。

 地球が無くなった。


 地球を壊してしまった武蔵は、銀ピカ人間を部下に従えて、大宇宙に旅立つこととなるのだ。

 これが宇宙侍の誕生である。


 

 武蔵は宇宙をまたにかけて蛮勇を奮い続けた。

 のちに伝説の刀鍛冶に出会い、村正ビッグバンブレードは縮退炉を内蔵し、超空間転移すらも可能となる。

「武蔵よ! この刀は宇宙を切り裂く刀じゃ、使うときはそれを肝に銘じておくのじゃぞ」

 伝説の刀鍛冶はそう言い残すとこの世を去った。

 なぜかピースサインをしたままこの世を去った。

 とりあえず武蔵は写真を撮っておいた。

 

 武蔵はパワーアップした『真村正ビッグバンブレード』を携えて、宇宙空間を縦横無尽に駆け回る。

 生身の身体でも真空だってへっちゃらだ!

 

 そう、武蔵は名実共に宇宙侍となったのだ!  

 

 


 はてさて、その武蔵が生まれたのと同時刻。

 アンドロメダ星雲の辺境、そこで産声を上げた男が一人。

 その男は変わった泣き声を上げながら生まれたと言う。

「ニンニン、ニンニン、ニンニン」

 出産に立ち会ったもの達はみな、虚ろな目であらぬ方向を見ながら、口を合わせてこう言った

「がちょーん」

 

 ニンニンといって生まれた以上、その男の運命はすでに決まってしまったのだ。

 生まれた時に「ハンドパワーです」と言って生まれればそいつの運命はミスターマリック。

 生まれた時に「最高でも金、最低でも金」と言って生まれれば、そいつの人生は谷亮子。

 生まれた時に「芸術は爆発だ」と言って生まれれば、そいつの人生は岡本太郎。

 悲しいかな「ニンニン」と言って生まれれば、もう忍者になるしか道は無いのである。

 おかげで、名前もあっと言う間に決められる事となる。

 命名『服部半蔵』

 ちなみにこれは名字込みではない、彼の名字は『エドワード』

 すなわち『エドワード・服部半蔵』

 これがフルネームとなるのである。


 服部は生まれてすぐに、忍者の修行を受けさせられる事になる。

「服部、これが手裏剣だ」

 そう言って父親は服部に手裏剣を手渡す。

 幼い服部は、手裏剣がなんなのかわからずに、無邪気に触ったり、撫で回したりしている。

「おとうさん、手裏剣ってなんなの?」

 服部は純真なまなざしで父親に尋ねた。

「えっ・・・・・・・。何なのかといわれても」

 父親は手裏剣がなんなのか知らなかった。

 何故か、家の物置の裏にあっただけで、これがなんに使う道具なのかはさっぱり知らなかったのだ。

 更に補足しておくと、忍者がなんであるかと言う事も知らないのだ。

 ただ数年前に亡くなったお爺さんから『いいか、忍者はニンニンと言うのだ、ニンニンというのだぞおお』そんな遺言を残されたから忍者と言う存在を知っていただけのだった。

 すなわち、幼い服部からしてみれば、そんな意味不明な遺言のせいで勝手に人生を決められてしまったわけである。

 父親は悩みに悩んだ。

 手裏剣とは一体何ぞや!

 うーむ、尖っている、硬い、手のひらサイズ。

 わかっているのはこれだけだ。

 父親は自分の知っているものと、手裏剣とを脳内で比べ合わせていった。

 それで出た一番近いもの、それは「クッキー」である。

 だって硬くて手のひらサイズで、尖った形もあるじゃないか!

 そうだ、これはクッキーだ。手裏剣と言う名のクッキーに違いない。

 そう思ってしまったら、この父親は止まらない、止まりはしない。

「服部、これは食べ物だよ。さぁ食べてごらん」

「はぁい、お父さん」

 とても素直で良い子な服部だった。

 しかしこの時ばかりは、その良い子さが仇となったのである。


 手裏剣を食べた服部は死んでしまった。


「服部ぃぃぃぃぃ!」

 父親は泣いた。己の無学さが生んだこの悲劇に泣いた。

 そしてすぐさま服部の遺体を抱きかかえると、宇宙船に乗り込み、アンドロメダ星雲一の医者の元へと連れて行ったのだ。


「先生! 服部を生き返らせてください! そして出来れば最強の忍者として生き返らせてください!」

「いいでしょう。私の医学の力、むしろぉぉ、科学の力を使って服部君を最強の忍者として蘇らせましょう!」

「ところでっ、先生は忍者を知っているんですか?」

「えっ・・・・・・」

 暫くの間があいた。

「ま、まかせておきなさい! 忍者だろ! あれだろ! ニンニンだろ! 任せて起きたまえ!」

 そう言って高らかに笑う博士のひたいに、うっすらと汗が滲んでいた事は、見なかった事にしておこう。


 そして服部は見事よみがえる事になる。

 最強の忍者、いやメカ忍者として!


 生まれ変わった鋼のボディ。

 そして体内に埋め込まれた様々な殺人兵器のギミック。

 そして各種多彩な忍法を繰り出すシステムを内臓。

 

 のちに博士にしたインタビューが残っていたので記しておこう。

「いやぁねぇ。正直ほんと困っちゃったんだよねぇ。だって忍者が何か知らないもの。っでもさぁ、偉そうなこと言った手前もう引き下がれない訳じゃない。そんな時に偶然うちの妹が忍者と結婚しましてね、色々教えてもらった訳よ。ホント助かりましたよ」


 話を元に戻そう。

 こうして服部はやっと本当の忍者になる事が出来たのである。

 

 服部はアンドロメダ星雲を駆け巡る。

 勿論忍者こそが最強だと知らしめる為である。

 さすれば、それに刃向かう強者どもは当然のごとく服部のもとに集まってくる。

 そして、戦いは始まる

「貴様が忍者服部か、いや、その姿・・・・・・メカ忍者だな!」

「ニンともかんとも、拙者メカ忍者服部でござる!」

 対峙する二人。

 服部の前に立つ男は、体長約7メートル。アンドロメダ星雲でも珍しい巨人族の末裔である。

 まともに戦えば、双方ただではすまない。服部は瞬時にそう判断した。

 ならば、ここは忍法の見せ所である。

「必殺! 忍法分身の術!」

 なんと、一人のはずの服部が二人に! さらに二人が四人に!

「な、なんだと! これが忍者の使う忍法・・・・・・。なんと恐ろしい。しかし、貴様のようなチビが何人になろうと私の敵ではないわ!」

 巨人族は手に持った大きなハンマーを振り下ろそうとした。

「ふふふ、本当にそうかな!」

 四人の服部は口を揃えてそう言った。

 その瞬間、4人が8人、8人が16人、16人が32人、32人が64人、64人が128人、128人が252人、252人が512人。

「えっ、ちょっとまってよ」

 巨人の言葉など聴く耳持たずに、服部は分身を繰り返す。

 気がつくと、服部は60億人にまで分身を増やしていた。

 この星の人口は約10億。

 すなわち人口の6倍もの服部が誕生した訳である。

「さて、何人になろうとも私の敵ではない。とかいっていたよね」

 60億の服部が一斉に不敵に笑う。

「えっと、あれは、言葉のあやと言いますか、何と言いますか。僕本当は戦いとか嫌いなんですぅ」

 巨人族はそういって振り下ろしかけたハンマーを後ろに隔した。

「忍者に情けなど無い!」

 一人の服部の号令で59億9999万9999人の服部が一斉に巨人族めがけて襲い掛かった。

 

 結果。

 巨人族の星が宇宙から消えた。


 こうして服部はメカ忍者服部として勇名を馳せる事となる。


 さらにアンドロメダ連邦の宇宙大艦隊を相手に戦い、半重力手裏剣100兆連発の舞をくりだし、一瞬でスクラップへと変える。

 あえて説明しておくが、このときは分身により100兆人にまで服部は増えていた。

 

 服部を一人見たら30人は居ると思え。


 これはアンドロメダのあちらこちらで囁かれた言葉である。


 こうしてアンドロメダ星雲を駆け巡るうちに、服部はアンドロメダ最強の手裏剣職人に出会う。

「この最強の手裏剣、相転移炉を搭載した『サクサクビスケット手裏剣』を貴様に渡す時がきたようじゃな。この手裏剣は大宇宙のパワーを一点に集めることが出来る恐ろしいものじゃ! しかし一つだけ言っておくぞ、クッキーに見えても、食べちゃダメよっ。うふっ」

 最強の手裏剣職人はあごの下に両コブシをあて、ぶりっ子ポーズを決めて息を引き取った。

 とりあえず服部は写真を撮っておいた。


 服部は最強の手裏剣『サクサクビスケット手裏剣』を携えアンドロメダを駆け巡る。

 真空だってへっちゃらだ!

 だってメカだもの!



 最強の二人。

 この二人が出会い、戦いが起こるのはまさに必然である。

 二人はひかれあうように連続ワープを繰り返し、共に銀河の中心へと舞い降りた。

「きさまかぁ、アンドロメダで勇名を馳せるメカ忍者と言う奴は!」

「お主こそ! 武蔵グレートの名を耳にせぬ日は無かったわ」

 両雄は真空の宇宙空間で対峙した。

 真空の中なのに声が聞こえあうのは、あれだ、なんていうか、あれだよ、あれ!

 ともかく、もはや戦いに言葉は要らぬ。

 全宇宙に、静寂が走る。

 そして武蔵は『真村正ビッグバンブレード』を

 服部は「サクサククッキー手裏剣」を

 二人は初めてその力を解き放ったのだ。


 結果。

 宇宙が無くなった。



 おしまい☆


小説書くからテーマを出してと言ったら、

芸人友達に宇宙侍とメカ忍者と言われ、書いてみました。


なんていうか、楽しいですね!

書いてて楽しい!


こんなおばか小説ですが、良ければ感想などよろしくお願いいたします。

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[一言] 生い立ちと過程が長すぎてオチが一瞬すぎたw
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