素人が笑いを扱うな!問題
お笑い芸人が、たとえば茂木健一郎などを「この素人がっ!」とバカにする。そして、モギーの笑いを「つまんな」という関西弁で貶すのだ。ここに、松本人志の権力に乗っかったお笑い芸人の瞠目すべき、真の退屈がある。
お笑い芸人が権力に乗っかって胡座を描いているのだ。しかも、そんな自分に少しの疑問も感じずに、自分のことを「面白い方」と認識してしまっているのである。確かに、茂木健一郎はつまらないこともするだろう。
しかし、茂木健一郎という人の知性は素晴らしいと思う。たまに感心してしまうこともあるし、クオリアという概念で、多くの人の思考に役立っている。私はそんなによく知らないし、どう役立っているかは知らないが、少なくとも他の学者よりは面白い存在だ。
そんな茂木が「つまんな」いのなら、他の学者はもっとつまらないだろう。このお笑い芸人は、「学者の話なんかつまらないから、俺たちのライブに来いよ」みたいな意図で言ったのだろうか。多分違う。茂木への羞恥心がそれをさせたのだ。
素人のくせにお笑いマスターみたいな顔しやがって。ということで、彼らは感覚的に、恥ずかしくなっているのであるが、むしろ、その恥ずかしさこそ、権力の奴隷になっていることの無自覚なのである。
お笑いの大事な要素の一つとして、素人いじりがあるが、多分、はじまりは、萩本欽一だったろう。明石家さんまでも良いが、彼らは、素人に対して、表面上は厳しいが、その裏には、ちゃんと優しさがあった。彼らのツッコミは、サービスみたいなものであった。しかし、そのお笑い芸人の茂木へのツッコミは、むしろ憎しみである。
そのお笑い芸人の病理が茂木さんへのツッコミに現れてしまっているのであるが、彼は気づかないだろう。その醜悪さに。いや、欽ちゃんも、さんまも、自分に絶対の自信があったのだ。しかし、このお笑い芸人にはそんな自信もないから、必死になって茂木を「つまんな」と言っているのである。むしろ、この状況だったら、茂木さん相手に大爆笑するのがお笑いのセオリーではなかろうか。
ま、それをやったところで、私はそう言うお笑いの無自覚な権力構成が腹立たしいので、なんとも思わないが、たとえば、「バカリズムが頭がいい」っていう風潮、とか、なんなんお前らの内輪向けルールって、いつも思う。バカリズム、つまんな!って、大声で叫ぶのがお笑いの本道だろうが。プロを自認するなら、そういう狭き道を辿って挑戦してみろよ、コラ!




