~無敵の軍隊~
我々【トルース隊】は、無敵の軍隊と呼ばれている。
その理由は、ただ一つ。
仲間を裏切らないということだ。
いつ何時も、仲間を見捨てない、その精神が
我々に勝利を導いていくのだ。
これは、わが祖国【ハイリヒトゥーム】の隣国、
【ストラーフ】との国境内で起こった、一つの戦争の物語だ。
2631年 8月 11日 トルース基地内にて 【バレス中佐】
「今回の計画の説明をする。皆のもの心して聞け。」
薄暗い小屋で、アレン大佐が国境の地図を広げた。
「バレス、お前たちは西側の奴等が倉庫にしている洞窟から潜入してくれ。俺たちは、雪山のほうから潜入する。とりあえず、奴等の戦力を出来るだけ少なくするんだ。わかったな?」
「あぁ、どこで合流する?」
「洞窟を出た先の湖の東側だ。あそこは、人に見つかりにくい。」
アレン大佐は地図の東側をチェックし、俺たちに地図を渡した。
『ビー・グローリィ・トゥ・アス(我等に栄光あれ)。行動開始だ。』
俺たち第一部隊【under-01】は、敵の武器庫に潜入し、武器の調達を行うことだった。
「全員武器を持ったな。ヘリに乗るぞ!」
腰につけた、リボルバー【AL-23】に弾を詰め込む。最大装填数6発と少ないが回転断層という古い形式だからしょうがない。だが、その代わり威力が凄まじい。
「全員乗ったな?準備は良いか?出発するぞ。」
ヘリから周りの風景が伺える。これが、草原や海だったらいいんだが……見えるのは焼け野原や廃墟だ。まるで地獄のようだ。
「相棒、いよいよだな。死ぬんじゃねぇぞ。」
こいつは、俺と同じ部隊の【グリード少佐】だ。こいつとは、軍人学校で知り合ってからずっと一緒に行動してきた。いつも俺のことを相棒と呼んでくる。
「分かってるんだろうな。相手は反乱軍だ。それに奴等は、強力な兵器を持ってる。いつ死ぬか分からないんだ。ま、死ぬのは御免だけどな。」
「んなもん、知るかよ。さっさと壊滅させて、飲みいくぞ。」
グリードは、右手首をグィッと半回転させ、ニッと笑った。
相変わらず軽いやつだ…。これから戦場に行くというのに…。
「こちらunder-01、まもなく敵地に到着する。準備はいいか?」
「いよいよか……。」
グリードがつぶやいた。
「奴等は、どこにを地雷を仕掛けているのかわからない。くれぐれも注意してくれ。」
『了解』
俺たちは、片手にロープを持つ。銃を構えて、ロープを地面に垂らす。
[こちら【under-03】。こちらも、目的地に到着した。もう、仲間の死体を運ぶのはごめんだからな。くれぐれも気をつけろ。]
ここから、一週間、我々の地獄のような戦いが幕を開ける。
だが、我々は必ず勝利を収めなければならないのだ。
今回の戦争の理由。
【仲間の死】を決して無駄にするわけにはいかないのだ。
【あいつ】が言った最後の言葉を心に決め、
私は、戦地に降り立った…
まだまだ、初心者ですが、
楽しんでもらえると幸いです。