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23話 『猫耳の少女、旅に出る』

-Sideミユ-

 

 今日は皆忙しそう。

 トーマが居なくなってからもう一週間くらい経っちゃった……。


 ミユ、めっちゃ悲しい。

 トーマを目にした時から、トーマの香りを嗅いだ時から、トーマの音を聴いた時から運命の人! って思ってた。

 でも、いなくなっちゃった。

 心にぽっかりと穴が空いちゃったみたいに元気が出ない。

 

 両手で収まるくらいしか話したことなかったけど、ミユはトーマのこと好きだったと思う。

 ううん、好き。

 今も、いなくなったトーマのことばっかり考えて何も出来ない。


 ミユはおーぞくってやつだから身分が高い人と結婚しなさいって言われてるけどトーマが良い。

 だって、トーマ今までの人と少し違う匂いがしたから。

 この人だ! ってビビって来たの。

 でも、トーマは直ぐにいなくなっちゃった。

 ヘルメスも仕事があるからって出て行っちゃった。

 ジュラルも最近はせっせと何かしてる。

 これが嵐の前の静けさってやつなのかな。


 ハワード兄はずーっと図書館にいて中々ミユと遊んでくれない。

 他の兄弟たちもみんな何かしてて、だーれもミユと話してくれない。


 だから最近、誰かの後ろをこっそりと着けて話し掛けてくれないかなって追いかけっこしてる。

 昨日は知らない兵士を追ってたけど、今日はジュラルを追ってます。

 こっそーり、こっそーりとバレないように……。


「準備は如何程か」


「順調です、言霊様にもバレていないでしょう」


「うむ、なるべく急ぐのだ。国家の一大事、私は陛下に現状報告に行く」


 壁の後ろで話を聞いてもよく分かんない。

 やっぱり何か始まるのかな、お祭りとかかな!

 ミユ去年のお祭りは眠くてぜんぜぇーん楽しくなかったから今回こそはリベンジ!


 その後もこーっそり着いて行ったら王座の間ってところに着いた。

 たしかここはお父さんがいる場所!

 ギィッと高くてすごーく綺麗な扉を少し開けると、真っ赤な椅子に座ってるお父さんと下で頭下げてるジュラルを見つけた!


「わぁ……パパキラキラしてる……」


「して、此度は何用か」


「件のことで、着々と準備が進んでおります」


「ほう、ではここを発てるのはいつ頃か」


「早くて明日、遅くとも明後日には」


「承知した、抜かりなくやれ。確実に仕留めるのだ」


「はっ」


 むむむ、またもやミユには分からない話。

 仕留めるってことはー、誰か殺しちゃうのかな。

 ドーンッって爆発とかさせるかなミユもやりたい!

 でもジュラルには秘密って言われたんだよね……。

 うーん、考えろー考えろーミユ。

 どうやったらミユも参加出来るのか、うーんうーん。


「は! これもまたこっそーりついてこ!」


「失礼します」


 あわわ! ジュラルがもう扉の前まで来てる!

 早く逃げ――


「おや、ミユ様どうなされたのですかな」


 ど、どどどうしよう……なんて言えば……!


「!! えぇと、散歩! みーんな遊んでくれないんだもん!」


「申し訳ありませぬ。諸事情により私も近いうちに王都を離れることになりました。それ故、お嬢様にはご兄弟様とここでお過ごしし、帰りをお待ちください」


「むー、気になるー」


「これは従者が果たすべき仕事故、お気になさらず。では」


 やっぱり教えてくれないみたい。

 お父さんに聞いても教えてくれなさそうだし……やっぱり着いてこ。

 ミユ、この街の近くまでしか行ったことないからどんな感じなのか気になる!

 うんうん、じゃあ着いてこっ!

 確か、明日か明後日? だったよね、よーし準備するぞ!



※※※※※※※※※


 ――翌日


「あ、何か列が出来てる!」


 朝起きて、着替えとか朝食食べ終わって窓見たら兵士の列たくさん!

 

「はやっ! もう階段降り終わってる!!」


 壁に立て掛けてあったミユお気に入りの杖を手に窓の縁に乗って、方向確認!


「わー、すっごー高い。落ちたら痛そー……」


 ちょこっと下を見たら、地面があんなに遠くにある……。みんなが危ないって言うのが少し分かった気がする。

 すこーし左に足を動かして、車に積んであるふかふかクッション目指して風魔法!


「風が気持ちー!」


 ヒューと風がミユの体を通るのを感じながらダイビング!

 あっ、そうだったバレないように口抑えなきゃ。

 ギュッと杖を離さないように握りながらミユは口を抑えて声は出さないよーに。

 

 そのままふかふか荷台に着地!

 

「よしよし……バレてなーい」


 でも、このまま上に乗ってるだけじゃ直ぐにバレちゃう。ミユの紫の髪と耳は目立つってみんな言ってたし。

 あっ、この荷物ミユに被せちゃえばバレないのでは!!

 

「うんしょ、うんしょ」


 ガサゴソと静かに荷物の下に隠れて外が見えるよーにしたよ。

 ここまではじゅんちょー! 


「では! 行くぞ!」


「――っ!」


 ビクッと体が動いちゃった! バレてないよね?

 多分ジュラルかなぁ……いつもと何か違う……声が怖い……。

 ガラゴロと音を立てて、ミユの体が揺れた。

 

「動いた……これは大せーこー……!」


 よーし、これでジュラルの秘密を暴いちゃお!

 ミユのことみんなで除け者にしたんだからこれくらいは良いよね。

 あ、トーマに会えると良いな。

 久しぶりに会いたいな、会いにきたりして……。

 とりあえず、ミユの大冒険始まりだぁ!!

 

 



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