ショパンなんて聴かないけれど
青空を仰ぎ見て 草原に横になって
思い描いた夢は 今も叶わぬままで
君との約束が やけに胸に響くよ
だから僕の出来ること 今日も手に掛けるんだ
水彩で描いた 風景が とても眩しくて
泡のように消えていく それなりの悲しみよ
あのノートの切れ端に書いた 君への想いと夢を
もう一度思い出しては 地面の砂粒を握りしめた
こんな日だからか 陽射しが強く 僕の背中を少し後押しした
夕暮れの滲む セピアの帰り道で
思い出した夢は やけに輝いていた
あの時 手にした 砂粒はまだ手の中で
「まだやれるかな?」と 小さく僕に囁いた
鉛筆で走り書きした 君の笑顔が やけに懐かしくて 胸に染みる
僕の心の少年が それなりに前を見て 歩き出した ゆっくりと
あの黒板に残された 君からの僕へのメッセージ
今になって 胸に蘇る 晴れ渡る季節と 一雨
ショパンなんて聴かないけれど
ピアノなんて弾けないけれど
今日は何だか あのメロディーが胸を突く
あの校庭に大きく描いた 僕から君へのラブレター
みんなは笑って 指さしたけど 君の頬は赤らんでいた
心臓は今でも 波打って 僕が生きてることを 教えてくれる
だからこそ 後ろ振り向かず
僕は夕陽の滲む あの空の向こうへ 駆け出した
「ショパンの雨音」っていう曲 今日聴いてみよう